103 / 108
5章 19 エイダの驚くべき告白
しおりを挟む
「エイダ、一体何を……」
すると、エイダが私に小声で耳打ちしてきた。
「大丈夫、クラリス。私に任せて」
「え……?」
エイダは一体どうするつもりなのだろう? 不思議そうに彼女を見つめるのは私だけではなかった。
その場にいる全員がエイダに注目している。
「彼女がこのような姿になったのは、クラリスが治癒魔法を使ったからです。けれど、治癒魔法はとても難しいもの。力の加減を誤ってしまったのでロザリンさんは赤ちゃんの姿に戻ってしまったのです」
エイダはきっぱりと言い切った。そんな彼女を全員が驚いたように見つめている。
「エイダ……」
どうしてエイダは、そんなことを言えるのだろう。するとソレイユ伯爵が尋ねた。
「何故、君がそんなことを言えるのだね? 大体治癒魔法を使うことが出来る人物は、ここ数百年現れていないと言われているのに」
「それは違います。治癒魔法を使える人たちは、極僅かですが存在しています。ですが、人々に利用されないようにその力を隠して生きているから知られていないのです」
「どうして、そんな事が言いきれるんだ? 何か証拠でもあるのかい?」
今度は叔父様がエイダに尋ねた。でも、それは誰もが疑問に感じていることだろう。
「それは……この私が証拠です。私も治癒魔法を受けて……身体が若返ってしまったからです」
「え!?」
思わず驚きの声を上げてしまった。勿論私だけではない。その場にいる全員が驚いた顔でエイダを見つめている。
「私は……20歳の頃に、大怪我を負って死にかけたことがあります。誰もが私はもう助からないだろうと思っていました。それを助けてくれた人がいたのです。私が大怪我を負ったときにたまたま居合わせていたそうです。両親が嘆き悲しむ姿を見ていられず、声をかけてくれたそうです」
全員が言葉を無くし、エイダを見つめている。20歳の頃って……だって、今エイダは18歳なのに?
エイダは淡々と語る。
「その人は、両親に治癒魔法を使うことが出来るけれども、とても難しい魔法なので、身体にどんな異変が起こるか分らない。それでもいいかと尋ねたそうです。両親は……当然のように頷きました。そこでその人は、私に治癒魔法をかけました。そして私は死にかけたところを助かったのですが………身体が幼い子供に戻ってしまったのです」
その話に全員、息を呑んだ。
「両親は私が幼児に戻ってしまったことに驚きました。けれど、命が助かったことをとても喜びました。死にかけていた私を助けてくれたその人は、このことは口外しないで欲しいと言い残して名前も告げずに去っていきました。その後、両親は私を連れて知りあいのいない地へ引っ越しました。そして幼児化した私は、同じ年齢の子供たちに混ざって生活を始めたのです。自分の実年齢を偽って」
そんな……!
それでは、エイダは今本当はいくつなのだろう? 前世の記憶がある私の精神年齢とさほど変わらないのではないだろうか?
