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第17話 許婚の後悔
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そっと重ねていた唇を離すと、シェリルの顔は益々真っ赤に染まっている。
「あ、あ、あ、あの……ロ、ローレンス様……?」
その姿はとても可愛らしかった。
そこで再度シェリルの頬を両手で挟み込むとじっと瞳を覗き込んだ。
「大丈夫だシェリル。僕は君から離れない。今迄僕は酷い許婚だったけど……これからは心を入れ替えるよ。シェリルを大切にすると誓う」
「ローレンス様……」
シェリルの瞳に涙が浮かぶ。
「今御両親はお医者さんを連れてくる為に出ているのだろう?だから最期まで希望を失ったら駄目だ。きっとシェリルの病気なんか治してくれるはずだ」
彼女を勇気づけるために、気持ちとは裏腹の言葉を口にする。
恐らく、シェリルが立ち聞きしたと通り……彼女はもう長くは生きられないだろう。
今迄そっけない態度ばかり取っていた罪滅ぼしをしなければ。
「あ、ありがとうございます……ローレンス様……。わ、私……もうすぐ自分が死ぬんだって分かったときから…ずっと、怖くて怖くて…たまらなかったんです……」
グズグズと泣きながらシェリルがポツリポツリと自分の今の心境を語り始めた。
「大丈夫、シェリルはそんな簡単に死んだりはしないよ。両親だって、使用人の人たちだってそう言ってるんだろう?」
「は、はい……そうですけど……」
「シェリルの両親が今に名医を連れて帰ってきてくれる。だから安心して待っているといいよ」
果たして本当にそうなのだろうか?
ズキリと痛む胸の痛みをごまかすかのように笑うと、シェリルの手を取って立ち上がった。
「行こう、シェリル」
「え?い、行くって何処へですか?」
戸惑いの表情で僕を見るシェリル。
「勿論、デートに行くのさ」
そして僕はニコリと笑った――。
****
僕はシェリルを連れて、町の中心部から少し離れた場所にある森林公園へとやってきていた。
「ほら、シェリル、ボート乗り場があるよ。2人で乗ろう!」
繋いでいた手に力を込めると、ボート乗り場を指さした。
「え?ボ、ボートですかっ?!」
シェリルが驚きの声を上げる。
「うん、そうだよ。今迄デートらしいデートをしたことがなかっただろう?恋人同士のデートと言えば、ボートに乗るのは外せないよ」
「え?こ、恋人…ですかっ?!」
「そうだよ、ほら行こうっ!」
僕はシェリルの手を引くと、ボート乗り場へ向かった――。
****
「どうだい?シェリル。ボートの上は?」
オールでボートを漕ぎながら、向かい側に座るシェリルに声を掛けた。
「はい、とても気持ちが良いですね」
白い帽子をかぶったシェリルがにこやかに返事をした。
そして、湖に手を付けると気持ちよさげに鼻歌を歌い始めた。
シェリル……。
そんな姿を見ていると、目頭が熱くなってきた。
今はこんなに元気なのに、余命幾許も無いなんて……。
僕はオールを強く握りしめ、胸を痛めた――。
「あ、あ、あ、あの……ロ、ローレンス様……?」
その姿はとても可愛らしかった。
そこで再度シェリルの頬を両手で挟み込むとじっと瞳を覗き込んだ。
「大丈夫だシェリル。僕は君から離れない。今迄僕は酷い許婚だったけど……これからは心を入れ替えるよ。シェリルを大切にすると誓う」
「ローレンス様……」
シェリルの瞳に涙が浮かぶ。
「今御両親はお医者さんを連れてくる為に出ているのだろう?だから最期まで希望を失ったら駄目だ。きっとシェリルの病気なんか治してくれるはずだ」
彼女を勇気づけるために、気持ちとは裏腹の言葉を口にする。
恐らく、シェリルが立ち聞きしたと通り……彼女はもう長くは生きられないだろう。
今迄そっけない態度ばかり取っていた罪滅ぼしをしなければ。
「あ、ありがとうございます……ローレンス様……。わ、私……もうすぐ自分が死ぬんだって分かったときから…ずっと、怖くて怖くて…たまらなかったんです……」
グズグズと泣きながらシェリルがポツリポツリと自分の今の心境を語り始めた。
「大丈夫、シェリルはそんな簡単に死んだりはしないよ。両親だって、使用人の人たちだってそう言ってるんだろう?」
「は、はい……そうですけど……」
「シェリルの両親が今に名医を連れて帰ってきてくれる。だから安心して待っているといいよ」
果たして本当にそうなのだろうか?
ズキリと痛む胸の痛みをごまかすかのように笑うと、シェリルの手を取って立ち上がった。
「行こう、シェリル」
「え?い、行くって何処へですか?」
戸惑いの表情で僕を見るシェリル。
「勿論、デートに行くのさ」
そして僕はニコリと笑った――。
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僕はシェリルを連れて、町の中心部から少し離れた場所にある森林公園へとやってきていた。
「ほら、シェリル、ボート乗り場があるよ。2人で乗ろう!」
繋いでいた手に力を込めると、ボート乗り場を指さした。
「え?ボ、ボートですかっ?!」
シェリルが驚きの声を上げる。
「うん、そうだよ。今迄デートらしいデートをしたことがなかっただろう?恋人同士のデートと言えば、ボートに乗るのは外せないよ」
「え?こ、恋人…ですかっ?!」
「そうだよ、ほら行こうっ!」
僕はシェリルの手を引くと、ボート乗り場へ向かった――。
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「どうだい?シェリル。ボートの上は?」
オールでボートを漕ぎながら、向かい側に座るシェリルに声を掛けた。
「はい、とても気持ちが良いですね」
白い帽子をかぶったシェリルがにこやかに返事をした。
そして、湖に手を付けると気持ちよさげに鼻歌を歌い始めた。
シェリル……。
そんな姿を見ていると、目頭が熱くなってきた。
今はこんなに元気なのに、余命幾許も無いなんて……。
僕はオールを強く握りしめ、胸を痛めた――。
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