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第1章
第134話 沼地を荒らした容疑者情報
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解体した角兎の事で母様がお礼を言ってくれたけど、角兎のボロボロだった様子を思い出すとちょっと心配になる。
「あの角兎、本当にボロボロだったよ。本当にお客様に出して大丈夫なのかな」
「ええ……。どうしてもと、おっしゃるのよ……」
母様は細い眉をちょっと歪ませて目を細めた。怒ってはいないけどちょっと困っているみたいな様子だ。
「えーと……、それは、ネイサン殿下が希望されているってこと?」
「そうなのよ。初討伐のお祝いをしたいのですって。お友達の、ハロルド様やシェリル様の為にお祝いをしたいんですって」
「急だよね。初討伐をお祝いしたいなら言ってくれれば前もって準備したのに」
「ええ。そうよね」
初討伐をしたらお祝いするっていうなら、最初から言ってくれればよかったのになあ。そもそも、初討伐というならスライムだよね。その次は背びれイタチだったし。
食べられる魔獣だったらお祝いするってことだったんなら、先に言っておいてくれたらなあ。
角兎狩りに一緒に行って、良い状態で狩ることだってできたかもしれないのにね。
料理や飲み物だって急いで準備しなくて済んだよねぇ。
テーブルに飾る花を用意するとかも出来たと思う。
初討伐の宴は普段の食堂ではなくて庭園に面した広間で開催するらしい。
僕と兄上もお祝いを言いに少しだけ参加しなさいと言われてしまった。
何度か訓練や討伐に付き合ったのだから、お祝いは言っていた方が良いって。
今日は離れでメイリと夕食を食べられないのかなと思ったけど、挨拶だけしたら離れに戻っても良いという話だ。
ちょっと顔を出すだけというなら良いかなと思ったけど、狩りから帰ったまんまの格好じゃダメだからシャワーを浴びて着替えて来いって言われちゃった。
母様は僕と兄上が来るシャツの色はお揃いにしなさいとか指示を出してどこかに向かおうとしていたのだけど
母様に聞きたいことがあったのを思い出して呼び止めた。
「あ、ねえ。沼地を荒らした犯人かもしれない人達はどうなったの?」
「……今は一人ずつ尋問をしているわ。口裏を合わせたりしないように一人ずつに話を聞いているから時間がかかるの。
でも沼地を燃やしたのは、やはり彼らだったようよ」
母様はドアに向きかけた足を止めて振り向いてちょっと困ったように口元だけ笑みを浮かべた。
「やっぱり。なんであんなことしたのかは分かったの?」
「酒場で冒険者に煽られたと言っていたわ。普段から魔獣を狩っている冒険者の方が強いだとか、騎士はろくに魔獣を倒した経験はないだろうと言われて
言い争いになって沼地で魔法の威力を競ったのですって。」
「じゃあ、沼地を荒らしたのはあの人たちだけじゃなくて冒険者もってこと?」
尋問しているところから「冒険者」ってワードが聞こえてきたのは、そういうことだったのか。
「冒険者って町の住人なの?
他所から来た人達が絡んでそんな問題を起こすような冒険者がいるってことなのかな。
それか……、町に大勢騎士が泊まってて、領民に不満が溜まるようなことが起きてるとか……」
「……町の状況を調査させた方が良いわね……」
兄上の言葉を聞いて母様が眉を歪めた。
「酒場で言い争いになったんだったら、酒場に聞き込みをしたら何かわかるんじゃない?」
「そうね……」
河原で僕と兄上に絡んできた人達は、かなり横柄な感じだったから酒場でだって他の人と揉めるのは不思議じゃない気がする。
もしも、他の騎士もあんな感じの態度だったら、あちこちで喧嘩になっちゃいそうだよね。
「あの角兎、本当にボロボロだったよ。本当にお客様に出して大丈夫なのかな」
「ええ……。どうしてもと、おっしゃるのよ……」
母様は細い眉をちょっと歪ませて目を細めた。怒ってはいないけどちょっと困っているみたいな様子だ。
「えーと……、それは、ネイサン殿下が希望されているってこと?」
「そうなのよ。初討伐のお祝いをしたいのですって。お友達の、ハロルド様やシェリル様の為にお祝いをしたいんですって」
「急だよね。初討伐をお祝いしたいなら言ってくれれば前もって準備したのに」
「ええ。そうよね」
初討伐をしたらお祝いするっていうなら、最初から言ってくれればよかったのになあ。そもそも、初討伐というならスライムだよね。その次は背びれイタチだったし。
食べられる魔獣だったらお祝いするってことだったんなら、先に言っておいてくれたらなあ。
角兎狩りに一緒に行って、良い状態で狩ることだってできたかもしれないのにね。
料理や飲み物だって急いで準備しなくて済んだよねぇ。
テーブルに飾る花を用意するとかも出来たと思う。
初討伐の宴は普段の食堂ではなくて庭園に面した広間で開催するらしい。
僕と兄上もお祝いを言いに少しだけ参加しなさいと言われてしまった。
何度か訓練や討伐に付き合ったのだから、お祝いは言っていた方が良いって。
今日は離れでメイリと夕食を食べられないのかなと思ったけど、挨拶だけしたら離れに戻っても良いという話だ。
ちょっと顔を出すだけというなら良いかなと思ったけど、狩りから帰ったまんまの格好じゃダメだからシャワーを浴びて着替えて来いって言われちゃった。
母様は僕と兄上が来るシャツの色はお揃いにしなさいとか指示を出してどこかに向かおうとしていたのだけど
母様に聞きたいことがあったのを思い出して呼び止めた。
「あ、ねえ。沼地を荒らした犯人かもしれない人達はどうなったの?」
「……今は一人ずつ尋問をしているわ。口裏を合わせたりしないように一人ずつに話を聞いているから時間がかかるの。
でも沼地を燃やしたのは、やはり彼らだったようよ」
母様はドアに向きかけた足を止めて振り向いてちょっと困ったように口元だけ笑みを浮かべた。
「やっぱり。なんであんなことしたのかは分かったの?」
「酒場で冒険者に煽られたと言っていたわ。普段から魔獣を狩っている冒険者の方が強いだとか、騎士はろくに魔獣を倒した経験はないだろうと言われて
言い争いになって沼地で魔法の威力を競ったのですって。」
「じゃあ、沼地を荒らしたのはあの人たちだけじゃなくて冒険者もってこと?」
尋問しているところから「冒険者」ってワードが聞こえてきたのは、そういうことだったのか。
「冒険者って町の住人なの?
他所から来た人達が絡んでそんな問題を起こすような冒険者がいるってことなのかな。
それか……、町に大勢騎士が泊まってて、領民に不満が溜まるようなことが起きてるとか……」
「……町の状況を調査させた方が良いわね……」
兄上の言葉を聞いて母様が眉を歪めた。
「酒場で言い争いになったんだったら、酒場に聞き込みをしたら何かわかるんじゃない?」
「そうね……」
河原で僕と兄上に絡んできた人達は、かなり横柄な感じだったから酒場でだって他の人と揉めるのは不思議じゃない気がする。
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