182 / 376
11-8 反乱
しおりを挟む
突然縄を解いて立ち上がったロイを見た兵士達の間に動揺が走った。
「な、何っ?!縄がっ!」
「いつの間に解いたのだっ!」
ロイはそのまま勢いよく駆け出し、地下牢の鉄の扉を蹴った。
ガシャーンッ!!
扉が乱暴に開かれる音が地下牢に響き渡る。
ロイはそのまま兵士たちの元へ突っ込んでゆく。
「貴様っ!」
「や、奴を止めろっ!」
「馬鹿め!武器も持たないくせに!」
兵士達は剣を抜くとロイに切りかかってゆく。それを物ともせずにロイは身軽な動きで攻撃を避け、兵士たちの腕めがけて手刀を振り下ろして腹を蹴り上げる。
「ぐあああぁつ!!」
「うっ!」
「ゴフッ!」
体術も得意なロイに取って、下っ端の兵士たちは所詮敵にすらならなかった。
ロイは気を失い、床に転がっている兵士たちから全ての武器を奪った。
「俺は剣が1本だけあればいい」
ロイは手近にいた拘束されている男の縄を解くと命じた。
「全員の拘束をとき、兵士たちを地下牢へ押し込めておけ」
「は、はい……分かりました」
男が頷く様子を見たロイはそのまま踵を返して地下牢へ出ようとしたところへビルが声を掛けた。
「騎士様っ!」
「…何だ?」
「あ、貴方は…エルウィン様たちとは敵対する東塔の騎士様ですよね?何故我らを助けたのですか?我々はエルウィン様に加勢しようとしていたのですよ?」
するとロイは振り向き…答えた。
「東も南も関係ない。俺はただアリアドネを誘拐させたオズワルドが許せないだけだ」
「え?アリアドネ…」
「アリアドネの為に…?」
「まさか…」
ロイの口からアリアドネの名前が出てきたことで、下働きの者達の間でざわめきが起きた。
「もう捕まるなよ」
ロイはそれだけ言い残すと、剣を握りしめたまま地下牢を走り去っていった――。
****
一方、城内では激しい戦いが起こっていた。
突然東塔の騎士や兵士たちが武装して南塔に乗り込み、次々と襲いかかってきたのだ。
南塔では激しい言い争いと剣を交わす音が響き渡っていた。
「な、何だっ!貴様らっ!東塔の兵士だろうっ?!」
「黙れっ!今日からこの城はオズワルド様のものだっ!!」
「オズワルド様に従わないもののは全員殺してやるっ!」
「そうはさせるかっ!」
今や南と東に分かれた仲間内の激しい乱闘が城内で繰り広げられていた――。
****
オズワルドの反乱は作戦会議室にいたシュミットとエデルガルトにすぐに伝えられた。
「そうか……やはり、奴らめ襲ってきおったか……」
兵士から報告を受けたエデルガルトが唸った。
「はい、奴等は武器庫から相当数の武器を持ち出し、完全武装しております」
兵士は状況を説明している。
「やはり、エルウィン様の不在を狙って襲ってきましたね」
シュミットの言葉にエデルガルトは頷く。
「ああ、だが我ら南塔の騎士団のほうが実戦経験を積んでいる。そう簡単には我らは陥落などせぬ」
その時、1人の騎士が慌てたように作戦会議室に飛び込んできた。
「た、大変ですっ!ミカエル様とウリエル様のお2人が部屋からいなくなりました!どうやら人質に連れて行かれたようです!フットマンが目撃していたそうですっ!」
「「何だってっ?!」」
シュミットとエデルガルトが同時に声を上げた――。
「な、何っ?!縄がっ!」
「いつの間に解いたのだっ!」
ロイはそのまま勢いよく駆け出し、地下牢の鉄の扉を蹴った。
ガシャーンッ!!
