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7-15 対立する3人
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邪魔なゾーイを追い払い、地下鍛錬所で部下達の指導を終えたオズワルドは自室へ向かって長く続く廊下を歩いてた。
すると前方からバルドとドミニコがこちらへ向かって近づいている。
(チッ!全く面倒な…)
オズワルドは心のなかで舌打ちした。自分に用があって2人が来たのは分かりきっていたからだ。
3人の距離は縮まり…やがて互いが顔を突き合わせる。
「オズワルド、貴様…一体今迄何処へ行っていたのだ?」
口火を切ったのはドミニコであった。
「我々はたった今、お前の部屋を訪ねていたのだぞ?」
バルドが非難めいた目を向けてくる。
「申し訳ございません。部下達を相手に地下鍛錬所で稽古を付けておりましたので…それで?亡きランベール様の忠実な参謀であるお2人が一体私にどの様なご要件でしょうか?」
するとドミニコが顔を真っ赤にさせた。
「き、貴様…我々を馬鹿にしているのかっ?!要件など言わずとも分かっているだろう?!ゾーイだ!何故我等がミカエル様とウリエル様の侍女として選んだゾーイがあの若造の命令で解任されるのだっ?!我等に何の断りもなく…おかしな話であろう!」
「そうだ!あの若造は我等の決めたことに口出しするのはお門違いだとお前は思わないのかっ?!」
バルドはオズワルドを指差し、怒鳴りつけた。
そんな激昂する2人を見ながらオズワルドは心の中で毒づいた。
(全く…。なんと愚かな輩共なのだ。結局いくらエルウィンがゾーイに侍女解任を決めたとしても、ミカエルとウリエルが反対すれば却下されたはずなのに、あの2人はそれを望まなかった…つまり全ての責任の所存は本人にあることに気付かないのだろうか?)
「しかし、この城の城主はエルウィン様です。我々が口を挟むことなどおこがましいでしょう?」
「な、何だと…?貴様、本気でそのようなことを申しておるのか?いいから今すぐ皆であの若造の元へ行くぞ!文句を言いにいかねばならん!勝手に我々の決めたことに口を出すなとな!」
ドミニコの言葉にオズワルドは肩を震わせて笑い始めた。
「クックック…」
「何だ?何がおかしい!」
「無礼者!」
バルドとドミニコが怒りを顕にする。
「一体何を言い出すかと思えば…本当に愚かな方々だ」
オズワルドは笑いを堪えながら2人を見た。
「誰が愚かだとっ!」
「我等を馬鹿にする気なのかっ?!」
口々に文句を言う2人にオズワルドはため息をついた。
「良いですか?我等はもうランベール様と言う後ろ盾を無くしてしまった。今、エルウィン様に楯突いた所で得することは何もありません。下手をすればこの城を追われてしまうかもしれない。ここはミカエル様とウリエル様が成長するまでおとなしくしているのが得策だとは思いませんか?」
「ウグ…。そ、それは…」
「しかし、あの様な戦うことしか脳のない若造の言いなりになるのだけは…」
プライドが高いバルドとドミニコにはエルウィンの言いなりになるのは屈辱だった。
「とにかく、今は大人しくしていることですな」
オズワルドは鼻で笑うと悔しがる2人をその場に残し、自室目指して歩き去って行った―。
****
オズワルドが自室へ戻って暫く経過した頃…。
コンコン
扉をノックする音が部屋に響き渡った。
「入れ」
オズワルドには誰がこの部屋にやってきたのか分かりきっていた。
「失礼致します」
扉が開かれ、姿を現したのはオズワルドの忠実な下僕である。
「どうだ?ロイ。あのエルウィンが気にかけていた娘のこと…分かったか?」
ロイと呼ばれた男は頷いた。
「はい、面白い事実が分かりました」
「ほう?それは何だ?」
オズワルドの眉が興味深気に動いた。
「はい、実は…」
ロイは自分が知り得た情報をオズワルドに説明していく。
