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第2章
第334話 監視室案内
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シャル叔父さんは、商会を経営していて、年に何回か商隊を率いてゲンティアナまで来てくれる。
お土産に外国産の珍しい魔道具だとかを持ってきてくれるんだけど、商会のことはあまり良く知らないんだ。
外国にも物を売りに行ったり、買ってきたりしているって事くらい。
でも考えてみたら、外国でも活動しているって凄いんだろうな。
「そうだね。外国かぁ……。『お話』の魔道具を外国まで持って行って、試してみてもらいたいな。
繋がると良いんだけど」
「そうだな。いずれ……、毒の話とかが落ち着いたらになるんじゃないか?」
シャル叔父さんがゲンティアナに来てくれた時に、魔道具を広める方法とかの相談はしたけど、毒の騒ぎで、後回しになってしまった。
遠く離れた場所と連絡をとる魔道具って、こういう事件の時に役に立ちそうだけど、
今はまだ魔鷹に手紙を運んでもらってやり取りをしている。魔鷹も凄く速く飛んでくれているから良いけど。
僕の魔道具も役に立てたらな、なんて思ってしまう。
「今は、シャル叔父さんが辺境伯領からでも繋がることを確認してくれた。次はもっと離れたところで試すだろ。
もしも売り出すとしても、どのくらいの距離で繋がるかとか、繋がる時間とか、色々検証してからだからな。
怖いのは、まだ全然検証ができていないうちに、偉い人に見つかって、沢山寄越せとか、遠く離れたら使えないとか文句を言われたりすることだよ。
それと、作ったのが誰か、とかさ」
思わずビクッと肩が揺れてしまった。
魔道具は役に立って欲しいけど、偉い人に目をつけられちゃうのは怖い。
「……まあ、魔道具の広め方とかは、シャル叔父さんに協力してもらうとして
不用意に目立って他の人に知られたりしないようにだけ気をつけような?」
兄上が宥めるような口調で言う。そうだね。魔道具を使っているところは見つからないようにしないと。
神妙に僕は頷いた。
黒ローブ達が捕まって「監視室」で監視をしていなくても良くなったので、
普段の生活パターンに戻った。
尋問とかは気になるけど見るなって言われているし、「監視室」でじっと座って「動く写し絵」を眺めているのも
結構疲れるから、狩りや鍛錬が中心の日常の方が楽だ。
それでも、狩りを兼ねて黎明の泉まで行って、毒耐性の魔石を収集したり泉の水を採取したりすることは続けている。
毒を撒かれた川の解毒も必要だろうし、黒ローブの仲間がまた毒を撒くかもしれないし、解毒剤の準備はできるだけしておいた方が良いってことで、せっせと毒耐性の魔石と泉の水を薬師のおばあちゃんのところに運んでいるんだ。
数日そうやって過ごしていたら、シャル叔父さんが戻ってきた。
「戻ってきたよ!『監視室』がどうしても見たくってさぁ!」
挨拶もそこそこに、シャル叔父さんは「監視室」に行きたがった。「追跡魔道具四号君」が映し出す「動く写し絵」が気になって仕方がなかったのだそうだ。
シャル叔父さんは、辺境伯領に毒の被害の支援物資を届けた後は、そのまま国外に行くのかと思っていたんだけど違ったみたいだ。
「この間ゲンティアナを出る時にはなかった魔道具が出来たみたいで驚愕だよ!