扉が乱暴に開かれる音が地下牢に響き渡る。
ロイはそのまま兵士たちの元へ突っ込んでゆく。
「貴様っ!」
「や、奴を止めろっ!」
「馬鹿め!武器も持たないくせに!」
兵士達は剣を抜くとロイに切りかかってゆく。それを物ともせずにロイは身軽な動きで攻撃を避け、兵士たちの腕めがけて手刀を振り下ろして腹を蹴り上げる。
「ぐあああぁつ!!」
「うっ!」
「ゴフッ!」
体術も得意なロイに取って、下っ端の兵士たちは所詮敵にすらならなかった。
ロイは気を失い、床に転がっている兵士たちから全ての武器を奪った。
「俺は剣が1本だけあればいい」
ロイは手近にいた拘束されている男の縄を解くと命じた。
「全員の拘束をとき、兵士たちを地下牢へ押し込めておけ」
「は、はい……分かりました」
男が頷く様子を見たロイはそのまま踵を返して地下牢へ出ようとしたところへビルが声を掛けた。
「騎士様っ!」
「…何だ?」
「あ、貴方は…エルウィン様たちとは敵対する東塔の騎士様ですよね?何故我らを助けたのですか?我々はエルウィン様に加勢しようとしていたのですよ?」
するとロイは振り向き…答えた。
「東も南も関係ない。俺はただアリアドネを誘拐させたオズワルドが許せないだけだ」
「え?アリアドネ…」
「アリアドネの為に…?」
「まさか…」
ロイの口からアリアドネの名前が出てきたことで、下働きの者達の間でざわめきが起きた。
「もう捕まるなよ」
ロイはそれだけ言い残すと、剣を握りしめたまま地下牢を走り去っていった――。
****
一方、城内では激しい戦いが起こっていた。
突然東塔の騎士や兵士たちが武装して南塔に乗り込み、次々と襲いかかってきたのだ。
南塔では激しい言い争いと剣を交わす音が響き渡っていた。
「な、何だっ!貴様らっ!東塔の兵士だろうっ?!」
「黙れっ!今日からこの城はオズワルド様のものだっ!!」
「オズワルド様に従わないもののは全員殺してやるっ!」
「そうはさせるかっ!」
今や南と東に分かれた仲間内の激しい乱闘が城内で繰り広げられていた――。
****
オズワルドの反乱は作戦会議室にいたシュミットとエデルガルトにすぐに伝えられた。
「そうか……やはり、奴らめ襲ってきおったか……」
兵士から報告を受けたエデルガルトが唸った。
「はい、奴等は武器庫から相当数の武器を持ち出し、完全武装しております」
兵士は状況を説明している。
「やはり、エルウィン様の不在を狙って襲ってきましたね」
シュミットの言葉にエデルガルトは頷く。
「ああ、だが我ら南塔の騎士団のほうが実戦経験を積んでいる。そう簡単には我らは陥落などせぬ」
その時、1人の騎士が慌てたように作戦会議室に飛び込んできた。
「た、大変ですっ!ミカエル様とウリエル様のお2人が部屋からいなくなりました!どうやら人質に連れて行かれたようです!フットマンが目撃していたそうですっ!」
「「何だってっ?!」」
シュミットとエデルガルトが同時に声を上げた――。
27
あなたにおすすめの小説
お飾り王妃のはずなのに、黒い魔法を使ったら溺愛されてます
りんりん
恋愛
特産物のないポプリ国で、唯一有名なのは魔法だ。
初代女王は、歴史に名を残すほどの魔法使い。
それから数千年、高い魔力を引き継いだ女王の子孫達がこの国をおさめてきた。
時はアンバー女王の時代。
アンバー女王の夫シュリ王婿は、他国の第八王子であった。
どこか影の薄い王婿は、三女ローズウッドを不義の子ではと疑っている。
なぜなら、ローズウッドだけが
自分と同じ金髪碧眼でなかったからだ。
ローズウッドの薄いピンク色の髪と瞳は宰相ククスにそっくりなのも、気にいらない。
アンバー女王の子供は四人で、すべて女の子だった。
なかでもローズウッドは、女王の悩みの種だ。
ローズウッドは、現在14才。
誰に似たのか、呑気で魔力も乏しい。
ある日ストーン国のレオ王から、ローズウッド王女を妻にしたいとうい申し出が届いた。
ポプリ国は、ストーン国から魔法石の原料になる石を輸入している。
その石はストーン国からしか採れない。
そんな関係にある国の申し出を、断ることはできなかった。
しかし、レオ王に愛人がいるという噂を気にしたアンバー女王は悩む。
しかし、ローズウッド王女は嫁ぐことにする。
そして。
異国で使い魔のブーニャンや、チューちゃんと暮らしているうちに、ローズウッドはレオ王にひかれていってしまう。
ある日、偶然ローズウッドは、レオ王に呪いがかけられていることを知る。
ローズウッドは、王にかけられた呪いをとこうと行動をおこすのだった。
【R18】熱い夜の相手は王太子!? ~婚約者だと告げられましたが、記憶がございません~
世界のボボブラ汁(エロル)
恋愛
激しい夜を過ごしたあと、私は気づいてしまった。
──え……この方、誰?
