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第1章
第53話 黒く爛れた跡
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兄上とボブが投げていったフックやナイフも普通に投げつけると、魔獣の分厚い皮膚に弾かれたりするらしいけど、魔力を纏わせるとサクッと刺さったりするようだ。
泉の手前は、魔獣もいなかったので、楽々な狩りだった。
狩った獲物のうち、3体に黒い爛れた跡を見つけた。
解体してみると思ったとおり、キラキラしたものが混じった魔石だった。
この魔石が解毒に使えるなら、嬉しいけれど、同時に気になる点もある。
「ねえ。毒耐性がついている魔獣がこんなにいるって、毒の魔獣もいるってこと?」
「毒を持った魔獣はそこらにいるもんでさぁ。ですが、この爛れるのはなんか気味悪いでさぁね。」
ロブは、魔獣の黒く爛れた部分を不気味そうに見つめて言った。爛れた部分を持ち帰ることも躊躇した。
変な毒が残っていて害を及ぼすと困るからだ。僕も見つめていてなんだか不気味な雰囲気が漂っているのを感じた。
母様に見てもらうと何かわかりそうなんだけどな。
「持ち帰るのもだけどさ、解体して触っちまってて大丈夫だったのかな。」
「引っ張る時に一度泉に落ちてるし、更に洗い流したら、嫌な感じは少なくなったよ。」
「じゃあ、嫌な感じはあることはあるんだな。」
「魔石は大丈夫だったよ。爛れたみたいになっているところが嫌な感じがちょっとするんだ。でも。泉の水をかけたところは嫌な感じは消えているよ。」
「泉の水パワーか……。よーし、泉の水をかけまくろう。」
兄上がリュックから瓶を取り出した。魔石水の為に汲んだ水だ。
コルクの栓を引き抜いて、解体した魔獣の亡骸に泉から汲んだ水を振りかける。
「また汲めば良いだろ。」
「そうだね。」
ボブも僕も、兄上の真似をして瓶の水を振りかけた。
泉の水をかけた部位は、何だかスッキリしていた。黒く爛れた部分からも禍々しさみたいなものが消えた。
スッキリしてみてから、水をかける前はやっぱり良くないものがあったのだろうと感じた。
「病原菌を持ち帰ったりしても大変だからな。」
「そうだね。……病原菌?」
「……持って帰ったらみんなが病気になりそうな変なもののことだよ。」
「うわぁ。病気が広まったりしたら大変。」
念の為、僕達も泉の水をかぶって持ち物にも振りかけた。
泉の水は魔石水も作れるし、普通の水とはちょっと違うパワーがあるとは思っている。
ただ、どのくらい効くのか、よく分からない。
泉を隔って、強い魔獣がこちらには渡ってこないのは何か聖なるパワーとかがありそうな感じがするけど、魔獣が泉の水を飲んでいたりもするのだ。泉の水をかけたら魔獣が逃げ出す、なんてことも無さそうなんだよね。
結局、黒く爛れた部分がある魔獣の素材は、魔石以外は持ち帰らないことにした。
魔石は、僕がみた感じでは害のあるものは無さそうなのと、解毒か何かのパワーがありそうな感じがしたから泉の水でよく洗って持ち帰った。
持ち帰らなかった部位は、穴を掘ってから燃やして埋めた。
泉の手前は、魔獣もいなかったので、楽々な狩りだった。
狩った獲物のうち、3体に黒い爛れた跡を見つけた。
解体してみると思ったとおり、キラキラしたものが混じった魔石だった。
この魔石が解毒に使えるなら、嬉しいけれど、同時に気になる点もある。
「ねえ。毒耐性がついている魔獣がこんなにいるって、毒の魔獣もいるってこと?」
「毒を持った魔獣はそこらにいるもんでさぁ。ですが、この爛れるのはなんか気味悪いでさぁね。」
ロブは、魔獣の黒く爛れた部分を不気味そうに見つめて言った。爛れた部分を持ち帰ることも躊躇した。
変な毒が残っていて害を及ぼすと困るからだ。僕も見つめていてなんだか不気味な雰囲気が漂っているのを感じた。
母様に見てもらうと何かわかりそうなんだけどな。
「持ち帰るのもだけどさ、解体して触っちまってて大丈夫だったのかな。」
「引っ張る時に一度泉に落ちてるし、更に洗い流したら、嫌な感じは少なくなったよ。」
「じゃあ、嫌な感じはあることはあるんだな。」
「魔石は大丈夫だったよ。爛れたみたいになっているところが嫌な感じがちょっとするんだ。でも。泉の水をかけたところは嫌な感じは消えているよ。」
「泉の水パワーか……。よーし、泉の水をかけまくろう。」
兄上がリュックから瓶を取り出した。魔石水の為に汲んだ水だ。
コルクの栓を引き抜いて、解体した魔獣の亡骸に泉から汲んだ水を振りかける。
「また汲めば良いだろ。」
「そうだね。」
ボブも僕も、兄上の真似をして瓶の水を振りかけた。
泉の水をかけた部位は、何だかスッキリしていた。黒く爛れた部分からも禍々しさみたいなものが消えた。
スッキリしてみてから、水をかける前はやっぱり良くないものがあったのだろうと感じた。
「病原菌を持ち帰ったりしても大変だからな。」
「そうだね。……病原菌?」
「……持って帰ったらみんなが病気になりそうな変なもののことだよ。」
「うわぁ。病気が広まったりしたら大変。」
念の為、僕達も泉の水をかぶって持ち物にも振りかけた。
泉の水は魔石水も作れるし、普通の水とはちょっと違うパワーがあるとは思っている。
ただ、どのくらい効くのか、よく分からない。
泉を隔って、強い魔獣がこちらには渡ってこないのは何か聖なるパワーとかがありそうな感じがするけど、魔獣が泉の水を飲んでいたりもするのだ。泉の水をかけたら魔獣が逃げ出す、なんてことも無さそうなんだよね。
結局、黒く爛れた部分がある魔獣の素材は、魔石以外は持ち帰らないことにした。
魔石は、僕がみた感じでは害のあるものは無さそうなのと、解毒か何かのパワーがありそうな感じがしたから泉の水でよく洗って持ち帰った。
持ち帰らなかった部位は、穴を掘ってから燃やして埋めた。
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