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第16話 悪役令嬢、ヒロインと喫茶店へ行く
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よし、ようやくアルフォンソ王子はノエルに注目してくれるようになった。
アルフォンソ王子は何故かじっと私を見ている…。
え?何故私を見ているのだろうか…?
その時、ようやく気が付いた。私の背後にはノエルが立っている。
成程、私を通り越してノエルを見つめていたと言うわけなのか。
そこで私はノエルがアルフォンソ王子の目にとまるようにスススッと脇にずれた。
「それじゃ、ノエル。邪魔者は消えるから後は頑張りなさいよ?」
そっとノエルに耳打ちした。
「え?ええ」
曖昧に返事をするノエル。
「おい?2人で何をコソコソ話してるんだ?」
アルフォンソ王子が、多分ノエルに話しかけてきた。
「それではお2人とも、私はこれで失礼します」
頭を下げて、脱兎のごとくその場から走り去る私。
「お、おいっ?!どこへ行くっ?!」
背後からアルフォンソ王子の声が聞こえたような気がするけれども‥うん、きっと空耳に違いないっ!
そして私はこの日はノエルにお弁当を駄目にされてしまったので、久しぶりに学園併設のカフェテリアで1人ランチを取ることになるのだった―。
****
その日の放課後―。
いつものように学校が終わり、楽し気に会話しながら帰る学生たちに混ざって1人で歩いていると背後から声を掛けられた。
「待ちなさいよっ!アリーナ・バローッ!」
「え?もしや…」
振り向くとそこに立っていたのは、やはりこの物語のヒロイン、ノエルだった。
「あら、ノエルじゃない」
「あら、ノエルじゃないわよっ!」
するとノエルがズカズカと私に近づいてきた。…何だか機嫌が悪そうだ。
「どうしたの?何だか機嫌が悪そうだけど…?」
「悪そう、じゃなくて悪いのよ!実際!」
「何?どうして機嫌が悪いの?アルフォンソ王子とお話出来たんでしょう?」
「ええ。出来たわ。そのことでちょっと話があるのよ!時間はあるかしら?」
「そうね…別に構わないわよ。次のバスに乗ればいいわけだし…」
「なら行くわよっ!」
ノエルは私の腕を掴むと、ずんずん歩き始めた。
「ちょ、ちょっと!何処に行くのよ?!」
「喫茶店よ!」
そして私は半ば引きずられるようにノエルに喫茶店へ連れていかれた―。
****
2人で入った喫茶店は学園からほど近い場所にあった。
店内は同じ制服を着た学生たちが楽し気におしゃべりをしている。
「わぁ…このお店って、学生たちに人気だったのね…」
「そうみたいね。あ、あの席が空いてるわ。座りましょう」
ノエルが一番奥に空いているテーブル席を見つけたので、そこに座ることにした。
「何にする?今日のおすすめセットは紅茶にチョコレートケーキみたいよ?」
ノエルがメニュー表を見ながら説明した。
「あら、美味しそうね。ならそれにするわ。ノエルは?」
「そうね…私もそうするわ。すみませーん!」
ノエルが手を上げると、すぐにウェイトレスさんがやって来た。
「お待たせいたしました。ご注文は?」
「紅茶とチョコレートケーキセットを2つ下さい」
ノエルは素早く注文した。
「かしこまりました」
頭を下げて、店員さんが去って行くと早速私はノエルに話しかけた。
「ねぇ。こうしてみると、私達って友達同士に見えない?」
「そうね」
何処かイライラした様子でノエルが返事をする。
「え?どうしたの?てっきりそんなはずないでしょうっ!って言い返されるかと思ったのに」
「こっちはそういわけにはいかないのよ…」
ノエルがボソリと呟いた。
「え?どうかしたの?」
「いえ、別に」
そこまで話した時…。
「お待たせ致しました」
ウェイトレスが私とノエルの前に湯気の立つ紅茶とチョコレートケーキを運んできた。
そして私たちの前に置くと、「ごゆっくりどうぞ」と言って去って行く。
「うわ~…美味しそう…それじゃ早速いただきま~す」
すると…。
「ちょっと待ちなさい」
突然ノエルが止めた。
「ええ~…何よ…」
「いい?アリーナ。不本意だけど…今日から私と貴女は友人同士よ?そのことをちゃんとアルフォンソ様に伝えるのよ?分かった?」
ノエルは妙なことを口にした――。
アルフォンソ王子は何故かじっと私を見ている…。
え?何故私を見ているのだろうか…?