その話を黙って聞いていたオズワルドにやがて不敵な笑みが浮かんでいった―。
すると前方からバルドとドミニコがこちらへ向かって近づいている。
(チッ!全く面倒な…)
オズワルドは心のなかで舌打ちした。自分に用があって2人が来たのは分かりきっていたからだ。
3人の距離は縮まり…やがて互いが顔を突き合わせる。
「オズワルド、貴様…一体今迄何処へ行っていたのだ?」
口火を切ったのはドミニコであった。
「我々はたった今、お前の部屋を訪ねていたのだぞ?」
バルドが非難めいた目を向けてくる。
「申し訳ございません。部下達を相手に地下鍛錬所で稽古を付けておりましたので…それで?亡きランベール様の忠実な参謀であるお2人が一体私にどの様なご要件でしょうか?」
するとドミニコが顔を真っ赤にさせた。
「き、貴様…我々を馬鹿にしているのかっ?!要件など言わずとも分かっているだろう?!ゾーイだ!何故我等がミカエル様とウリエル様の侍女として選んだゾーイがあの若造の命令で解任されるのだっ?!我等に何の断りもなく…おかしな話であろう!」
「そうだ!あの若造は我等の決めたことに口出しするのはお門違いだとお前は思わないのかっ?!」
バルドはオズワルドを指差し、怒鳴りつけた。
そんな激昂する2人を見ながらオズワルドは心の中で毒づいた。
(全く…。なんと愚かな輩共なのだ。結局いくらエルウィンがゾーイに侍女解任を決めたとしても、ミカエルとウリエルが反対すれば却下されたはずなのに、あの2人はそれを望まなかった…つまり全ての責任の所存は本人にあることに気付かないのだろうか?)
「しかし、この城の城主はエルウィン様です。我々が口を挟むことなどおこがましいでしょう?」
「な、何だと…?貴様、本気でそのようなことを申しておるのか?いいから今すぐ皆であの若造の元へ行くぞ!文句を言いにいかねばならん!勝手に我々の決めたことに口を出すなとな!」
ドミニコの言葉にオズワルドは肩を震わせて笑い始めた。
「クックック…」
「何だ?何がおかしい!」
「無礼者!」
バルドとドミニコが怒りを顕にする。
「一体何を言い出すかと思えば…本当に愚かな方々だ」
オズワルドは笑いを堪えながら2人を見た。
「誰が愚かだとっ!」
「我等を馬鹿にする気なのかっ?!」
口々に文句を言う2人にオズワルドはため息をついた。
「良いですか?我等はもうランベール様と言う後ろ盾を無くしてしまった。今、エルウィン様に楯突いた所で得することは何もありません。下手をすればこの城を追われてしまうかもしれない。ここはミカエル様とウリエル様が成長するまでおとなしくしているのが得策だとは思いませんか?」
「ウグ…。そ、それは…」
「しかし、あの様な戦うことしか脳のない若造の言いなりになるのだけは…」
プライドが高いバルドとドミニコにはエルウィンの言いなりになるのは屈辱だった。
「とにかく、今は大人しくしていることですな」
オズワルドは鼻で笑うと悔しがる2人をその場に残し、自室目指して歩き去って行った―。
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オズワルドが自室へ戻って暫く経過した頃…。
コンコン
扉をノックする音が部屋に響き渡った。
「入れ」
オズワルドには誰がこの部屋にやってきたのか分かりきっていた。
「失礼致します」
扉が開かれ、姿を現したのはオズワルドの忠実な下僕である。
「どうだ?ロイ。あのエルウィンが気にかけていた娘のこと…分かったか?」
ロイと呼ばれた男は頷いた。
「はい、面白い事実が分かりました」
「ほう?それは何だ?」
オズワルドの眉が興味深気に動いた。
「はい、実は…」
ロイは自分が知り得た情報をオズワルドに説明していく。
その話を黙って聞いていたオズワルドにやがて不敵な笑みが浮かんでいった―。
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