これは、どういう状況かしら?【意外なオチシリーズ第2弾】

結城芙由奈@コミカライズ連載中

文字の大きさ
6 / 9

第6話

しおりを挟む
――翌日

私はフリッツの浮気証拠写真をカバンに入れて登校した。

「フッフッフッ……あの2人、どう料理してあげようかしら」

結局昨日は1日部屋に閉じこもり、どんな方法が一番フリッツとメラニーを懲らしめるのか妙案が思い浮かばなかった。
おかげで、本日は少々寝不足気味だった。

「ふわぁ~……眠いわ……」

欠伸を噛み殺し、校舎に向って歩いていたその時。

「おはよう、ロッテ」

背後から声をかけられ、肩をポンと叩かれた。

「ひゃあ!」

驚いて思わず変な声が出てしまう。

「あ! ごめんなさい、驚かせてしまったかしら!」

声をかけてきたのはアリシア様で、申し訳無さそうに謝ってきた。

「いえ! そんなことありません。ただ今日は少々眠気があって、それで少し驚いてしまっただけですから」

「あら? 寝不足なの? 何かあったの?」

並んで歩きながらアリシア様が心配そうな表情を浮かべる。

「い、いえ。特に何もありませんけど」

本当はフリッツのことで色々頭を悩ますことがあるけれども、それを今アリシア様の前で言うわけにはいかない。
何しろ話をするには時間が足りなさすぎる。

「そうだわ、生徒会室にとっておきのコーヒーがあるの。昼休みに飲みにいらっしゃいよ。きっと眠気も覚めるわ」

ナイスな提案をしてくるアリシア様。

「本当ですか!? 行きます! 生徒会室にお邪魔させていただきます!」

「フフフ、待ってるわね。それじゃ、私はこっちの校舎だから。また後でね」

「はい、お昼休みにまたお会いしましょう!」

私は元気良く手を振ると、自分の教室へ向った。
偶然アリシア様に会えて良かった。そのおかげで、フリッツをどう料理してやろうか妙案が浮かんだのだから。


 私は自分の教室へ行く前に、まず最初にメラニーの教室を訪ねた。
幸い? なことにメラニーは私と同学年で同じ校舎。授業開始までは後10分ある。それだけあれば用件を伝えるには十分だろう。


 メラニーのいる教室を覗いていると、顔見知りの女子生徒が私に気付いてい声をかけたきた。

「あら? ロッテさんじゃない。うちのクラスに何か用?」

「ええ。ちょっとメラニーさんを捜しているのよ」

「あ、メラニーさんならほら。窓際の席に座っているわよ」

その言葉に窓際に視線を移すと、2人の男子生徒たちと笑顔で会話している姿があった。

「何? 一体どういうこと?」

フリッツだけでは飽き足らず、他の男子生徒にもちょっかいだしているのだろうか?
すると私の呟きが聞こえたのだろう。

「彼女は転校してまだ3ヶ月程だし……あまり女子生徒の間では評判が良くないのよ。男子生徒の間では、あんな感じだけど」

「そうなの、なら彼女は悪女決定ね。教えてくれてありがとう」

「え? 悪女?」

戸惑う彼女に礼を述べると、私はズカズカと教室の中に入っていった。
すると私の気配に気付いたのか、2人の男子生徒とメラニーが顔をこちらに向ける。

「メラニーさん。少しお話がしたいのだけど、良いかしら?」

「え? あなたはどなた?」

キョトンとした顔で私を見上げるメラニー。
なるほど、転校生と言うだけのことはある。私のことを知らないというわけだ。

「君はBクラスのブライスじゃないか」
「俺達のクラスに何の用だよ」

けれど私は外野を無視し、メラニーに話しかける。

「あなたは私のことを知らないようだけど、私はあなたをよーく知っているわよ?」

そして、おもむろにカバンの中から1枚の写真を取り出して突きつけた。
写真に映るのは、メラニーとフリッツが同じボートに乗っている写真だった。

「「「あ!!!」」」

3人が同時に声をあげる。

「この人は3年のメンゲル先輩じゃないか?」
「メラニー、先輩とデートしたのか?」

一方のメラニーは顔を真っ赤にさせて私を責めてきた。

「こ、この写真どうしたの! まさか隠し撮りでもしたの!?」

「ええ、そうよ。メラニーさん。あなたはフリッツに婚約者がいることを知っているのかしら?」

私は写真をカバンに戻した。

「え……? こ、婚約者……?」

メラニーの顔が青ざめる。
まぁ、確かにフリッツに婚約者がいることを知っているのは極僅かだ。何しろ当事者があまり学内で知れ渡るのを良く思っていないので公言していないからなのだが。それが裏目に出てしまったのだろう。

「いくら知らなかったと言われても婚約者がいる男性とデートなんて、世間はどう思うかしら?」

「そ、それ……は……」

ガタガタ震えるメラニー。彼女は爵位の低い男爵令嬢、身の程は知っているはずだ。

「お、おい。行こうぜ」
「ああ、そうだな……」

メラニーの傍にいた男子生徒がコソコソとその場から立ち去る。恐らく巻き込まれたくは無かったのだろう。

「それじゃ、私も行くわ」

メラニーに背を向けると、背後から焦った声で呼び止められる。

「ええ!? ちょ、ちょっと! こんな中途半端な話で行ってしまうの!? 結論も出ないうちに!?」

「ええ。だって後5分で授業が始まってしまうもの。遅刻したくはないものね」

振り返り、それだけ告げると颯爽と教室を出て行った。

フッフッフッ……。

せいぜい、今日1日悩んで怯えるがいいわ。
よし、この調子で次の中休みはフリッツを直撃してやろう。

教室へ向かいながら、私は1人ほくそ笑んだ――
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

殿下の御心のままに。

cyaru
恋愛
王太子アルフレッドは呟くようにアンカソン公爵家の令嬢ツェツィーリアに告げた。 アルフレッドの側近カレドウス(宰相子息)が婚姻の礼を目前に令嬢側から婚約破棄されてしまった。 「運命の出会い」をしたという平民女性に傾倒した挙句、子を成したという。 激怒した宰相はカレドウスを廃嫡。だがカレドウスは「幸せだ」と言った。 身分を棄てることも厭わないと思えるほどの激情はアルフレッドは経験した事がなかった。 その日からアルフレッドは思う事があったのだと告げた。 「恋をしてみたい。運命の出会いと言うのは生涯に一度あるかないかと聞く。だから――」 ツェツィーリアは一瞬、貴族の仮面が取れた。しかし直ぐに微笑んだ。 ※後半は騎士がデレますがイラっとする展開もあります。 ※シリアスな話っぽいですが気のせいです。 ※エグくてゲロいざまぁはないと思いますが作者判断ですのでご留意ください  (基本血は出ないと思いますが鼻血は出るかも知れません) ※作者の勝手な設定の為こうではないか、あぁではないかと言う一般的な物とは似て非なると考えて下さい ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。  史実などに基づいたものではない事をご理解ください。 ※作者都合のご都合主義、創作の話です。至って真面目に書いています。 ※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。 ※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

二度目の婚約者には、もう何も期待しません!……そう思っていたのに、待っていたのは年下領主からの溺愛でした。

当麻月菜
恋愛
フェルベラ・ウィステリアは12歳の時に親が決めた婚約者ロジャードに相応しい女性になるため、これまで必死に努力を重ねてきた。 しかし婚約者であるロジャードはあっさり妹に心変わりした。 最後に人間性を疑うような捨て台詞を吐かれたフェルベラは、プツンと何かが切れてロジャードを回し蹴りしをかまして、6年という長い婚約期間に終止符を打った。 それから三ヶ月後。島流し扱いでフェルベラは岩山ばかりの僻地ルグ領の領主の元に嫁ぐ。愛人として。 婚約者に心変わりをされ、若い身空で愛人になるなんて不幸だと泣き崩れるかと思いきや、フェルベラの心は穏やかだった。 だって二度目の婚約者には、もう何も期待していないから。全然平気。 これからの人生は好きにさせてもらおう。そう決めてルグ領の領主に出会った瞬間、期待は良い意味で裏切られた。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

王太子殿下のおっしゃる意味がよくわかりません~知能指数が離れすぎていると、会話が成立しない件

碧井 汐桜香
恋愛
天才マリアーシャは、お馬鹿な王子の婚約者となった。マリアーシャが王妃となることを条件に王子は王太子となることができた。 王子の代わりに勉学に励み、国を発展させるために尽力する。 ある日、王太子はマリアーシャに婚約破棄を突きつける。 知能レベルの違う二人の会話は成り立つのか?

殿下、その真実の愛は偽物です

ミズメ
恋愛
「この婚約を破棄する!」 とある夜会で婚約者の王太子が、唐突にそう告げた。 〇全10話/書き終わってます 〇他サイトにも掲載

報われない恋の行方〜いつかあなたは私だけを見てくれますか〜

矢野りと
恋愛
『少しだけ私に時間をくれないだろうか……』 彼はいつだって誠実な婚約者だった。 嘘はつかず私に自分の気持ちを打ち明け、学園にいる間だけ想い人のこともその目に映したいと告げた。 『想いを告げることはしない。ただ見ていたいんだ。どうか、許して欲しい』 『……分かりました、ロイド様』 私は彼に恋をしていた。だから、嫌われたくなくて……それを許した。 結婚後、彼は約束通りその瞳に私だけを映してくれ嬉しかった。彼は誠実な夫となり、私は幸せな妻になれた。 なのに、ある日――彼の瞳に映るのはまた二人になっていた……。 ※この作品の設定は架空のものです。 ※お話の内容があわないは時はそっと閉じてくださいませ。

婚約者はメイドに一目惚れしたようです~悪役になる決意をしたら幼馴染に異変アリ~

たんぽぽ
恋愛
両家の話し合いは円満に終わり、酒を交わし互いの家の繁栄を祈ろうとしていた矢先の出来事。 酒を運んできたメイドを見て小さく息を飲んだのは、たった今婚約が決まった男。 不運なことに、婚約者が一目惚れする瞬間を見てしまったカーテルチアはある日、幼馴染に「わたくし、立派な悪役になります」と宣言した。     

【完結】さよなら、馬鹿な王太子殿下

花草青依
恋愛
ビーチェは恋人であるランベルト王太子の傍らで、彼の“婚約破棄宣言”を聞いていた。ランベルトの婚約者であるニナはあっさりと受け入れて去って行った。それを見て、上手く行ったと満足するビーチェ。しかし、彼女の目的はそれだけに留まらず、王宮の平和を大きく乱すものだった。 ■主人公は、いわゆる「悪役令嬢もの」の原作ヒロインのポジションの人です ■画像は生成AI (ChatGPT)

処理中です...