「エイダ……」
思わず彼女の名前を口にすると、一瞬エイダは私を見て悲しげに微笑む。そして再びソレイユ伯爵夫妻に向き直った。
「私みたいに自我が芽生えている中途半端な年齢まで若返ってしまうより、赤ちゃんにまで若返ってしまったロザリンの方がまだ幸せだと思います。私の両親は幼児化した私を受け入れて、育ててくれました。お二人もロザリンを受け入れて、一から育て直してあげることは出来ませんか?」
ロザリンはソレイユ伯爵に頭を下げた――
すると、エイダが私に小声で耳打ちしてきた。
「大丈夫、クラリス。私に任せて」
「え……?」
エイダは一体どうするつもりなのだろう? 不思議そうに彼女を見つめるのは私だけではなかった。
その場にいる全員がエイダに注目している。
「彼女がこのような姿になったのは、クラリスが治癒魔法を使ったからです。けれど、治癒魔法はとても難しいもの。力の加減を誤ってしまったのでロザリンさんは赤ちゃんの姿に戻ってしまったのです」
エイダはきっぱりと言い切った。そんな彼女を全員が驚いたように見つめている。
「エイダ……」
どうしてエイダは、そんなことを言えるのだろう。するとソレイユ伯爵が尋ねた。
「何故、君がそんなことを言えるのだね? 大体治癒魔法を使うことが出来る人物は、ここ数百年現れていないと言われているのに」
「それは違います。治癒魔法を使える人たちは、極僅かですが存在しています。ですが、人々に利用されないようにその力を隠して生きているから知られていないのです」
「どうして、そんな事が言いきれるんだ? 何か証拠でもあるのかい?」
今度は叔父様がエイダに尋ねた。でも、それは誰もが疑問に感じていることだろう。
「それは……この私が証拠です。私も治癒魔法を受けて……身体が若返ってしまったからです」
「え!?」
思わず驚きの声を上げてしまった。勿論私だけではない。その場にいる全員が驚いた顔でエイダを見つめている。
「私は……20歳の頃に、大怪我を負って死にかけたことがあります。誰もが私はもう助からないだろうと思っていました。それを助けてくれた人がいたのです。私が大怪我を負ったときにたまたま居合わせていたそうです。両親が嘆き悲しむ姿を見ていられず、声をかけてくれたそうです」
全員が言葉を無くし、エイダを見つめている。20歳の頃って……だって、今エイダは18歳なのに?
エイダは淡々と語る。
「その人は、両親に治癒魔法を使うことが出来るけれども、とても難しい魔法なので、身体にどんな異変が起こるか分らない。それでもいいかと尋ねたそうです。両親は……当然のように頷きました。そこでその人は、私に治癒魔法をかけました。そして私は死にかけたところを助かったのですが………身体が幼い子供に戻ってしまったのです」
その話に全員、息を呑んだ。
「両親は私が幼児に戻ってしまったことに驚きました。けれど、命が助かったことをとても喜びました。死にかけていた私を助けてくれたその人は、このことは口外しないで欲しいと言い残して名前も告げずに去っていきました。その後、両親は私を連れて知りあいのいない地へ引っ越しました。そして幼児化した私は、同じ年齢の子供たちに混ざって生活を始めたのです。自分の実年齢を偽って」
そんな……!
それでは、エイダは今本当はいくつなのだろう? 前世の記憶がある私の精神年齢とさほど変わらないのではないだろうか?
「エイダ……」
思わず彼女の名前を口にすると、一瞬エイダは私を見て悲しげに微笑む。そして再びソレイユ伯爵夫妻に向き直った。
「私みたいに自我が芽生えている中途半端な年齢まで若返ってしまうより、赤ちゃんにまで若返ってしまったロザリンの方がまだ幸せだと思います。私の両親は幼児化した私を受け入れて、育ててくれました。お二人もロザリンを受け入れて、一から育て直してあげることは出来ませんか?」
ロザリンはソレイユ伯爵に頭を下げた――
1,093
あなたにおすすめの小説
モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~
咲桜りおな
恋愛
前世で大好きだった乙女ゲームの世界にモブキャラとして転生した伯爵令嬢のアスチルゼフィラ・ピスケリー。
ヒロインでも悪役令嬢でもないモブキャラだからこそ、推しキャラ達の恋物語を遠くから鑑賞出来る! と楽しみにしていたら、関わりたくないのに何故か悪役令嬢の兄である騎士見習いがやたらと絡んでくる……。
いやいや、物語の当事者になんてなりたくないんです! お願いだから近付かないでぇ!
そんな思いも虚しく愛しの推しは全力でわたしを口説いてくる。おまけにキラキラ王子まで絡んで来て……逃げ場を塞がれてしまったようです。
結構、ところどころでイチャラブしております。
◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆
前作「完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい」のスピンオフ作品。
この作品だけでもちゃんと楽しんで頂けます。
番外編集もUPしましたので、宜しければご覧下さい。
「小説家になろう」でも公開しています。
〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です
hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。
夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。
自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。
すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。
訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。
円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・
しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・
はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?
悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています
窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。
シナリオ通りなら、死ぬ運命。
だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい!
騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します!
というわけで、私、悪役やりません!
来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。
あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……!
気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。
悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!
【完結】破滅フラグを回避したいのに婚約者の座は譲れません⁈─王太子殿下の婚約者に転生したみたいだけど転生先の物語がわかりません─
江崎美彩
恋愛
侯爵家の令嬢エレナ・トワインは王太子殿下の婚約者……のはずなのに、正式に発表されないまま月日が過ぎている。
王太子殿下も通う王立学園に入学して数日たったある日、階段から転げ落ちたエレナは、オタク女子高生だった恵玲奈の記憶を思い出す。
『えっ? もしかしてわたし転生してる?』
でも肝心の転生先の作品もヒロインなのか悪役なのかモブなのかもわからない。エレナの記憶も恵玲奈の記憶も曖昧で、エレナの王太子殿下に対する一方的な恋心だけしか手がかりがない。
王太子殿下の発表されていない婚約者って、やっぱり悪役令嬢だから殿下の婚約者として正式に発表されてないの? このまま婚約者の座に固執して、断罪されたりしたらどうしよう!
『婚約者から妹としか思われてないと思い込んで悪役令嬢になる前に身をひこうとしている侯爵令嬢(転生者)』と『婚約者から兄としか思われていないと思い込んで自制している王太子様』の勘違いからすれ違いしたり、謀略に巻き込まれてすれ違いしたりする物語です。
長編ですが、一話一話はさっくり読めるように短めです。
『小説家になろう』『カクヨム』にも投稿しています。
ゲームには参加しません! ―悪役を回避して無事逃れたと思ったのに―
冬野月子
恋愛
侯爵令嬢クリスティナは、ここが前世で遊んだ学園ゲームの世界だと気づいた。そして自分がヒロインのライバルで悪役となる立場だと。
のんびり暮らしたいクリスティナはゲームとは関わらないことに決めた。設定通りに王太子の婚約者にはなってしまったけれど、ゲームを回避して婚約も解消。平穏な生活を手に入れたと思っていた。
けれど何故か義弟から求婚され、元婚約者もアプローチしてきて、さらに……。
※小説家になろう・カクヨムにも投稿しています。
悪役令嬢は自称親友の令嬢に婚約者を取られ、予定どおり無事に婚約破棄されることに成功しましたが、そのあとのことは考えてませんでした
みゅー
恋愛
婚約者のエーリクと共に招待された舞踏会、公の場に二人で参加するのは初めてだったオルヘルスは、緊張しながらその場へ臨んだ。
会場に入ると前方にいた幼馴染みのアリネアと目が合った。すると、彼女は突然泣き出しそんな彼女にあろうことか婚約者のエーリクが駆け寄る。
そんな二人に注目が集まるなか、エーリクは突然オルヘルスに婚約破棄を言い渡す……。
【完結】モブの王太子殿下に愛されてる転生悪役令嬢は、国外追放される運命のはずでした
Rohdea
恋愛
公爵令嬢であるスフィアは、8歳の時に王子兄弟と会った事で前世を思い出した。
同時に、今、生きているこの世界は前世で読んだ小説の世界なのだと気付く。
さらに自分はヒーロー(第二王子)とヒロインが結ばれる為に、
婚約破棄されて国外追放となる運命の悪役令嬢だった……
とりあえず、王家と距離を置きヒーロー(第二王子)との婚約から逃げる事にしたスフィア。
それから数年後、そろそろ逃げるのに限界を迎えつつあったスフィアの前に現れたのは、
婚約者となるはずのヒーロー(第二王子)ではなく……
※ 『記憶喪失になってから、あなたの本当の気持ちを知りました』
に出てくる主人公の友人の話です。
そちらを読んでいなくても問題ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる