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11-19 届けられた訃報
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「何っ?!エルウィン様が戻られたっ?!」
作戦会議室にいるシュミットの元にエルウィン帰還の話はすぐに兵士によって伝えられた。
「それで、エルウィン様は今どちらに?!」
「はっ!それがオズワルド様の挑発により、南塔の謁見の間に1人で来るように言われ…今向かわれております。恐らく、これから決闘をするものと思われます」
「そうか…。報告ありがとう」
「いえ、それでは自分はまた持ち場に戻ります」
兵士は頭を下げると、すぐに作戦会議室を出ていった。
シュミットは青ざめながら呟いた。
「まさか、2人が決闘をされるとは…。それにオズワルド様は拳銃の名手だ。万一、銃を撃ってくれば、エルウィン様はタダでは済まないぞ…」
エルウィンも銃を装備はしているが、好んで使用することはなかった。実際射撃訓練をすることも殆ど無い。
一方オズワルドは射撃の名手であり、銃を撃たせればこの城で彼の右に出る者は誰もいなかった。
「一体、どうすれば…」
シュミットが呟いた時……。
「恐らく、オズワルドはエルウィン様に銃で戦いを挑むことはないだろう」
「え?」
その声に驚いてシュミットが振り向くと、いつの間にかエデルガルトが作戦会議室に現れていた。
「エデルガルト様。その話は真でしょうか?」
「ああ、まがりなりにも彼は騎士だ。銃を使用しない相手に銃で闘いを挑むことはあるまい」
「ですが…決闘をするなんて…。オズワルド様の剣の腕は未知数です。噂によると相当な実力を持ってはいますが、敢えて隠しているとも言われておりますし…」
「シュミット、お前はエルウィン様の腕を信用しないのか?」
「え?」
「エルウィン様は13歳の頃から戦場に身を置いている方なのだぞ?近隣諸国からは『戦場の暴君』として、恐れられているくらいのお方なのだ。我らの城主様が奴に負けるはずなどない」
「そうですね…確かにエデルガルト様の言う通りですね」
その時――。
東塔の探索を任せられていた兵士達が慌ただしく作戦会議室に駆け込んできた。
「どうしたのだ?騒がしい」
エデルガルトが兵士たちに尋ねた。すると1人の兵士が代表で答えた。
「はいっ!それが東塔にありますミカエル様とウリエル様のお部屋で若い騎士が死んでいるのが発見されましたっ!どうやら拳銃で胸を撃ち抜かれたのが死因と考えられます。騎士も拳銃を手にしていたそうです」
「何っ?!」
その言葉にいち早く反応したのはシュミットだった。
「ミカエル様とウリエル様の部屋で死んでいただと……?ひょっとすると、その人物は金色の髪では無かったか?」
「は、はい。そうです。まるでまだ少年のような若さでした」
「そんな…」
シュミットの顔が青ざめる。
(恐らく……その騎士はロイに違いない。まさか彼を殺害したのはオズワルド様か…?)
「その死んでいた騎士の遺体は今どこだ?」
「はい、先程礼拝堂の前に運びました。…見に行かれますか?」
「勿論だ」
兵士の言葉にシュミットは当然のように頷いた。
*****
一方その頃……。
オズワルドは謁見の間の椅子に座り、エルウィンがやってくるのを待っていた。
今や、少し動くだけでもオズワルドの身体に激痛が走る。
「グッ…」
オズワルドは痛みに呻いた。
(まだだ…エルウィンが来るまでは決して倒れたりするものか…)
その時――。
「オズワルドッ!」
エルウィンの怒声が謁見の間に響き渡った。
「来たか…エルウィン」
オズワルドの顔に不敵な笑みが浮かんだ――。
作戦会議室にいるシュミットの元にエルウィン帰還の話はすぐに兵士によって伝えられた。
「それで、エルウィン様は今どちらに?!」
「はっ!それがオズワルド様の挑発により、南塔の謁見の間に1人で来るように言われ…今向かわれております。恐らく、これから決闘をするものと思われます」
「そうか…。報告ありがとう」
「いえ、それでは自分はまた持ち場に戻ります」
兵士は頭を下げると、すぐに作戦会議室を出ていった。
シュミットは青ざめながら呟いた。
「まさか、2人が決闘をされるとは…。それにオズワルド様は拳銃の名手だ。万一、銃を撃ってくれば、エルウィン様はタダでは済まないぞ…」
エルウィンも銃を装備はしているが、好んで使用することはなかった。実際射撃訓練をすることも殆ど無い。
一方オズワルドは射撃の名手であり、銃を撃たせればこの城で彼の右に出る者は誰もいなかった。
「一体、どうすれば…」
シュミットが呟いた時……。
「恐らく、オズワルドはエルウィン様に銃で戦いを挑むことはないだろう」
「え?」
その声に驚いてシュミットが振り向くと、いつの間にかエデルガルトが作戦会議室に現れていた。
「エデルガルト様。その話は真でしょうか?」
「ああ、まがりなりにも彼は騎士だ。銃を使用しない相手に銃で闘いを挑むことはあるまい」
「ですが…決闘をするなんて…。オズワルド様の剣の腕は未知数です。噂によると相当な実力を持ってはいますが、敢えて隠しているとも言われておりますし…」
「シュミット、お前はエルウィン様の腕を信用しないのか?」
「え?」
「エルウィン様は13歳の頃から戦場に身を置いている方なのだぞ?近隣諸国からは『戦場の暴君』として、恐れられているくらいのお方なのだ。我らの城主様が奴に負けるはずなどない」
「そうですね…確かにエデルガルト様の言う通りですね」
その時――。
東塔の探索を任せられていた兵士達が慌ただしく作戦会議室に駆け込んできた。
「どうしたのだ?騒がしい」
エデルガルトが兵士たちに尋ねた。すると1人の兵士が代表で答えた。
「はいっ!それが東塔にありますミカエル様とウリエル様のお部屋で若い騎士が死んでいるのが発見されましたっ!どうやら拳銃で胸を撃ち抜かれたのが死因と考えられます。騎士も拳銃を手にしていたそうです」
「何っ?!」
その言葉にいち早く反応したのはシュミットだった。
「ミカエル様とウリエル様の部屋で死んでいただと……?ひょっとすると、その人物は金色の髪では無かったか?」
「は、はい。そうです。まるでまだ少年のような若さでした」
「そんな…」
シュミットの顔が青ざめる。
(恐らく……その騎士はロイに違いない。まさか彼を殺害したのはオズワルド様か…?)
「その死んでいた騎士の遺体は今どこだ?」
「はい、先程礼拝堂の前に運びました。…見に行かれますか?」
「勿論だ」
兵士の言葉にシュミットは当然のように頷いた。
*****
一方その頃……。
オズワルドは謁見の間の椅子に座り、エルウィンがやってくるのを待っていた。
今や、少し動くだけでもオズワルドの身体に激痛が走る。
「グッ…」
オズワルドは痛みに呻いた。
(まだだ…エルウィンが来るまでは決して倒れたりするものか…)
その時――。
「オズワルドッ!」
エルウィンの怒声が謁見の間に響き渡った。
「来たか…エルウィン」
オズワルドの顔に不敵な笑みが浮かんだ――。
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