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第1章
第61話 お団子頭のメイドさん
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シェリル嬢が青色のドレスを着ているのは何となく変な感じだ。青色……、深緑……。ああ、もしかして、シェリル嬢が深緑色のワンピースを来ていたのは、ハロルド君の髪の色に合わせていたのか。
青いドレスは、もしかして別の人の色なのかな?
ーーーシェリル・ナスタチウム辺境伯令嬢!! 貴様との婚約を破棄する!!
フロアに鳴り響く声。ぴたりと鳴り止む演奏。
睨みつける青い瞳。左目に涙ぼくろがある金髪の人物は、ピンク髪の令嬢を肩に抱いてピッタリ寄り添っている。
ええ!?婚約破棄?
ネイサン殿下がシェリル嬢と婚約破棄するの?
ということは婚約したの……?一体どう言うこと!?
ネイサン殿下はシェリル嬢とハロルド君が仲が良いのを知っていたのにシェリル嬢と婚約したってこと?……で、何故か婚約破棄?
一体何があってそうなったんだ?
落ち着こう。これは脳内の光景だ。きっとそう。
すーっと深く息を吸い込み、ゆっくりと吐き出す。目を数秒瞑ってから、何回か瞬きをする。
目の前には、河原。ちゃんと河原がある。大丈夫。現実はこっちだ。
僕、どうしちゃったんだろう。やたらと妄想が生まれるんだけど、何か変なもの食べたっけ?
青いキノコ……は、絵の具に使っただけで食べてはいなかったよね。灰色のキノコは持って帰ってないし!
やたらと脳裏に浮かんでくる光景と現実世界がごちゃごちゃになりそうでちょっと怖くなった。
もう一回深呼吸して落ち着こう。
バーベキューのことでも考えたら落ち着くかな。魔魚を適度な大きさの切り身にした後串刺しにして、じゅうじゅうって音が出るくらいまで焼いて、ハーブ塩をかける。あ、ハーブ塩をかけてから焼いたって良い。
考えていたらお腹が空いてきちゃった。
魔魚……。いるかな?
川の方に向かって歩き出す。
乾いていてスライムが出にくそうな場所を探しながら歩く。そういう場所が焚き火に向いているんだ。
僕が川に向かって歩き出したら兄上が僕についてきた。そしてなぜかメイドさんも。
「……え?」
僕達についてきたお団子頭のメイドの方を振り向いた。話したことない人だ。僕達に何か用だろうか。
「えーと……。何か?」
「ご相談したいことがございまして。あの川には魔魚がいるとのことですが、水を汲むことはできますでしょうか。」
お団子髪のメイドの人は取手がついた小さい木桶を手に持っていた。
「ああ、お水が必要なんですか?」
「はい。お嬢様のお召し物が少々汚れてしまいまして。」
少し視線を巡らすと、馬車の近くに先ほどとは違う色の服を着たリネリア嬢の姿が見えた。少し淡いオレンジ色のワンピースを着ている。
泥かスライム液で服が汚れてしまって着替えたのだろうか。
「俺が汲んできますよ。武器なしでは川に近づかない方が無難です。」
メイドさんがあの川に水を汲みに行くのはちょっと危険かなと考えていたら、兄上がとっとと木をけを受け取って水を汲んで戻ってきた。流石兄上、素早い。
「あ、ありがとうございます!」
お団子頭のメイドさんが、深々と勢いよくお辞儀をした。メイドさんが頭を下げてから顔を上げた瞬間、脳内に絵が浮かんできた。
ーーーお嬢様。パンを持って参りました。
ーーーありがとう、ノンナ。でもこれは貴女の分ではないの?
ーーーいいえ、いいえ。元々お嬢様の為にご用意されたものです。……奥様が出すなとおっしゃられただけで。
ーーーノンナ、貴女が怒られてしまうわ。
ーーーええ。ですからバレないように急いで召し上がって下さいね!