離れた所から指定した位置の様子が見えちゃうのってやばくない?」
「監視室」に案内をしたら黒ローブ達が薄暗い場所で蹲っていた。
ネロ君は他の黒ローブとは別の場所にいるように見えた。でも、閉じ込められているのか狭くて薄暗い場所で俯いていた。
「他の場所を」と母様に言われて、位置を少しずつ変えていくと石造の無骨な雰囲気の建物が見えた。
黒ローブ達が勾留されている場所らしい。
位置情報で見るとアンスの街だ。アンソラの領都まで護送されてきたようだ。
ネロ君も居る建物は違うみたいだけど、やはりアンスの街に居るらしい。
お土産に外国産の珍しい魔道具だとかを持ってきてくれるんだけど、商会のことはあまり良く知らないんだ。
外国にも物を売りに行ったり、買ってきたりしているって事くらい。
でも考えてみたら、外国でも活動しているって凄いんだろうな。
「そうだね。外国かぁ……。『お話』の魔道具を外国まで持って行って、試してみてもらいたいな。
繋がると良いんだけど」
「そうだな。いずれ……、毒の話とかが落ち着いたらになるんじゃないか?」
シャル叔父さんがゲンティアナに来てくれた時に、魔道具を広める方法とかの相談はしたけど、毒の騒ぎで、後回しになってしまった。
遠く離れた場所と連絡をとる魔道具って、こういう事件の時に役に立ちそうだけど、
今はまだ魔鷹に手紙を運んでもらってやり取りをしている。魔鷹も凄く速く飛んでくれているから良いけど。
僕の魔道具も役に立てたらな、なんて思ってしまう。
「今は、シャル叔父さんが辺境伯領からでも繋がることを確認してくれた。次はもっと離れたところで試すだろ。
もしも売り出すとしても、どのくらいの距離で繋がるかとか、繋がる時間とか、色々検証してからだからな。
怖いのは、まだ全然検証ができていないうちに、偉い人に見つかって、沢山寄越せとか、遠く離れたら使えないとか文句を言われたりすることだよ。
それと、作ったのが誰か、とかさ」
思わずビクッと肩が揺れてしまった。
魔道具は役に立って欲しいけど、偉い人に目をつけられちゃうのは怖い。
「……まあ、魔道具の広め方とかは、シャル叔父さんに協力してもらうとして
不用意に目立って他の人に知られたりしないようにだけ気をつけような?」
兄上が宥めるような口調で言う。そうだね。魔道具を使っているところは見つからないようにしないと。
神妙に僕は頷いた。
黒ローブ達が捕まって「監視室」で監視をしていなくても良くなったので、
普段の生活パターンに戻った。
尋問とかは気になるけど見るなって言われているし、「監視室」でじっと座って「動く写し絵」を眺めているのも
結構疲れるから、狩りや鍛錬が中心の日常の方が楽だ。
それでも、狩りを兼ねて黎明の泉まで行って、毒耐性の魔石を収集したり泉の水を採取したりすることは続けている。
毒を撒かれた川の解毒も必要だろうし、黒ローブの仲間がまた毒を撒くかもしれないし、解毒剤の準備はできるだけしておいた方が良いってことで、せっせと毒耐性の魔石と泉の水を薬師のおばあちゃんのところに運んでいるんだ。
数日そうやって過ごしていたら、シャル叔父さんが戻ってきた。
「戻ってきたよ!『監視室』がどうしても見たくってさぁ!」
挨拶もそこそこに、シャル叔父さんは「監視室」に行きたがった。「追跡魔道具四号君」が映し出す「動く写し絵」が気になって仕方がなかったのだそうだ。
シャル叔父さんは、辺境伯領に毒の被害の支援物資を届けた後は、そのまま国外に行くのかと思っていたんだけど違ったみたいだ。
「この間ゲンティアナを出る時にはなかった魔道具が出来たみたいで驚愕だよ!
離れた所から指定した位置の様子が見えちゃうのってやばくない?」
「監視室」に案内をしたら黒ローブ達が薄暗い場所で蹲っていた。
ネロ君は他の黒ローブとは別の場所にいるように見えた。でも、閉じ込められているのか狭くて薄暗い場所で俯いていた。
「他の場所を」と母様に言われて、位置を少しずつ変えていくと石造の無骨な雰囲気の建物が見えた。
黒ローブ達が勾留されている場所らしい。
位置情報で見るとアンスの街だ。アンソラの領都まで護送されてきたようだ。
ネロ君も居る建物は違うみたいだけど、やはりアンスの街に居るらしい。
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