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40 2人で話を
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私は隣に座り、真剣に黒板の文字を書き写しているキャロルをチラリと見た。
そんな私の視線に気づいてか、キャロルは私を見てニッコリとほほ笑む。そして私も笑みを返して・・・視線を黒板に戻した。
****
それは今から5分程前―
「テア。貴女は今右手が不自由でしょう?私がしっかりノートを取って、後でテアの分のノートに写してあげるからね?」
キャロルはウィンクしながら私に言った。
「ありがとう、キャロル。でも悪いわ。貴女に二度手間を掛けさせてしまって・・・。」
「何言ってるの?私たち・・親友でしょう?」
そう言うと、キャロルは笑みを浮かべた―。
****
私は再びチラリとキャロルを見つめ・・思った。やっぱりキャロルはヘンリーに気があるのだろう。先ほどもすぐにヘンリーの具合を聞いてきたし・・・私にヘンリーから離れるべきだと言ってきたから。
私が許婚のヘンリーからよく思われていないのは一目瞭然。だけど、ヘンリーはキャロルに私には向けたことのない好意を隠すことなくキャロルに向けている。そんな彼をキャロルも気に入ったのだろう。キャロルもヘンリーも私がいるからお互いに気持ちを伝えられないでいるのだ。だからヘンリーが教室に戻ったら、彼をキャロルの隣に座らせ、私は2人の邪魔にならない場所に移動しよう。その為にも・・早く腕の怪我を治さなければ・・・。
私はそっと怪我をした右手首に触れた―。
キーンコーンカーンコーン
1時限目の講義が終わった。結局・・ヘンリーは戻ってこなかった。キャロルがカバンに筆記用具をしまいながら声をかけてきた。
「ねえ、テア。2時限目は第2教室で外国語の講義だったわよね?一緒に行きましょう。実はね、朝会ったルームメイトのダイアナも同じ外国後を選択していたの。彼女はねBクラスで、この教室に迎えに来てくれるのよ・・あ、来たわ!ダイアナッ!こっちこっち!」
キャロルは元気よく手を振ると、入り口からダイアナが入ってきた。
「お待たせ、キャロル。それに・・。」
ダイアナは私をチラリと見た。
「私はテアよ。」
「そう、テア。それじゃ皆で一緒に行きましょう。」
ダイアナに促されて私たちが立ち上がった時・・。
「テア。」
背後で名前を呼ばれた。振り向くとそこに立っていたのはニコルだった。
「まあ、ニコル。おはよう、今朝は遅れて教室に入ってきたから・・挨拶できなかったわね?」
するとニコルが言った。
「ごめん・・テア。ちょっと2人で話せないかな?」
ニコルの顔は真剣だった。
「あ・・でも、私これからみんなで・・。」
言いかけるとキャロルが笑顔で言った。
「まあ、テアに用事があるのね?いいわ、テアなら貸してあげる。私はダイアナと先に教室移動しているから、貴女は後からゆっくりくればいいわよ。休み時間は30分もあるのだから。」
何故かニコルとの話を進める。そこで私はピンときた。ああ・・そうか。私はキャロルに、もうヘンリーには興味がないという態度を示してあげないと・・キャロルを安心させてあげられないんだ。そこで私は言った。
「分かったわ、キャロル。後で第2教室に行くから、2人で先に教室へ行ってて?」
「ええ、分かったわ。それじゃダイアナ、行きましょう。」
キャロルは松葉杖をつくと、ダイアナと2人で出入口へ向かい・・一度振り向くと言った。
「お2人ともごゆっくり~。」
そしてキャロルはダイアナと笑顔でおしゃべりしながら、教室を出て行った。それを見届けるとニコルは言った。
「テアの親友のキャロルって・・・随分明るいんだね?」
「ええ、そうなの。キャロルは明るくて、美人で、だからヘンリーも・・・。」
思わずヘンリーの名前を口にしてしまい、慌てて私は口を閉ざした。
「テア・・・。」
ニコルが名前を呼んだので、顔を上げるとそこには同情を込めた目で私を見る彼がいた。その視線が痛くて、無理に笑顔を作り、ニコルを見た。
「ところでニコル。話って何?」
するとニコルが言った。
「テア・・・昨日・・・あれから何も・・・無かったかい?」
と―。