お団子髪のメイドさんがパンを差し出した相手は、リネリア嬢だ。でも、浮かんだイメージの中のリネリア嬢は何だか凄く疲れて元気がないように見えた。
青いドレスは、もしかして別の人の色なのかな?
ーーーシェリル・ナスタチウム辺境伯令嬢!! 貴様との婚約を破棄する!!
フロアに鳴り響く声。ぴたりと鳴り止む演奏。
睨みつける青い瞳。左目に涙ぼくろがある金髪の人物は、ピンク髪の令嬢を肩に抱いてピッタリ寄り添っている。
ええ!?婚約破棄?
ネイサン殿下がシェリル嬢と婚約破棄するの?
ということは婚約したの……?一体どう言うこと!?
ネイサン殿下はシェリル嬢とハロルド君が仲が良いのを知っていたのにシェリル嬢と婚約したってこと?……で、何故か婚約破棄?
一体何があってそうなったんだ?
落ち着こう。これは脳内の光景だ。きっとそう。
すーっと深く息を吸い込み、ゆっくりと吐き出す。目を数秒瞑ってから、何回か瞬きをする。
目の前には、河原。ちゃんと河原がある。大丈夫。現実はこっちだ。
僕、どうしちゃったんだろう。やたらと妄想が生まれるんだけど、何か変なもの食べたっけ?
青いキノコ……は、絵の具に使っただけで食べてはいなかったよね。灰色のキノコは持って帰ってないし!
やたらと脳裏に浮かんでくる光景と現実世界がごちゃごちゃになりそうでちょっと怖くなった。
もう一回深呼吸して落ち着こう。
バーベキューのことでも考えたら落ち着くかな。魔魚を適度な大きさの切り身にした後串刺しにして、じゅうじゅうって音が出るくらいまで焼いて、ハーブ塩をかける。あ、ハーブ塩をかけてから焼いたって良い。
考えていたらお腹が空いてきちゃった。
魔魚……。いるかな?
川の方に向かって歩き出す。
乾いていてスライムが出にくそうな場所を探しながら歩く。そういう場所が焚き火に向いているんだ。
僕が川に向かって歩き出したら兄上が僕についてきた。そしてなぜかメイドさんも。
「……え?」
僕達についてきたお団子頭のメイドの方を振り向いた。話したことない人だ。僕達に何か用だろうか。
「えーと……。何か?」
「ご相談したいことがございまして。あの川には魔魚がいるとのことですが、水を汲むことはできますでしょうか。」
お団子髪のメイドの人は取手がついた小さい木桶を手に持っていた。
「ああ、お水が必要なんですか?」
「はい。お嬢様のお召し物が少々汚れてしまいまして。」
少し視線を巡らすと、馬車の近くに先ほどとは違う色の服を着たリネリア嬢の姿が見えた。少し淡いオレンジ色のワンピースを着ている。
泥かスライム液で服が汚れてしまって着替えたのだろうか。
「俺が汲んできますよ。武器なしでは川に近づかない方が無難です。」
メイドさんがあの川に水を汲みに行くのはちょっと危険かなと考えていたら、兄上がとっとと木をけを受け取って水を汲んで戻ってきた。流石兄上、素早い。
「あ、ありがとうございます!」
お団子頭のメイドさんが、深々と勢いよくお辞儀をした。メイドさんが頭を下げてから顔を上げた瞬間、脳内に絵が浮かんできた。
ーーーお嬢様。パンを持って参りました。
ーーーありがとう、ノンナ。でもこれは貴女の分ではないの?
ーーーいいえ、いいえ。元々お嬢様の為にご用意されたものです。……奥様が出すなとおっしゃられただけで。
ーーーノンナ、貴女が怒られてしまうわ。
ーーーええ。ですからバレないように急いで召し上がって下さいね!
お団子髪のメイドさんがパンを差し出した相手は、リネリア嬢だ。でも、浮かんだイメージの中のリネリア嬢は何だか凄く疲れて元気がないように見えた。
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