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第26話 悪女はどちら?
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「そうね…とりあえず、これは私の物だから返してもらうわ」
パメラがテーブルの上に置いたペン立てを手に取ると私は言った。
「ええ、そうね。また誰かさんに捕られる前にしまっておいた方がいいわ」
ペリーヌがパメラを見ながら嫌味たっぷりに言う。
「だ、だから私じゃないって言ってるでしょう?全てそこのシビルが勝手にやった事よ!」
パメラは涙目になっているシビルを指さした。
「そう言えばパメラ…さっき、貴女私に言ったわよね?私からそこの彼女を職員室に連れて行くかどうか…」
「え、ええ?言ったけど…?」
「なら実行させて貰うわ。今から彼女を連れて職員室に行く事にするから」
「「「「えっ?!」」」」
パメラと3人の女生徒達が全員ギョッとした顔で声を揃えて私を見た。
「あら?まさかひょっとして盗んだ物を返したから、それでもう許して貰えるかと思ったのかしら?」
腕組みしながらパメラに尋ねると、サッとパメラは視線をそらせた。
「ま、まさか…そ、そんなはず…無いわよ…」
けれどパメラの表情には動揺が隠せない。その証拠に視線が泳いでいる。
「そうよね?そこのシビルの事を先生に報告し、それ相応の罰を彼女に受けて貰うようにするわ。元々は貴女の提案だしね。どう思う?ペリーヌ」
隣に立つペリーヌに意見を求めた。
「ええ、それがいいと思うわ。だって勝手にアンジェラの鞄をあさって盗みを働いたのだから。これはれっきとした犯罪よ。ちゃんと先生方から罰を与えて貰わないとね。」
すると突然パメラが態度を変えて来た。
「あ、あの…い、いくら何でも犯罪というのは少し言い過ぎじゃないかしら?ただ少し魔がさしただけなのかもしれないし…」
「あら?随分この人を擁護するような言い方をするけれど…初めに先生に報告すると言い出したのは貴女の方よ?」
私はパメラをじっと見た。
パメラの考えなどお見通しだった。恐らくペン立てを私に返したから見逃して貰えると思ったのだろう。そしてシビルに全ての罪を押し付け、自分で職員室に言って報告すると言ったけれどもパメラの事だ。絶対にそんな事はしないだろう。
私からシビルを職員室に連れていくかと尋ねたのも、私が断るだろうと思っての事に違いない。
「分ったわよ。だったらアンジェラさんがシビルを職員室に連れて行くといいわ」
パメラは吐き捨てるように言う。
「そ、そんなっ!パメラッ!貴女が私に命じたんじゃないのっ!アンジェラさんから…っ!」
するとシビルがパメラに叫んだ。
「シビルッ!悪あがきはやめなさいっ!」
涙目になって訴えるシビルをパメラは一喝した。その言葉にシビルの肩がビクリと跳ねる。
「それじゃ行くわよ?」
私はシビルに声を掛けた。
「…」
シビルは真っ青になりながらも観念したのか、ガタンと席を立った。
「アンジェラ。私もついていくわ。いいでしょう?」
「ええ、勿論よ。それじゃ行くわよ、シビル」
私はシビルに声を掛けた。
「は、はい…」
その時、パメラがボソリと言った。
「…本当に悪女ね…」
「何ですって?」
またもやパメラは私を悪女呼ばわりしてきた。
「何故私が悪女なのよ?」
「そうでしょうっ?!たった1度の過ちを許さないなんて…何て狭い心の持ち主なのよっ!」
するとペリーヌが言った。
「本当に呆れた女ね。アンジェラのどこが悪女なの?あんたの方が余程悪女よ。自分は手を汚さずに命令を下して実行させて…いざとなったら切り捨てるんだから!アンジェラ。パメラの言う事なんか聞かなくていいわよ」
「な、何ですって…!」
パメラは身体を震わせて悔しそうにペリーヌを睨み付けている。
「それじゃ職員室へ行くわよ。早く行かないとお昼休みが終わってしまうわ」
私はシビルに声を掛けると、観念したかのようにシビルは無言でコクリと頷く。
そして私達は悔しがるパメラと怯える2人の女子生徒達をその場に残し、シビルを連れて学食を後にした―。
パメラがテーブルの上に置いたペン立てを手に取ると私は言った。
「ええ、そうね。また誰かさんに捕られる前にしまっておいた方がいいわ」
ペリーヌがパメラを見ながら嫌味たっぷりに言う。
「だ、だから私じゃないって言ってるでしょう?全てそこのシビルが勝手にやった事よ!」
パメラは涙目になっているシビルを指さした。
「そう言えばパメラ…さっき、貴女私に言ったわよね?私からそこの彼女を職員室に連れて行くかどうか…」
「え、ええ?言ったけど…?」
「なら実行させて貰うわ。今から彼女を連れて職員室に行く事にするから」
「「「「えっ?!」」」」
パメラと3人の女生徒達が全員ギョッとした顔で声を揃えて私を見た。
「あら?まさかひょっとして盗んだ物を返したから、それでもう許して貰えるかと思ったのかしら?」
腕組みしながらパメラに尋ねると、サッとパメラは視線をそらせた。
「ま、まさか…そ、そんなはず…無いわよ…」
けれどパメラの表情には動揺が隠せない。その証拠に視線が泳いでいる。
「そうよね?そこのシビルの事を先生に報告し、それ相応の罰を彼女に受けて貰うようにするわ。元々は貴女の提案だしね。どう思う?ペリーヌ」
隣に立つペリーヌに意見を求めた。
「ええ、それがいいと思うわ。だって勝手にアンジェラの鞄をあさって盗みを働いたのだから。これはれっきとした犯罪よ。ちゃんと先生方から罰を与えて貰わないとね。」
すると突然パメラが態度を変えて来た。
「あ、あの…い、いくら何でも犯罪というのは少し言い過ぎじゃないかしら?ただ少し魔がさしただけなのかもしれないし…」
「あら?随分この人を擁護するような言い方をするけれど…初めに先生に報告すると言い出したのは貴女の方よ?」
私はパメラをじっと見た。
パメラの考えなどお見通しだった。恐らくペン立てを私に返したから見逃して貰えると思ったのだろう。そしてシビルに全ての罪を押し付け、自分で職員室に言って報告すると言ったけれどもパメラの事だ。絶対にそんな事はしないだろう。
私からシビルを職員室に連れていくかと尋ねたのも、私が断るだろうと思っての事に違いない。
「分ったわよ。だったらアンジェラさんがシビルを職員室に連れて行くといいわ」
パメラは吐き捨てるように言う。
「そ、そんなっ!パメラッ!貴女が私に命じたんじゃないのっ!アンジェラさんから…っ!」
するとシビルがパメラに叫んだ。
「シビルッ!悪あがきはやめなさいっ!」
涙目になって訴えるシビルをパメラは一喝した。その言葉にシビルの肩がビクリと跳ねる。
「それじゃ行くわよ?」
私はシビルに声を掛けた。
「…」
シビルは真っ青になりながらも観念したのか、ガタンと席を立った。
「アンジェラ。私もついていくわ。いいでしょう?」
「ええ、勿論よ。それじゃ行くわよ、シビル」
私はシビルに声を掛けた。
「は、はい…」
その時、パメラがボソリと言った。
「…本当に悪女ね…」
「何ですって?」
またもやパメラは私を悪女呼ばわりしてきた。
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私はシビルに声を掛けると、観念したかのようにシビルは無言でコクリと頷く。
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