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元通り・・・の後の緊急案件
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上手く誤魔化せたみたい。
ルナフレイアは、ほっと息を吐いた。
ベルフェルトは元の飄々とした雰囲気に戻り、報告書の続きを書き始めている。
・・・成程、煙に巻くって、こういう効果があるのね。
実感したわ。
変わろうとしていた距離感が元に戻っている。
どうやらルナフレイアは、まだベルフェルトの懐にいてもいいようだ。
その事に安堵すると同時に、先ほど自分がした『仕返し』を思い出して頬が熱くなる。
どさくさに紛れて唇にしちゃっても良かったかも・・・?
・・・っていやいや、それは駄目でしょ!
それこそ『はしたない』じゃない。
意外と(?)ベルフェルトさまって純情そうだし、どうなっちゃうか分からないわ。
ほっぺにしただけでもあの反応だもの。
だいたい、恋人でもないのに唇に口づけたら、はしたないどころの騒ぎじゃないわ。
・・・いやでもね、だからって、いつか恋人になれるなんて、そんなこと思ってる訳じゃないけど。
恋人になるどころか、それ以前の話よね。
だって、殿下の結婚式が終わったら、私のここでの仕事の手伝いも終わる。
そしたら、もうここに来ることもなくなって、私も領地に帰って、元通りの生活を送ることになる。
国境の見回りと警備、武闘訓練、それからお姉さまの補佐をする毎日に。
・・・あと半年か。
そんなもの思いに耽っていたから、報告書を書くベルフェルトの手がぴたりと止まった事に気づいていなかった。
だからベルフェルトが突然立ち上がった時、初めてそれに気づいたルナフレイアは、驚いて彼を見上げた。
「どうかしました?」
「・・・暗殺とは限らない」
「はい?」
「エレアーナ嬢の時のことがあったから、今回のカトリアナ嬢も、同じく命を狙われていると考えていたが・・・」
ルナフレイアは首を傾げた。
そもそもの発端であるエレアーナ嬢暗殺未遂事件については、彼女は殆ど何も知らされていない。
勿論、賢者くずれがこの国に来た経緯も。
「ええと? エレアーナさまがお命を狙われたことがあるって事ですよね?」
その質問で、ベルフェルトもルナが過去の事件について知らない事に気がついた。
足早にキャビネットに近づいて鍵を開けると、中から分厚いファイルを取り出してルナに渡す。
黙ってそれを受け取ると、ぱらばらと紙をめくって目を通していった。
「・・・」
ルナフレイアは眉を挟めた。
信じられない、こんな事が秘密裏に処理されてたなんて。
成程、これは確かに国家機密だわ。
ざっと目を通し、ベルフェルトにファイルを返す。
ベルはすぐにそれをキャビネットに戻し、鍵をかけた。
「・・・アナベラ嬢の話では、彼女の父親が王太子妃について不穏な発言をしていた。オレたちはそれを、エレアーナ嬢の時と同様、暗殺狙いだと考えた。・・・が、よくよく考えてみれば、スカッチ伯爵はそうは断言していない」
「・・・成程、確かに」
スカッチ伯爵は、アナベラ嬢が未来の王太子妃になる可能性がある、と言っただけだ。
カトリアナ嬢をその立場から排除するという意味ではあるけれど、方法までは言っていない。
・・・でも、暗殺以外の方法ってどんなものがあるかしら。
未だ思案中のルナフレイアとは異なり、ベルフェルトの頭の中には幾つか考えがまとまっているようだ。
書き上げたばかりの報告書を手に取ると、扉へと足を向ける。
表情はいつもと変わらないが、見るからに急いでいた。
把手に手をかけながら、ベルフェルトは一瞬だけ振り向いてルナフレイアにこう告げた。
「今から急ぎ陛下に報告しに行く。これは多方面で警戒が必要になる案件になるかも知れん。・・・リュークには悪いが、明日にでもデサイファミスに属する全員に、緊急招集がかかることになりそうだぞ」
ルナフレイアは、ほっと息を吐いた。
ベルフェルトは元の飄々とした雰囲気に戻り、報告書の続きを書き始めている。
・・・成程、煙に巻くって、こういう効果があるのね。
実感したわ。
変わろうとしていた距離感が元に戻っている。
どうやらルナフレイアは、まだベルフェルトの懐にいてもいいようだ。
その事に安堵すると同時に、先ほど自分がした『仕返し』を思い出して頬が熱くなる。
どさくさに紛れて唇にしちゃっても良かったかも・・・?
・・・っていやいや、それは駄目でしょ!
それこそ『はしたない』じゃない。
意外と(?)ベルフェルトさまって純情そうだし、どうなっちゃうか分からないわ。
ほっぺにしただけでもあの反応だもの。
だいたい、恋人でもないのに唇に口づけたら、はしたないどころの騒ぎじゃないわ。
・・・いやでもね、だからって、いつか恋人になれるなんて、そんなこと思ってる訳じゃないけど。
恋人になるどころか、それ以前の話よね。
だって、殿下の結婚式が終わったら、私のここでの仕事の手伝いも終わる。
そしたら、もうここに来ることもなくなって、私も領地に帰って、元通りの生活を送ることになる。
国境の見回りと警備、武闘訓練、それからお姉さまの補佐をする毎日に。
・・・あと半年か。
そんなもの思いに耽っていたから、報告書を書くベルフェルトの手がぴたりと止まった事に気づいていなかった。
だからベルフェルトが突然立ち上がった時、初めてそれに気づいたルナフレイアは、驚いて彼を見上げた。
「どうかしました?」
「・・・暗殺とは限らない」
「はい?」
「エレアーナ嬢の時のことがあったから、今回のカトリアナ嬢も、同じく命を狙われていると考えていたが・・・」
ルナフレイアは首を傾げた。
そもそもの発端であるエレアーナ嬢暗殺未遂事件については、彼女は殆ど何も知らされていない。
勿論、賢者くずれがこの国に来た経緯も。
「ええと? エレアーナさまがお命を狙われたことがあるって事ですよね?」
その質問で、ベルフェルトもルナが過去の事件について知らない事に気がついた。
足早にキャビネットに近づいて鍵を開けると、中から分厚いファイルを取り出してルナに渡す。
黙ってそれを受け取ると、ぱらばらと紙をめくって目を通していった。
「・・・」
ルナフレイアは眉を挟めた。
信じられない、こんな事が秘密裏に処理されてたなんて。
成程、これは確かに国家機密だわ。
ざっと目を通し、ベルフェルトにファイルを返す。
ベルはすぐにそれをキャビネットに戻し、鍵をかけた。
「・・・アナベラ嬢の話では、彼女の父親が王太子妃について不穏な発言をしていた。オレたちはそれを、エレアーナ嬢の時と同様、暗殺狙いだと考えた。・・・が、よくよく考えてみれば、スカッチ伯爵はそうは断言していない」
「・・・成程、確かに」
スカッチ伯爵は、アナベラ嬢が未来の王太子妃になる可能性がある、と言っただけだ。
カトリアナ嬢をその立場から排除するという意味ではあるけれど、方法までは言っていない。
・・・でも、暗殺以外の方法ってどんなものがあるかしら。
未だ思案中のルナフレイアとは異なり、ベルフェルトの頭の中には幾つか考えがまとまっているようだ。
書き上げたばかりの報告書を手に取ると、扉へと足を向ける。
表情はいつもと変わらないが、見るからに急いでいた。
把手に手をかけながら、ベルフェルトは一瞬だけ振り向いてルナフレイアにこう告げた。
「今から急ぎ陛下に報告しに行く。これは多方面で警戒が必要になる案件になるかも知れん。・・・リュークには悪いが、明日にでもデサイファミスに属する全員に、緊急招集がかかることになりそうだぞ」
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