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18 クレアからの頼み
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クレアの後に続いて廊下を歩きながら尋ねた。
「あの……僕に話というのは……」
すると彼女は一度立ち止まって振り返った。
「……ここでは場所が良くないです。しかるべき場所に着いてからお話します」
「し、しかるべき場所……?」
「はい、そうです。では行きましょう」
「は、はい」
そしてクレアは再び前を向くと歩き出す。そして僕は再び彼女の後に続く。
しかるべき場所……一体何処へ連れていかれてしまうのだろう?
ドキドキしながら僕はおとなしくクレアに付き従った。
**
連れていかれたのは学校の裏庭だった。ここはへんぴな滅多にあるし、あまり日も差さないので生徒が来ることは滅多に無い。
「どうやら誰もいないようですね」
クレアが辺りを見渡す。
「はい、そうですね。あの~それで話というのは……」
「ええ、それはもちろんジュリオ様のことについてです」
ああ! やっぱり!
「ジュリオ様が……どうしましたか?」
するとクレアが眉をひそめる。
「どうしたもこうしたもありません。ここ数日、ジュリオ様の様子を伺っておりましたが一体あれは何ですか? あの方の周りには常に色々な女子生徒達が集まっているではありませんか?」
「え、えぇと……そ、そうですねえ。確かに……」
「まさか、あの女子生徒たちは全員ジュリオ様の恋人ですか?」
「いえ! ま、まさか! 少し親しい女性友達ですよ!」
「女性友達……本当にそうでしょうか?」
疑わしい目を向けて来るクレア。うん、確かに疑われても仕方ない。僕だって彼が何処まで本気で彼女達と交際しているかなんて分からないのだから。
休日のジュリオが何をして過ごしているかなんて、把握していない。基本、僕は完全週休二日制で働いているからね。
「はい、そうです。可哀そうにジュリオ様は……なまじ、他の男性達よりもルックスら優れているために非常に同性の友人が少ないのですよ」
「そう言えば確かにそうですね。ジュリオ様が他の男子生徒達とお話をしている姿を見かけたことがありませんから」
頷くクレア。
「ええ、そうなのです。だから彼はやむを得ず、彼女達と一緒にいるというわけです」
どうだろう? これで納得してくれただろうか?
「お話は分かりましたが‥‥…それなら、クリフ様がジュリオ様と一緒に学校ですごされたらいかがですか?」
「え!」
学校でもあのジュリオと一緒にいろと言うのか? ありえない!
「クリフ様はジュリオ様の従者なのですから、校内でも一緒にいるべきなのではないでしょうか?」
「い、いえ。それは無理です。何しろ、僕とジュリオ様とでは爵位の違いがありますからね。僕と学校内でも一緒に居ればジュリオ様の評価が下がってしまいますから」
学校内は僕の平穏な時間。何としてもこの時間を死守しなければ!
「そうですか……そういうことなら仕方ありませんね」
クレアは諦めたかのようにため息をつく。
「あの、それで明日私とジュリオ様のお見合いの件についてですが……クリフ様も同席願えませんか?」
クレアはとんでもないことを頼んできた――
「あの……僕に話というのは……」
すると彼女は一度立ち止まって振り返った。
「……ここでは場所が良くないです。しかるべき場所に着いてからお話します」
「し、しかるべき場所……?」
「はい、そうです。では行きましょう」
「は、はい」
そしてクレアは再び前を向くと歩き出す。そして僕は再び彼女の後に続く。
しかるべき場所……一体何処へ連れていかれてしまうのだろう?
ドキドキしながら僕はおとなしくクレアに付き従った。
**
連れていかれたのは学校の裏庭だった。ここはへんぴな滅多にあるし、あまり日も差さないので生徒が来ることは滅多に無い。
「どうやら誰もいないようですね」
クレアが辺りを見渡す。
「はい、そうですね。あの~それで話というのは……」
「ええ、それはもちろんジュリオ様のことについてです」
ああ! やっぱり!
「ジュリオ様が……どうしましたか?」
するとクレアが眉をひそめる。
「どうしたもこうしたもありません。ここ数日、ジュリオ様の様子を伺っておりましたが一体あれは何ですか? あの方の周りには常に色々な女子生徒達が集まっているではありませんか?」
「え、えぇと……そ、そうですねえ。確かに……」
「まさか、あの女子生徒たちは全員ジュリオ様の恋人ですか?」
「いえ! ま、まさか! 少し親しい女性友達ですよ!」
「女性友達……本当にそうでしょうか?」
疑わしい目を向けて来るクレア。うん、確かに疑われても仕方ない。僕だって彼が何処まで本気で彼女達と交際しているかなんて分からないのだから。
休日のジュリオが何をして過ごしているかなんて、把握していない。基本、僕は完全週休二日制で働いているからね。
「はい、そうです。可哀そうにジュリオ様は……なまじ、他の男性達よりもルックスら優れているために非常に同性の友人が少ないのですよ」
「そう言えば確かにそうですね。ジュリオ様が他の男子生徒達とお話をしている姿を見かけたことがありませんから」
頷くクレア。
「ええ、そうなのです。だから彼はやむを得ず、彼女達と一緒にいるというわけです」
どうだろう? これで納得してくれただろうか?
「お話は分かりましたが‥‥…それなら、クリフ様がジュリオ様と一緒に学校ですごされたらいかがですか?」
「え!」
学校でもあのジュリオと一緒にいろと言うのか? ありえない!
「クリフ様はジュリオ様の従者なのですから、校内でも一緒にいるべきなのではないでしょうか?」
「い、いえ。それは無理です。何しろ、僕とジュリオ様とでは爵位の違いがありますからね。僕と学校内でも一緒に居ればジュリオ様の評価が下がってしまいますから」
学校内は僕の平穏な時間。何としてもこの時間を死守しなければ!
「そうですか……そういうことなら仕方ありませんね」
クレアは諦めたかのようにため息をつく。
「あの、それで明日私とジュリオ様のお見合いの件についてですが……クリフ様も同席願えませんか?」
クレアはとんでもないことを頼んできた――
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