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第22話 コスプレする悪役令嬢
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翌朝―
「どうだ?アリーナ。これなら誰が見ても俺だと気づきはしないだろう?」
伊達メガネにオレンジ色のかつらをかぶった兄が得意そうにエントランスの前に現れた。
「わ~すごいです。これなら誰が見てもお兄様だとは気づきませんね」
まるで台詞の棒読みのような状態で気の無い返事をしながら兄に向けて拍手した。
「そうか?アリーナよ。お前もその変装した姿、とてもよく似合っている。うん、可愛いぞ?」
今の私も兄と同様、三つ編みお下げのかつらをつけている。それに何故か麦わら帽子をかぶり、極めつけはエプロンドレスと言う姿だ。
「そうでしょうか…?まるで赤毛のアンみたいな格好ですけど…」
「何だ?赤毛のアンと言うのは?」
兄が不思議そうな顔をする。
「いえ、何でもありません」
そこに父と母が現れた。
「まぁ、2人とも…本当に良く似合っているわ。それで?本当に私の手伝いは必要無いのかしら?」
母はまだ未練があるのか、連れて行って貰いたそうな目で私と兄を見つめてくる。
「駄目です。母上、俺たちは野次馬根性でアルフォンソ王子の浮気現場を見に行くわけではありませんので、どうぞ今回は遠慮してください」
「え?!」
兄の言葉に仰天した。
これって野次馬根性で見に行くわけではなかったのだろうか?それに今回って…今回ってなに?その言い方ではまるで次回もあるように聞こえるのだが…。
「そう…残念ね…」
「うむ。非常に残念だ」
明らかに気落ちした素振りを見せる両親。
そんなに行きたいならむしろ変わって貰いたいくらいだ。
アルフォンソ王子とノエルのデートなんか盗み見しても少しも面白くないのに。
はっきり言って時間の無駄だ。
こうなったらさっさと様子を見に行って、とっとと帰ってこよう。
「お兄様、アルフォンソ王子とノエルのデートは10時からです。遅れると尾行も出来ないのでそろそろ参りませんか?
「ああ、そうだな。それでは行こうか?」
そして私と兄は両親に見守られながら2人が待ち合わせをする予定の噴水広場前に向かった―。
****
私と兄は9時40分に噴水広場前のバス停に降り立った。
「アリーナよ。さすがに少し来るのが早すぎたのではないか?」
バスを降りると兄が不服そうな目で私を見た。
「はぁ…そうだったかもしれません。まさかこんなに早くバスが到着するとは思いませんでしたので」
「うむ…確かにな。だが遅れるよりはずっと良いかもしれないな。では早速広場へ行こう。2人の様子を盗み見するのにベストポジションを探すのだ」
「分かりました。ベストポジションを探せばいいんですよね?」
兄の声が何だか非常に嬉しそうに聞こえるのは…うん、きっと気のせいではないはずだ。
やはり兄は野次馬根性でアルフォンソ王子のデートを盗み見したかっただけなのだろう。
野次馬根性剥き出しで、私の前を意気揚々と噴水広場前に向って歩く兄が不意に足を止めた。
「どうしたのですか?お兄様…」
「大変だ…アリーナ…」
兄が伊達メガネを上にあげた。
「お兄様?」
「王子はどうやら今日のデート相手に本気らしいぞ!」
そして兄がビシッと指さした先にはアルフォンソ王子が立っていたのだ。
しかも両手には抱えきれないほどの大輪の赤と白のバラの花束を抱えて―。
「どうだ?アリーナ。これなら誰が見ても俺だと気づきはしないだろう?」
伊達メガネにオレンジ色のかつらをかぶった兄が得意そうにエントランスの前に現れた。
「わ~すごいです。これなら誰が見てもお兄様だとは気づきませんね」
まるで台詞の棒読みのような状態で気の無い返事をしながら兄に向けて拍手した。
「そうか?アリーナよ。お前もその変装した姿、とてもよく似合っている。うん、可愛いぞ?」
今の私も兄と同様、三つ編みお下げのかつらをつけている。それに何故か麦わら帽子をかぶり、極めつけはエプロンドレスと言う姿だ。
「そうでしょうか…?まるで赤毛のアンみたいな格好ですけど…」
「何だ?赤毛のアンと言うのは?」
兄が不思議そうな顔をする。
「いえ、何でもありません」
そこに父と母が現れた。
「まぁ、2人とも…本当に良く似合っているわ。それで?本当に私の手伝いは必要無いのかしら?」
母はまだ未練があるのか、連れて行って貰いたそうな目で私と兄を見つめてくる。
「駄目です。母上、俺たちは野次馬根性でアルフォンソ王子の浮気現場を見に行くわけではありませんので、どうぞ今回は遠慮してください」
「え?!」
兄の言葉に仰天した。
これって野次馬根性で見に行くわけではなかったのだろうか?それに今回って…今回ってなに?その言い方ではまるで次回もあるように聞こえるのだが…。
「そう…残念ね…」
「うむ。非常に残念だ」
明らかに気落ちした素振りを見せる両親。
そんなに行きたいならむしろ変わって貰いたいくらいだ。
アルフォンソ王子とノエルのデートなんか盗み見しても少しも面白くないのに。
はっきり言って時間の無駄だ。
こうなったらさっさと様子を見に行って、とっとと帰ってこよう。
「お兄様、アルフォンソ王子とノエルのデートは10時からです。遅れると尾行も出来ないのでそろそろ参りませんか?
「ああ、そうだな。それでは行こうか?」
そして私と兄は両親に見守られながら2人が待ち合わせをする予定の噴水広場前に向かった―。
****
私と兄は9時40分に噴水広場前のバス停に降り立った。
「アリーナよ。さすがに少し来るのが早すぎたのではないか?」
バスを降りると兄が不服そうな目で私を見た。
「はぁ…そうだったかもしれません。まさかこんなに早くバスが到着するとは思いませんでしたので」
「うむ…確かにな。だが遅れるよりはずっと良いかもしれないな。では早速広場へ行こう。2人の様子を盗み見するのにベストポジションを探すのだ」
「分かりました。ベストポジションを探せばいいんですよね?」
兄の声が何だか非常に嬉しそうに聞こえるのは…うん、きっと気のせいではないはずだ。
やはり兄は野次馬根性でアルフォンソ王子のデートを盗み見したかっただけなのだろう。
野次馬根性剥き出しで、私の前を意気揚々と噴水広場前に向って歩く兄が不意に足を止めた。
「どうしたのですか?お兄様…」
「大変だ…アリーナ…」
兄が伊達メガネを上にあげた。
「お兄様?」
「王子はどうやら今日のデート相手に本気らしいぞ!」
そして兄がビシッと指さした先にはアルフォンソ王子が立っていたのだ。
しかも両手には抱えきれないほどの大輪の赤と白のバラの花束を抱えて―。
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