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6-16 オズワルドの陰謀
長い廊下をオズワルドは足音を響かせ、歩いていた。
やがて、1つの部屋の前に来ると足を止めた。ここはランベールの2人の子供達の部屋の前である。
コンコン
オズワルドは迷うこと無く扉をノックした。
「はい」
すぐに中から返事が聞こえ、扉が開かれた。
姿を現したのはミカエルとウリエルの年若い侍女である。
「あ…オズワルド様、ご機嫌麗しゅうございます」
侍女はドレスの裾を持ち上げ、頭を下げた。
「…よい。顔をあげよ」
「…はい」
侍女は顔を上げて、恐る恐るオズワルドを見た。
「お前、名は確か…」
「はい、ゾーイと申します」
「確か、ウシャルネ子爵家の三女だったか?」
「はい、さようでございます。2年前からミカエル様とウリエル様の侍女としてこちらで勤めさせて頂いております」
「ミカエル様とウリエル様はおいでなのか?」
「はい、今は読書の時間ですのでお2人とも静かにされています」
「中へ入らせてもいいかな?」
それは有無を言わさぬ強さがあった。
「は、はい…どうぞ…」
ゾーイは震えを押し殺して返事をした。
「…失礼する」
オズワルドは部屋の中へ入ると、まっすぐにミカエルとウリエルの元へと向かっていく。
(やはり…オズワルド様は恐ろしい人だわ…心の内がさっぱり読めない。これだったらまだランベール様の方が分かりやすい方だったわ…)
オズワルドはアイゼンシュタット城では得体の知れない人物として、別の意味で恐れられていた。
10年ほどまえにランベールに連れられてこの城に来てからは、彼の右腕として常に影のように立っていた。
剣の腕前も素晴らしく、決して戦場に出て戦うことの無いランベールの代わりに戦に出て、数多くの功績を成し遂げ…あっと言う間に騎士団長の地位にまで上り詰めた人物であるが、経歴や年齢は一切不詳だった。
外見は20代とも30代とも見て取れる。
「ミカエル様、ウリエル様。読書中ですが…少々お話宜しいでしょうか?」
オズワルドはミカエルとウリエルの前に立つと声を掛けた。
「はい…」
ミカエルは恐る恐る顔を上げてオズワルドを見た。ウリエルは怯えた様子で黙っている。
「ミカエル様、ウリエル様。最近エルウィン様とご一緒に食事をされましたね。どうでしたか?久しぶりにエルウィン様にお会いされて」
「はい。とても楽しかったです。エルウィン様は色々な話をしてくれるので…戦場での話や、諸外国の話など…どれも興味深いものばかりでした」
幼い頃のエルウィンにそっくりなミカエルは怯えた様子でオズワルドに返事をした。
「さようでございましたか…ミカエル様もウリエル様もエルウィン様を慕っておりましたからな…ただ、お父上に気を使われて中々お会いできなかったでしょうが…これからは思う存分お会いになると宜しいでしょう」
「え…い、いいの…?」
ウリエルがその時初めてオズワルドを見た。
「ええ、勿論ですとも。もう何物にも遠慮されることはありません。きっとエルウィン様もお2人を快く受け入れてくれることでしょう?」
そして次にオズワルドは背後に立っているゾーイに声を掛けた。
「ゾーイ」
「は、はい…」
「お前はミカエル様とウリエル様の侍女なのだ。必ずお2人をエルウィン様の元へお連れする時はついていくのだぞ?」
「は、はい…」
その言葉にゾーイは顔を赤らめた。
実はゾーイはエルウィンに密かに恋心を抱いているのをオズワルドは知っていたのだ。
(フフフ…ミカエルとウリエルをエルウィンのところに通わせ…奴の弱みを握るのだ。ついでにこの女をエルウィンの元に送り込んでやるのだ。いくら堅物だからと言っても所詮、奴もただの男なのだからな…)