その時、ようやく気が付いた。私の背後にはノエルが立っている。
成程、私を通り越してノエルを見つめていたと言うわけなのか。
そこで私はノエルがアルフォンソ王子の目にとまるようにスススッと脇にずれた。
「それじゃ、ノエル。邪魔者は消えるから後は頑張りなさいよ?」
そっとノエルに耳打ちした。
「え?ええ」
曖昧に返事をするノエル。
「おい?2人で何をコソコソ話してるんだ?」
アルフォンソ王子が、多分ノエルに話しかけてきた。
「それではお2人とも、私はこれで失礼します」
頭を下げて、脱兎のごとくその場から走り去る私。
「お、おいっ?!どこへ行くっ?!」
背後からアルフォンソ王子の声が聞こえたような気がするけれども‥うん、きっと空耳に違いないっ!
そして私はこの日はノエルにお弁当を駄目にされてしまったので、久しぶりに学園併設のカフェテリアで1人ランチを取ることになるのだった―。
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その日の放課後―。
いつものように学校が終わり、楽し気に会話しながら帰る学生たちに混ざって1人で歩いていると背後から声を掛けられた。
「待ちなさいよっ!アリーナ・バローッ!」
「え?もしや…」
振り向くとそこに立っていたのは、やはりこの物語のヒロイン、ノエルだった。
「あら、ノエルじゃない」
「あら、ノエルじゃないわよっ!」
するとノエルがズカズカと私に近づいてきた。…何だか機嫌が悪そうだ。
「どうしたの?何だか機嫌が悪そうだけど…?」
「悪そう、じゃなくて悪いのよ!実際!」
「何?どうして機嫌が悪いの?アルフォンソ王子とお話出来たんでしょう?」
「ええ。出来たわ。そのことでちょっと話があるのよ!時間はあるかしら?」
「そうね…別に構わないわよ。次のバスに乗ればいいわけだし…」
「なら行くわよっ!」
ノエルは私の腕を掴むと、ずんずん歩き始めた。
「ちょ、ちょっと!何処に行くのよ?!」
「喫茶店よ!」
そして私は半ば引きずられるようにノエルに喫茶店へ連れていかれた―。
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2人で入った喫茶店は学園からほど近い場所にあった。
店内は同じ制服を着た学生たちが楽し気におしゃべりをしている。
「わぁ…このお店って、学生たちに人気だったのね…」
「そうみたいね。あ、あの席が空いてるわ。座りましょう」
ノエルが一番奥に空いているテーブル席を見つけたので、そこに座ることにした。
「何にする?今日のおすすめセットは紅茶にチョコレートケーキみたいよ?」
ノエルがメニュー表を見ながら説明した。
「あら、美味しそうね。ならそれにするわ。ノエルは?」
「そうね…私もそうするわ。すみませーん!」
ノエルが手を上げると、すぐにウェイトレスさんがやって来た。
「お待たせいたしました。ご注文は?」
「紅茶とチョコレートケーキセットを2つ下さい」
ノエルは素早く注文した。
「かしこまりました」
頭を下げて、店員さんが去って行くと早速私はノエルに話しかけた。
「ねぇ。こうしてみると、私達って友達同士に見えない?」
「そうね」
何処かイライラした様子でノエルが返事をする。
「え?どうしたの?てっきりそんなはずないでしょうっ!って言い返されるかと思ったのに」
「こっちはそういわけにはいかないのよ…」
ノエルがボソリと呟いた。
「え?どうかしたの?」
「いえ、別に」
そこまで話した時…。
「お待たせ致しました」
ウェイトレスが私とノエルの前に湯気の立つ紅茶とチョコレートケーキを運んできた。
そして私たちの前に置くと、「ごゆっくりどうぞ」と言って去って行く。
「うわ~…美味しそう…それじゃ早速いただきま~す」
すると…。
「ちょっと待ちなさい」
突然ノエルが止めた。
「ええ~…何よ…」
「いい?アリーナ。不本意だけど…今日から私と貴女は友人同士よ?そのことをちゃんとアルフォンソ様に伝えるのよ?分かった?」
ノエルは妙なことを口にした――。
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