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第1章
第108話 「収納」の魔法陣
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「収納」スキルは水属性とか風属性とは違うちょっと特殊な属性な気がしている。それなら水の魔石とかに「収納」の魔法陣を刻んだらどうなるだろう。
「……試してみようか……」
文机の引き出しを開けて魔石をしまっているケースを取り出した。
ケースの蓋を開けるとコロコロと色とりどりの魔石がケースの中を転がる。
水魔石、風魔石、火魔石、土魔石が揃っている。さらに、雷魔石が手に入ったのを思い出して一緒に並べてみた。
僕は水魔法と風魔法が得意で、兄上は火魔法が得意な方だ。兄上も僕も「収納」スキルを得られたってことは得意属性に関係ない気がするんだよね。
それなら色んな属性の魔石で試してみたい。
何か面白い結果が出ることを期待しながら、針のようなペン先のペンで魔石に魔法陣を刻んでいく。「収納」の魔法陣は何度も見たから覚えているんだ。
最初に水魔石に魔法陣を描いてみた。ドキドキしながら魔力を流してみたけど全く反応がなかった、
ちょっとガッカリしながら風魔石も試す。これも反応なし。ダメもとで火魔石、土魔石も試してみたけど、反応なし。
「やっぱりダメかぁ……」
小さくため息をついて、雷魔石を指で摘んで月の光にかざした。小さいけど綺麗な魔石だ。
うまくいかないだろうとは思いながらも勢いのまま、雷魔石にも「収納」の魔法陣を刻んだ。
「どうかな…‥イテッ!」
パチッと小さい火花のようなものが出た気がした。雷魔石自体が小さいから、魔力を流す時に上手く魔法陣に触れられていなかったか魔力を流し込む量の加減に失敗をしたんじゃないかと思う。
雷魔石から小さい雷みたいなものが出て、僕は思わず魔石を手から落としてしまった。
並べてあった魔石の上に落ちてバチンッと激しい音を立てた。
ちょっと大きめの音が出たので破裂したりしないか心配したけど、どの魔石も割れたりはしていなさそうだった。ただ、水魔石の一部分の色が変わってしまっていた。
水色の魔石の一部が緑色に変色してキラキラしている。
「まあ、魔法陣失敗したから、使い道なさそうなんだけど……」
水魔石は綺麗な色だったので一部変色しちゃったのがちょっと残念だった。
でもちょっと落ち着いて見てみると、水色の一部が緑に変色した魔石もそれなりに綺麗な気がしてきた。
何かに使えないかなと眺めていたら、水魔石の緑色に変色した部分にうっすらと線が見えた。僕が魔石に刻んだ魔法陣より小さいし線も目を凝らしてよく見ないと見えない。でも、緑色に変色した部分には「収納」の魔法陣が見えたんだ。
ドキドキしながら水魔石の緑色に変色した部分に魔力を流すとふわりと小さい魔法陣が浮かび上がって溶け込むようにして消えた。
魔法陣の中心に光の筋が見えた気がしたので、咄嗟に羽根ペンを突き立てた。スッと羽根ペンが消えた。
「で…‥できた?」
キョロキョロと周囲を見回して、羽根ペンがどこかに飛んで行ったり落ちたりしていないかを念の為に足元や文机の後ろとかを探してみた。
でも羽根ペンは見つからなかった。少し見えた光の筋の中に消えたように思う。
もう一度、水魔石に魔力を通してみたらまた魔法陣がふわっと浮かび上がった。
「あ!」
魔法陣が消える前に、失敗したことに気がついてしまった。
そして思った通り何も起きなかった。羽根ペンも戻ってこない。
「……試してみようか……」
文机の引き出しを開けて魔石をしまっているケースを取り出した。
ケースの蓋を開けるとコロコロと色とりどりの魔石がケースの中を転がる。
水魔石、風魔石、火魔石、土魔石が揃っている。さらに、雷魔石が手に入ったのを思い出して一緒に並べてみた。
僕は水魔法と風魔法が得意で、兄上は火魔法が得意な方だ。兄上も僕も「収納」スキルを得られたってことは得意属性に関係ない気がするんだよね。
それなら色んな属性の魔石で試してみたい。
何か面白い結果が出ることを期待しながら、針のようなペン先のペンで魔石に魔法陣を刻んでいく。「収納」の魔法陣は何度も見たから覚えているんだ。
最初に水魔石に魔法陣を描いてみた。ドキドキしながら魔力を流してみたけど全く反応がなかった、
ちょっとガッカリしながら風魔石も試す。これも反応なし。ダメもとで火魔石、土魔石も試してみたけど、反応なし。
「やっぱりダメかぁ……」
小さくため息をついて、雷魔石を指で摘んで月の光にかざした。小さいけど綺麗な魔石だ。
うまくいかないだろうとは思いながらも勢いのまま、雷魔石にも「収納」の魔法陣を刻んだ。
「どうかな…‥イテッ!」
パチッと小さい火花のようなものが出た気がした。雷魔石自体が小さいから、魔力を流す時に上手く魔法陣に触れられていなかったか魔力を流し込む量の加減に失敗をしたんじゃないかと思う。
雷魔石から小さい雷みたいなものが出て、僕は思わず魔石を手から落としてしまった。
並べてあった魔石の上に落ちてバチンッと激しい音を立てた。
ちょっと大きめの音が出たので破裂したりしないか心配したけど、どの魔石も割れたりはしていなさそうだった。ただ、水魔石の一部分の色が変わってしまっていた。
水色の魔石の一部が緑色に変色してキラキラしている。
「まあ、魔法陣失敗したから、使い道なさそうなんだけど……」
水魔石は綺麗な色だったので一部変色しちゃったのがちょっと残念だった。
でもちょっと落ち着いて見てみると、水色の一部が緑に変色した魔石もそれなりに綺麗な気がしてきた。
何かに使えないかなと眺めていたら、水魔石の緑色に変色した部分にうっすらと線が見えた。僕が魔石に刻んだ魔法陣より小さいし線も目を凝らしてよく見ないと見えない。でも、緑色に変色した部分には「収納」の魔法陣が見えたんだ。
ドキドキしながら水魔石の緑色に変色した部分に魔力を流すとふわりと小さい魔法陣が浮かび上がって溶け込むようにして消えた。
魔法陣の中心に光の筋が見えた気がしたので、咄嗟に羽根ペンを突き立てた。スッと羽根ペンが消えた。
「で…‥できた?」
キョロキョロと周囲を見回して、羽根ペンがどこかに飛んで行ったり落ちたりしていないかを念の為に足元や文机の後ろとかを探してみた。
でも羽根ペンは見つからなかった。少し見えた光の筋の中に消えたように思う。
もう一度、水魔石に魔力を通してみたらまた魔法陣がふわっと浮かび上がった。
「あ!」
魔法陣が消える前に、失敗したことに気がついてしまった。
そして思った通り何も起きなかった。羽根ペンも戻ってこない。
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