相手は王太子で、しかも私の婚約者だという。
けれど私は、自分の名前すら思い出せない。
訳も分からず散った純潔、家族や自分の姿への違和感──混乱する私に追い打ちをかけるように、親友(?)が告げた。
「あなた、わたくしのお兄様と恋人同士だったのよ」
……え、私、恋人がいたのに王太子とベッドを共に!?
しかも王太子も恋人も、社交界を騒がすモテ男子。
もしかして、そのせいで私は命を狙われている?
公爵令嬢ベアトリス(?)が記憶を取り戻した先に待つのは── 愛か、陰謀か、それとも破滅か。
全米がハラハラする宮廷恋愛ストーリー……になっていてほしいですね!
※本作品はR18表現があります、ご注意ください。
恐怖侯爵の後妻になったら、「君を愛することはない」と言われまして。
長岡更紗
恋愛
落ちぶれ子爵令嬢の私、レディアが後妻として嫁いだのは──まさかの恐怖侯爵様!
しかも初夜にいきなり「君を愛することはない」なんて言われちゃいましたが?
だけど、あれ? 娘のシャロットは、なんだかすごく懐いてくれるんですけど!
義理の娘と仲良くなった私、侯爵様のこともちょっと気になりはじめて……
もしかして、愛されるチャンスあるかも? なんて思ってたのに。
「前妻は雲隠れした」って噂と、「死んだのよ」って娘の言葉。
しかも使用人たちは全員、口をつぐんでばかり。
ねえ、どうして? 前妻さんに何があったの?
そして、地下から聞こえてくる叫び声は、一体!?
恐怖侯爵の『本当の顔』を知った時。
私の心は、思ってもみなかった方向へ動き出す。
*他サイトにも公開しています
転生したら地味ダサ令嬢でしたが王子様に助けられて何故か執着されました
古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
恋愛
皆様の応援のおかげでHOT女性向けランキング第7位獲得しました。
前世病弱だったニーナは転生したら周りから地味でダサいとバカにされる令嬢(もっとも平民)になっていた。「王女様とか公爵令嬢に転生したかった」と祖母に愚痴ったら叱られた。そんなニーナが祖母が死んで冒険者崩れに襲われた時に助けてくれたのが、ウィルと呼ばれる貴公子だった。
恋に落ちたニーナだが、平民の自分が二度と会うことはないだろうと思ったのも、束の間。魔法が使えることがバレて、晴れて貴族がいっぱいいる王立学園に入ることに!
しかし、そこにはウィルはいなかったけれど、何故か生徒会長ら高位貴族に絡まれて学園生活を送ることに……
見た目は地味ダサ、でも、行動力はピカ一の地味ダサ令嬢の巻き起こす波乱万丈学園恋愛物語の始まりです!?
小説家になろうでも公開しています。
第9回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作品
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
身代わり婚~暴君と呼ばれた辺境伯に拒絶された仮初の花嫁<外伝>
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【前作の登場人物たちのもう一つの物語】
アイゼンシュタット城の人々のそれぞれの物語
※他サイトでも投稿中
【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。
目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです
MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。
しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。
フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。
クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。
ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。
番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。
ご感想ありがとうございます!!
誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。
小説家になろう様に掲載済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる