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2-8 案内
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待ち合わせ場所に着くと、既にレナート様の姿がそこにあった。レナート様はベンチに座って私を待っていた。
「すみません、お待たせ致しました」
背後から声を掛けると、レナート様は振り返り笑顔を見せてくれた。
「手紙、書けたんだね?それじゃ行こうか?」
レナート様は立ち上がると私に言った。
「はい、お願いします」
そして私とレナート様は2人で郵便局へと向かった―。
****
「ねぇ、何もそこまで離れて歩かなくてもいいんじゃないのかな?」
レナート様は後ろを歩く私を振り返ると声を掛けて来た。私とレナート様はかなりの距離を開けて歩いている。
「いえ、いいんです。この位間を開けて置けば、一緒に歩いているようには見られないでしょうから」
「うん…分ったよ…」
頷くと再びレナート様は歩きだし、私も一定の距離を保ったままついていく。
レナート様はどうにも納得がいかない様子だったけれども、私が必死でお願いしたので離れて歩くことを了承してくれたのだった。何故なら今日は土曜日。平民の学生達は皆里帰りしてしまっているけれども貴族の学生達は殆ど帰省せずに寮に残っている。そして大抵の学生達は町に遊びに来ている事はアニータから聞いている。現に私はイアソン王子とフランシスカ様が一緒にクッキーを売っているお店から出て来たのを目撃しているのだから。
あの2人に、私とレナート様が一緒にいる処を見られてしまったら大変な事になってしまう。
石畳できちんと舗道され、緑道が植えられた美しい町中を10分程歩き続けたところで、レナート様は足を止めると振り返った。
「ここが郵便局だよ」
そこは赤いレンガ造りの2階建ての建物でとんがり屋根が特徴的だった。郵便局の前には円形の大きな赤いポストが置かれている。
「僕はここで待っているから、手紙を出しておいでよ」
え…?待っている…?
その言葉に慌てた。
「いえ、ここで結構です。後はひとりで帰れますから。案内して頂き、ありがとうございました」
すると途端に悲し気な顔をするレナート様。
「あ、あの…?」
どうしよう、何か気に障ることを言ってしまっただろうか?
「ロザリー。折角2人でここまで来たのに…追い返すような真似はしないで貰いたいな」
その声は寂しげだった。
「い、いえ!そんな…追い返すだなんて。わ、私はただ…平民の私と一緒に歩いている姿を同じ学園の人達に見られたらまずいと思って…」
「そんなに言うんだったら…また帰りも離れて歩けばいいんじゃないかな?ロザリーに案内してあげたいお店があるんだよ」
「お店…ですか?」
「うん、そうだよ」
どんなお店なんだろう…。レナート様の話に興味が沸いた。
「で、では…後で案内して頂けますか…?」
「勿論だよ。それじゃ待っているから行っておいでよ」
「はい」
頷くと、ガラスの扉を開けて郵便局の中へと入って行った―。
****
5分後―
手紙を預けて来るとレナート様は郵便局の近くにある街路樹の下で待っていて、すぐに私の姿に気が付いた。
「どうもお待たせ致しました」
声を掛けるとレナート様は笑みを浮かべると言った。
「よし、それじゃお勧めのお店に案内してあげるよ」
「はい、よろしくお願いします」
そして再び、私とレナート様は距離を開けて歩き始めた―。
「すみません、お待たせ致しました」
背後から声を掛けると、レナート様は振り返り笑顔を見せてくれた。
「手紙、書けたんだね?それじゃ行こうか?」
レナート様は立ち上がると私に言った。
「はい、お願いします」
そして私とレナート様は2人で郵便局へと向かった―。
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「ねぇ、何もそこまで離れて歩かなくてもいいんじゃないのかな?」
レナート様は後ろを歩く私を振り返ると声を掛けて来た。私とレナート様はかなりの距離を開けて歩いている。
「いえ、いいんです。この位間を開けて置けば、一緒に歩いているようには見られないでしょうから」
「うん…分ったよ…」
頷くと再びレナート様は歩きだし、私も一定の距離を保ったままついていく。
レナート様はどうにも納得がいかない様子だったけれども、私が必死でお願いしたので離れて歩くことを了承してくれたのだった。何故なら今日は土曜日。平民の学生達は皆里帰りしてしまっているけれども貴族の学生達は殆ど帰省せずに寮に残っている。そして大抵の学生達は町に遊びに来ている事はアニータから聞いている。現に私はイアソン王子とフランシスカ様が一緒にクッキーを売っているお店から出て来たのを目撃しているのだから。
あの2人に、私とレナート様が一緒にいる処を見られてしまったら大変な事になってしまう。
石畳できちんと舗道され、緑道が植えられた美しい町中を10分程歩き続けたところで、レナート様は足を止めると振り返った。
「ここが郵便局だよ」
そこは赤いレンガ造りの2階建ての建物でとんがり屋根が特徴的だった。郵便局の前には円形の大きな赤いポストが置かれている。
「僕はここで待っているから、手紙を出しておいでよ」
え…?待っている…?
その言葉に慌てた。
「いえ、ここで結構です。後はひとりで帰れますから。案内して頂き、ありがとうございました」
すると途端に悲し気な顔をするレナート様。
「あ、あの…?」
どうしよう、何か気に障ることを言ってしまっただろうか?
「ロザリー。折角2人でここまで来たのに…追い返すような真似はしないで貰いたいな」
その声は寂しげだった。
「い、いえ!そんな…追い返すだなんて。わ、私はただ…平民の私と一緒に歩いている姿を同じ学園の人達に見られたらまずいと思って…」
「そんなに言うんだったら…また帰りも離れて歩けばいいんじゃないかな?ロザリーに案内してあげたいお店があるんだよ」
「お店…ですか?」
「うん、そうだよ」
どんなお店なんだろう…。レナート様の話に興味が沸いた。
「で、では…後で案内して頂けますか…?」
「勿論だよ。それじゃ待っているから行っておいでよ」
「はい」
頷くと、ガラスの扉を開けて郵便局の中へと入って行った―。
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5分後―
手紙を預けて来るとレナート様は郵便局の近くにある街路樹の下で待っていて、すぐに私の姿に気が付いた。
「どうもお待たせ致しました」
声を掛けるとレナート様は笑みを浮かべると言った。
「よし、それじゃお勧めのお店に案内してあげるよ」
「はい、よろしくお願いします」
そして再び、私とレナート様は距離を開けて歩き始めた―。
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