オズワルドは今後の計画を頭の中で練り上げ…不敵な笑みを浮かべた―。
やがて、1つの部屋の前に来ると足を止めた。ここはランベールの2人の子供達の部屋の前である。
コンコン
オズワルドは迷うこと無く扉をノックした。
「はい」
すぐに中から返事が聞こえ、扉が開かれた。
姿を現したのはミカエルとウリエルの年若い侍女である。
「あ…オズワルド様、ご機嫌麗しゅうございます」
侍女はドレスの裾を持ち上げ、頭を下げた。
「…よい。顔をあげよ」
「…はい」
侍女は顔を上げて、恐る恐るオズワルドを見た。
「お前、名は確か…」
「はい、ゾーイと申します」
「確か、ウシャルネ子爵家の三女だったか?」
「はい、さようでございます。2年前からミカエル様とウリエル様の侍女としてこちらで勤めさせて頂いております」
「ミカエル様とウリエル様はおいでなのか?」
「はい、今は読書の時間ですのでお2人とも静かにされています」
「中へ入らせてもいいかな?」
それは有無を言わさぬ強さがあった。
「は、はい…どうぞ…」
ゾーイは震えを押し殺して返事をした。
「…失礼する」
オズワルドは部屋の中へ入ると、まっすぐにミカエルとウリエルの元へと向かっていく。
(やはり…オズワルド様は恐ろしい人だわ…心の内がさっぱり読めない。これだったらまだランベール様の方が分かりやすい方だったわ…)
オズワルドはアイゼンシュタット城では得体の知れない人物として、別の意味で恐れられていた。
10年ほどまえにランベールに連れられてこの城に来てからは、彼の右腕として常に影のように立っていた。
剣の腕前も素晴らしく、決して戦場に出て戦うことの無いランベールの代わりに戦に出て、数多くの功績を成し遂げ…あっと言う間に騎士団長の地位にまで上り詰めた人物であるが、経歴や年齢は一切不詳だった。
外見は20代とも30代とも見て取れる。
「ミカエル様、ウリエル様。読書中ですが…少々お話宜しいでしょうか?」
オズワルドはミカエルとウリエルの前に立つと声を掛けた。
「はい…」
ミカエルは恐る恐る顔を上げてオズワルドを見た。ウリエルは怯えた様子で黙っている。
「ミカエル様、ウリエル様。最近エルウィン様とご一緒に食事をされましたね。どうでしたか?久しぶりにエルウィン様にお会いされて」
「はい。とても楽しかったです。エルウィン様は色々な話をしてくれるので…戦場での話や、諸外国の話など…どれも興味深いものばかりでした」
幼い頃のエルウィンにそっくりなミカエルは怯えた様子でオズワルドに返事をした。
「さようでございましたか…ミカエル様もウリエル様もエルウィン様を慕っておりましたからな…ただ、お父上に気を使われて中々お会いできなかったでしょうが…これからは思う存分お会いになると宜しいでしょう」
「え…い、いいの…?」
ウリエルがその時初めてオズワルドを見た。
「ええ、勿論ですとも。もう何物にも遠慮されることはありません。きっとエルウィン様もお2人を快く受け入れてくれることでしょう?」
そして次にオズワルドは背後に立っているゾーイに声を掛けた。
「ゾーイ」
「は、はい…」
「お前はミカエル様とウリエル様の侍女なのだ。必ずお2人をエルウィン様の元へお連れする時はついていくのだぞ?」
「は、はい…」
その言葉にゾーイは顔を赤らめた。
実はゾーイはエルウィンに密かに恋心を抱いているのをオズワルドは知っていたのだ。
(フフフ…ミカエルとウリエルをエルウィンのところに通わせ…奴の弱みを握るのだ。ついでにこの女をエルウィンの元に送り込んでやるのだ。いくら堅物だからと言っても所詮、奴もただの男なのだからな…)
オズワルドは今後の計画を頭の中で練り上げ…不敵な笑みを浮かべた―。
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