そんな私の視線に気づいてか、キャロルは私を見てニッコリとほほ笑む。そして私も笑みを返して・・・視線を黒板に戻した。
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それは今から5分程前―
「テア。貴女は今右手が不自由でしょう?私がしっかりノートを取って、後でテアの分のノートに写してあげるからね?」
キャロルはウィンクしながら私に言った。
「ありがとう、キャロル。でも悪いわ。貴女に二度手間を掛けさせてしまって・・・。」
「何言ってるの?私たち・・親友でしょう?」
そう言うと、キャロルは笑みを浮かべた―。
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私は再びチラリとキャロルを見つめ・・思った。やっぱりキャロルはヘンリーに気があるのだろう。先ほどもすぐにヘンリーの具合を聞いてきたし・・・私にヘンリーから離れるべきだと言ってきたから。
私が許婚のヘンリーからよく思われていないのは一目瞭然。だけど、ヘンリーはキャロルに私には向けたことのない好意を隠すことなくキャロルに向けている。そんな彼をキャロルも気に入ったのだろう。キャロルもヘンリーも私がいるからお互いに気持ちを伝えられないでいるのだ。だからヘンリーが教室に戻ったら、彼をキャロルの隣に座らせ、私は2人の邪魔にならない場所に移動しよう。その為にも・・早く腕の怪我を治さなければ・・・。
私はそっと怪我をした右手首に触れた―。
キーンコーンカーンコーン
1時限目の講義が終わった。結局・・ヘンリーは戻ってこなかった。キャロルがカバンに筆記用具をしまいながら声をかけてきた。
「ねえ、テア。2時限目は第2教室で外国語の講義だったわよね?一緒に行きましょう。実はね、朝会ったルームメイトのダイアナも同じ外国後を選択していたの。彼女はねBクラスで、この教室に迎えに来てくれるのよ・・あ、来たわ!ダイアナッ!こっちこっち!」
キャロルは元気よく手を振ると、入り口からダイアナが入ってきた。
「お待たせ、キャロル。それに・・。」
ダイアナは私をチラリと見た。
「私はテアよ。」
「そう、テア。それじゃ皆で一緒に行きましょう。」
ダイアナに促されて私たちが立ち上がった時・・。
「テア。」
背後で名前を呼ばれた。振り向くとそこに立っていたのはニコルだった。
「まあ、ニコル。おはよう、今朝は遅れて教室に入ってきたから・・挨拶できなかったわね?」
するとニコルが言った。
「ごめん・・テア。ちょっと2人で話せないかな?」
ニコルの顔は真剣だった。
「あ・・でも、私これからみんなで・・。」
言いかけるとキャロルが笑顔で言った。
「まあ、テアに用事があるのね?いいわ、テアなら貸してあげる。私はダイアナと先に教室移動しているから、貴女は後からゆっくりくればいいわよ。休み時間は30分もあるのだから。」
何故かニコルとの話を進める。そこで私はピンときた。ああ・・そうか。私はキャロルに、もうヘンリーには興味がないという態度を示してあげないと・・キャロルを安心させてあげられないんだ。そこで私は言った。
「分かったわ、キャロル。後で第2教室に行くから、2人で先に教室へ行ってて?」
「ええ、分かったわ。それじゃダイアナ、行きましょう。」
キャロルは松葉杖をつくと、ダイアナと2人で出入口へ向かい・・一度振り向くと言った。
「お2人ともごゆっくり~。」
そしてキャロルはダイアナと笑顔でおしゃべりしながら、教室を出て行った。それを見届けるとニコルは言った。
「テアの親友のキャロルって・・・随分明るいんだね?」
「ええ、そうなの。キャロルは明るくて、美人で、だからヘンリーも・・・。」
思わずヘンリーの名前を口にしてしまい、慌てて私は口を閉ざした。
「テア・・・。」
ニコルが名前を呼んだので、顔を上げるとそこには同情を込めた目で私を見る彼がいた。その視線が痛くて、無理に笑顔を作り、ニコルを見た。
「ところでニコル。話って何?」
するとニコルが言った。
「テア・・・昨日・・・あれから何も・・・無かったかい?」
と―。
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