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ラドルフとの文通

5・文通2

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『ジューン姉さんへ
元気ですか?僕は元気です。
僕がこちらに来てからもう1年が経ちます。時の流れは早いなぁ。大分こっちでの人脈も固まって皇太子殿下とも名前で呼び合う仲になりました。学園にも入学して新しい生活が始まりました。ジューン姉さんはどうですか。前ジューン姉さんが学園恋愛小説を語ってくださいましたよね?今少しあの状況と似てきているのです。男爵令嬢に下級貴族が群れてその婚約者が怒るというような。まだ下級貴族なので様子見ですが僕らも13歳。そろそろ責任というものが問われ始めるので僕たちも慎重になっています。4年生の先輩たちは忙しいし1年生代表の僕らがなんとかしないといけないんですよね。とりあえず男爵令嬢を僕たちの側に置こうかとマークが言ったのですがどうですか?悩み相談でごめんなさい。
ラドルフ』

『ラドルフへ
その男爵令嬢とは一緒にいないほうがいいわ。将来婚約者が皇太子殿下達に出来たときに本当の恋人は私だと言われたらどうする?ただでさえ反感を買っているのにそこであなた達と一緒にいたら余計にその男爵令嬢が居心地悪くなるわ。その令嬢が確信犯だったとしても将来自動的にあなた達の評判が悪くなる。男から見て天真爛漫そうに見えてもご令嬢たちから見るとそうじゃない。その令嬢には厳重注意して直らない場合確信犯よ。もしかしたら魔法を使って操っている場合もあるわ。貴方たちも代表とはいえ13歳。まだまだ子供よ。貴族だから色恋に疎い。学園で色んな経験をして帰ってくるのよ。男爵令嬢には先述したとおり厳重注意でいいわ。そこで泣き落としにかかったら彼女はわざとよ。しっかり見極めてね。
ジューン』
    
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