命がけの恋~13回目のデスループを回避する為、婚約者の『護衛騎士』を攻略する

結城芙由奈@コミカライズ連載中

文字の大きさ
99 / 107

5−20 ジュリエッタの正体

しおりを挟む
 え…?
中をそっと覗き込むと部屋の中はもぬけの殻だった。何故ドアが空いたのだろう?
部屋の中に一歩足を踏み入れた途端…。

バタンッ!!

背後の扉が閉ざされた。えっ?!本能的に危険を感じ、私は急いでドアに駆け寄りノブを回した。

ガチャガチャッ!

しかし、少しもノブが回らない。

「そ、そんな…」

まさか…閉じ込められたっ?!でも一体誰が…。その時、背後で人の気配を感じた。

「!」

ハッとなって振り返った途端―。

ガッ!!

頭に激しい衝撃を感じ…私は意識を失った。



ズキン
ズキン
ズキン…


「う…」

後頭部に激しい痛みを感じ、私は呻いた。するとすぐ傍で声が聞こえた。

「大丈夫かい?シルビア…」

その声は…。目を開けて辺りを見るとそこは薄暗い、何も周りにない部屋だった。そして私の名前を呼んだのはアンリ王子だった。アンリ王子が椅子に座り、私を見ていた。

「え…?アンリ王子、何故ここに…え?」

その時になって私は初めて気付いた。自分が後手に縛られて床の上に転がっていたことを。

「ア、アンリ王子!これは一体…!」

するとアンリ王子は言った。

「実は僕も捕まっているのさ」

「え?」

「ほら、見てご覧」

アンリ王子は立ち上がると、椅子まで一緒に持ち上がった。

「え…?」

そしてくるりと私に背を向けると椅子の背もたれに腕を回すように縛られていたのだ。

「アンリ王子も捕まったのですか?!」

「ああ、そうだよ」

「い、一体誰がこんな真似をっ?!」

「それは…」

アンリ王子が言いかけた時、突然ドアの開く音が聞こえた。現れたのはジュリエッタだった。

「あ!ジュリエッタ様!助けに来てくれたのですねっ?!」

何とか立ち上がろうとした時…

シュッ!

鋭い音がジュリエッタから聞こえ、突然私の頬に痛みが走った。ガッ!そして背後の壁に何か刺さる音が聞こえた。恐る恐る振り返ると壁にダガーが刺さっている。

「え…?」

「シルビアッ!!」

アンリ王子が私の名を呼んだ。
…信じられなかった。

「ジュリエッタ…様…?」

私に向かってダガーを投げつけてきたのはジュリエッタだった。すると背後のアンリ王子が私に叫んだ

「シルビアッ!僕達をここに閉じ込めたのはジュリエッタなんだ!」

「え…?」

「ど、どうして…?」

するとジュリエッタは今までにない程の妖艶な笑みを浮かべると言った。

「どうしてですって?簡単な事よ。シルビア。貴女を殺して魔力を奪う為よ」

「え…?」

私は耳を疑った。

「私はね…今から300年前にこの国に住んでいた魔女だったのよ」

「え…?」

「その昔、私は魔女の力を使ってこの国に君臨する女王だったわ。人の心を魅了し、時には魔力でこの国を支配していたのよ。わざと戦争を起こすように仕向け、世界を支配しようとしていたのに…」

言いながら私をジロリと睨みつけた。

「貴方たち一族に滅ぼされたのよ!」

ジュリエッタは私を指さして睨みつけた―。

しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

【完結】✴︎私と結婚しない王太子(あなた)に存在価値はありませんのよ?

綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
恋愛
「エステファニア・サラ・メレンデス――お前との婚約を破棄する」 婚約者であるクラウディオ王太子に、王妃の生誕祝いの夜会で言い渡された私。愛しているわけでもない男に婚約破棄され、断罪されるが……残念ですけど、私と結婚しない王太子殿下に価値はありませんのよ? 何を勘違いしたのか、淫らな恰好の女を伴った元婚約者の暴挙は彼自身へ跳ね返った。 ざまぁ要素あり。溺愛される主人公が無事婚約破棄を乗り越えて幸せを掴むお話。 表紙イラスト:リルドア様(https://coconala.com/users/791723) 【完結】本編63話+外伝11話、2021/01/19 【複数掲載】アルファポリス、小説家になろう、エブリスタ、カクヨム、ノベルアップ+ 2021/12  異世界恋愛小説コンテスト 一次審査通過 2021/08/16、「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過

若い頃に婚約破棄されたけど、不惑の年になってようやく幸せになれそうです。

長岡更紗
恋愛
侯爵令嬢だったユリアーナは、第一王子のディートフリートと十歳で婚約した。 仲睦まじく過ごしていたある日、父親の死をきっかけにどん底まで落ちたユリアーナは婚約破棄されてしまう。 愛し合う二人は、離れ離れとなってしまったのだった。 ディートフリートを待ち続けるユリアーナ。 ユリアーナを迎えに行こうと奮闘するディートフリート。 二人に巻き込まれてしまった、男装の王弟。 時に笑い、時に泣き、諦めそうになり、奮闘し…… 全ては、愛する人と幸せになるために。 他サイトと重複投稿しています。 全面改稿して投稿中です。

白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』

鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」 公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。 だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。 ――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの? 何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。 しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。 それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。 そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。 温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。 そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。 「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」 「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」 離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。 そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。

悪役令嬢、第四王子と結婚します!

水魔沙希
恋愛
私・フローディア・フランソワーズには前世の記憶があります。定番の乙女ゲームの悪役転生というものです。私に残された道はただ一つ。破滅フラグを立てない事!それには、手っ取り早く同じく悪役キャラになってしまう第四王子を何とかして、私の手中にして、シナリオブレイクします! 小説家になろう様にも、書き起こしております。

悪役令嬢の逆襲

すけさん
恋愛
断罪される1年前に前世の記憶が甦る! 前世は三十代の子持ちのおばちゃんだった。 素行は悪かった悪役令嬢は、急におばちゃんチックな思想が芽生え恋に友情に新たな一面を見せ始めた事で、断罪を回避するべく奮闘する!

断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる

葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。 アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。 アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。 市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。

【完結】すり替わられた小間使い令嬢は、元婚約者に恋をする

白雨 音
恋愛
公爵令嬢オーロラの罪は、雇われのエバが罰を受ける、 12歳の時からの日常だった。 恨みを持つエバは、オーロラの14歳の誕生日、魔力を使い入れ換わりを果たす。 それ以来、オーロラはエバ、エバはオーロラとして暮らす事に…。 ガッカリな婚約者と思っていたオーロラの婚約者は、《エバ》には何故か優しい。 『自分を許してくれれば、元の姿に戻してくれる』と信じて待つが、 魔法学校に上がっても、入れ換わったままで___ (※転生ものではありません) ※完結しました

処理中です...