7 / 9
第7話
しおりを挟む
――午前10時
2時限目の授業が終わり、中休みになったので私は急いでフリッツのクラスへ向った。
教室を覗くと今回は私の姿に気付いたようで、一瞬いやそ~な表情を浮かべたフリッツがこちらにやって来た。
「ロッテ……また来たんだね」
「ええ。またしても来たわ。フリッツに見せたいものがあってね~」
「な、何なんだよ……その楽しそうな話し方は」
「ほら、これよ」
ポケットから写真を取り出すと、フリッツの前に突き出した。
「ん……? ああっ!! な、何だ! この写真は!」
そこにはフリッツとメラニーが手を繋いで笑顔で見つめ合っている場面が映し出されている。
「こ、こ、こ……」
「あら、いやだ。驚きすぎて、ニワトリにでもなってしまったのかしら?」
「この写真は一体何だよ!!」
写真を素早くポケットに戻すと、私は笑みを浮かべた。
「見れば分かるでしょう? 2人のデート写真よ」
「まさか、ロッテ。俺達の後をつけていたのか!?」
明らか動揺するフリッツ。
「俺達ですか……なるほど、もう2人は一括りに出来るほどの仲になっているということね?」
「う……」
「それにしても、一体これはどういう状況かしら? フリッツ。婚約者というものがありながら、堂々と他の女性とデートをするなんて……これは立派な浮気よ!」
「い、いや、別人かもしれないだろう? もう一度その写真を見せてくれないか?」
写真を取り上げようとするつもりだろうが、そうはさせるものか。
「言っておきますけどね、この写真を取り上げようとしても無駄よ。ネガは私が持っているの。いくらでも現像出来るんですからね」
「そ、そんな……」
フリッツの慌てふためいている様子を見れば、恐らく婚約破棄をするつもりなはいのだろう。単なる遊びだということなのだろうか?
だが、私は2人を許すわけにはいかない。
「とりあえず、メラニーさんには慰謝料を要求するつもりだから彼女に良く伝えておいいてね」
「い、慰謝料だって!?」
「当然じゃない。彼女は婚約者がいる相手に手を出したのよ。しかも男爵令嬢という格下の身分で! 当然慰謝料を支払わせるわ」
「いくら何でも、それはやりすぎだと思わないか?」
フリッツは余程メラニーが大切なのだろうか? 彼女をかばうような言い方が気に食わない。
「言っておきますけど、私の父も大変激怒しているのよ」
「ひっ!」
この言葉に青ざめるフリッツ。
まぁ、それは当然だろう。父は泣く子も黙る軍人貴族として有名なのだから。
「それなりの誠意を見せてもらわなければ、フリッツの両親にも報告させてもらうから。この写真を使ってね」
「そ、それなりの誠意って……?」
「そんなことは自分で考えて頂戴。それじゃ、中休みも終わるから私は教室に戻るわ」
「ええ!? こ、こんな中途半端な状態で!?」
情けない声をあげるフリッツに返事もせずに、私は背を向けて歩き始めた。
舞台は整った。
後は最後の仕上げをするだけだ。
フリッツとの付き合いは長いので、十分私の性格を知り尽くしている。
きっと私の次の行動を見抜いているはずだ。
「フフフ……面白いことになりそうだわ」
私は足取り軽やかに、自分の教室へと戻っていった――
2時限目の授業が終わり、中休みになったので私は急いでフリッツのクラスへ向った。
教室を覗くと今回は私の姿に気付いたようで、一瞬いやそ~な表情を浮かべたフリッツがこちらにやって来た。
「ロッテ……また来たんだね」
「ええ。またしても来たわ。フリッツに見せたいものがあってね~」
「な、何なんだよ……その楽しそうな話し方は」
「ほら、これよ」
ポケットから写真を取り出すと、フリッツの前に突き出した。
「ん……? ああっ!! な、何だ! この写真は!」
そこにはフリッツとメラニーが手を繋いで笑顔で見つめ合っている場面が映し出されている。
「こ、こ、こ……」
「あら、いやだ。驚きすぎて、ニワトリにでもなってしまったのかしら?」
「この写真は一体何だよ!!」
写真を素早くポケットに戻すと、私は笑みを浮かべた。
「見れば分かるでしょう? 2人のデート写真よ」
「まさか、ロッテ。俺達の後をつけていたのか!?」
明らか動揺するフリッツ。
「俺達ですか……なるほど、もう2人は一括りに出来るほどの仲になっているということね?」
「う……」
「それにしても、一体これはどういう状況かしら? フリッツ。婚約者というものがありながら、堂々と他の女性とデートをするなんて……これは立派な浮気よ!」
「い、いや、別人かもしれないだろう? もう一度その写真を見せてくれないか?」
写真を取り上げようとするつもりだろうが、そうはさせるものか。
「言っておきますけどね、この写真を取り上げようとしても無駄よ。ネガは私が持っているの。いくらでも現像出来るんですからね」
「そ、そんな……」
フリッツの慌てふためいている様子を見れば、恐らく婚約破棄をするつもりなはいのだろう。単なる遊びだということなのだろうか?
だが、私は2人を許すわけにはいかない。
「とりあえず、メラニーさんには慰謝料を要求するつもりだから彼女に良く伝えておいいてね」
「い、慰謝料だって!?」
「当然じゃない。彼女は婚約者がいる相手に手を出したのよ。しかも男爵令嬢という格下の身分で! 当然慰謝料を支払わせるわ」
「いくら何でも、それはやりすぎだと思わないか?」
フリッツは余程メラニーが大切なのだろうか? 彼女をかばうような言い方が気に食わない。
「言っておきますけど、私の父も大変激怒しているのよ」
「ひっ!」
この言葉に青ざめるフリッツ。
まぁ、それは当然だろう。父は泣く子も黙る軍人貴族として有名なのだから。
「それなりの誠意を見せてもらわなければ、フリッツの両親にも報告させてもらうから。この写真を使ってね」
「そ、それなりの誠意って……?」
「そんなことは自分で考えて頂戴。それじゃ、中休みも終わるから私は教室に戻るわ」
「ええ!? こ、こんな中途半端な状態で!?」
情けない声をあげるフリッツに返事もせずに、私は背を向けて歩き始めた。
舞台は整った。
後は最後の仕上げをするだけだ。
フリッツとの付き合いは長いので、十分私の性格を知り尽くしている。
きっと私の次の行動を見抜いているはずだ。
「フフフ……面白いことになりそうだわ」
私は足取り軽やかに、自分の教室へと戻っていった――
385
あなたにおすすめの小説
殿下の御心のままに。
cyaru
恋愛
王太子アルフレッドは呟くようにアンカソン公爵家の令嬢ツェツィーリアに告げた。
アルフレッドの側近カレドウス(宰相子息)が婚姻の礼を目前に令嬢側から婚約破棄されてしまった。
「運命の出会い」をしたという平民女性に傾倒した挙句、子を成したという。
激怒した宰相はカレドウスを廃嫡。だがカレドウスは「幸せだ」と言った。
身分を棄てることも厭わないと思えるほどの激情はアルフレッドは経験した事がなかった。
その日からアルフレッドは思う事があったのだと告げた。
「恋をしてみたい。運命の出会いと言うのは生涯に一度あるかないかと聞く。だから――」
ツェツィーリアは一瞬、貴族の仮面が取れた。しかし直ぐに微笑んだ。
※後半は騎士がデレますがイラっとする展開もあります。
※シリアスな話っぽいですが気のせいです。
※エグくてゲロいざまぁはないと思いますが作者判断ですのでご留意ください
(基本血は出ないと思いますが鼻血は出るかも知れません)
※作者の勝手な設定の為こうではないか、あぁではないかと言う一般的な物とは似て非なると考えて下さい
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
史実などに基づいたものではない事をご理解ください。
※作者都合のご都合主義、創作の話です。至って真面目に書いています。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
二度目の婚約者には、もう何も期待しません!……そう思っていたのに、待っていたのは年下領主からの溺愛でした。
当麻月菜
恋愛
フェルベラ・ウィステリアは12歳の時に親が決めた婚約者ロジャードに相応しい女性になるため、これまで必死に努力を重ねてきた。
しかし婚約者であるロジャードはあっさり妹に心変わりした。
最後に人間性を疑うような捨て台詞を吐かれたフェルベラは、プツンと何かが切れてロジャードを回し蹴りしをかまして、6年という長い婚約期間に終止符を打った。
それから三ヶ月後。島流し扱いでフェルベラは岩山ばかりの僻地ルグ領の領主の元に嫁ぐ。愛人として。
婚約者に心変わりをされ、若い身空で愛人になるなんて不幸だと泣き崩れるかと思いきや、フェルベラの心は穏やかだった。
だって二度目の婚約者には、もう何も期待していないから。全然平気。
これからの人生は好きにさせてもらおう。そう決めてルグ領の領主に出会った瞬間、期待は良い意味で裏切られた。
王太子殿下のおっしゃる意味がよくわかりません~知能指数が離れすぎていると、会話が成立しない件
碧井 汐桜香
恋愛
天才マリアーシャは、お馬鹿な王子の婚約者となった。マリアーシャが王妃となることを条件に王子は王太子となることができた。
王子の代わりに勉学に励み、国を発展させるために尽力する。
ある日、王太子はマリアーシャに婚約破棄を突きつける。
知能レベルの違う二人の会話は成り立つのか?
報われない恋の行方〜いつかあなたは私だけを見てくれますか〜
矢野りと
恋愛
『少しだけ私に時間をくれないだろうか……』
彼はいつだって誠実な婚約者だった。
嘘はつかず私に自分の気持ちを打ち明け、学園にいる間だけ想い人のこともその目に映したいと告げた。
『想いを告げることはしない。ただ見ていたいんだ。どうか、許して欲しい』
『……分かりました、ロイド様』
私は彼に恋をしていた。だから、嫌われたくなくて……それを許した。
結婚後、彼は約束通りその瞳に私だけを映してくれ嬉しかった。彼は誠実な夫となり、私は幸せな妻になれた。
なのに、ある日――彼の瞳に映るのはまた二人になっていた……。
※この作品の設定は架空のものです。
※お話の内容があわないは時はそっと閉じてくださいませ。
婚約者はメイドに一目惚れしたようです~悪役になる決意をしたら幼馴染に異変アリ~
たんぽぽ
恋愛
両家の話し合いは円満に終わり、酒を交わし互いの家の繁栄を祈ろうとしていた矢先の出来事。
酒を運んできたメイドを見て小さく息を飲んだのは、たった今婚約が決まった男。
不運なことに、婚約者が一目惚れする瞬間を見てしまったカーテルチアはある日、幼馴染に「わたくし、立派な悪役になります」と宣言した。
【完結】さよなら、馬鹿な王太子殿下
花草青依
恋愛
ビーチェは恋人であるランベルト王太子の傍らで、彼の“婚約破棄宣言”を聞いていた。ランベルトの婚約者であるニナはあっさりと受け入れて去って行った。それを見て、上手く行ったと満足するビーチェ。しかし、彼女の目的はそれだけに留まらず、王宮の平和を大きく乱すものだった。
■主人公は、いわゆる「悪役令嬢もの」の原作ヒロインのポジションの人です
■画像は生成AI (ChatGPT)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる