137 / 334
第1章
第137話 お揃いの服
しおりを挟む
レオノールさん達の話をこっそりと聞いていた時間はあまり長い時間じゃなかったと思うけど、いつの間にか日が沈んでしまってすっかり辺りが暗くなった。
初討伐祝いの宴に間に合わなくなるといけないから急いでシャワーを浴びて着替える。
シャワーは今回も自分で水魔法で温水を出してみた。ちょっと温かったけどだいぶ温度と量が安定してきた気がする。
リビングルームの長椅子に腰を下ろし風魔法で温風を作って髪を乾かしていると、メイリがやってきた。
「ねえ、パーティがあるの?」
微妙に不満げな表情を浮かべている。仲間外れにされてるって思ったのかな。
「殿下達の初討伐のお祝いなんだって。僕と兄様はお祝いを言うのにちょっとだけ顔を出すけど、夕食はこっちで食べるからすぐ戻ってくるよ」
「そうなのね」
メイリの表情がちょっと和らぐ。一緒にお祝いの言葉を言いに行けたら良いんだけどなぁ。メイリはまだ他の貴族家との交流をしたことがない。メイリはしっかりしているからご挨拶とか大丈夫そうな気がするけど、許可を出すのは母様だ。
最初の夕食の席とかに出たのは兄上だけだったし、元々は長男だけ顔を出せば良いって感じだったから多分まだメイリがお客様の前に出て挨拶をするという許可は出ないんだろうな。
僕は訓練とか手伝ったりとかで、結果的に関わることになっちゃったけど。
「そうだ。光水を使ってちょっと綺麗な感じの飲み物を作ったんだよ。夕食の時に出すね」
「わあ、楽しみ!綺麗ってどんなものなの?」
「光るんだ」
「……それって光水を使っているからよね」
「うん。光水に色々混ぜたんだ」
「そうなのね!どんな感じかしら。楽しみね」
光水を見たことがあるメイリからしたら、光る飲み物と聞いても珍しくもないかな。まあ、光水を使っているし、光り方は光水と同じ何だけど並べておいて部屋を暗くしたら綺麗って思ってくれるかな。
あまり詳しく教えちゃうと意外性がなくなっちゃうから、これ以上は説明しないでおこう。
メイリと話していたら、兄上がやってきた。
母様がお揃いのシャツを着ろって言ったから、兄上も僕と同じ紺色と銀のラインが入ったシャツを着ている。
「兄様達、シャツがお揃いなのね」
「母上のリクエストだよ」
メイリが僕と兄上の姿を交互に見た。兄上がシャツの裾あたりをちょっと引っ張ってみせた。
「そういえば、母様はどうしてお揃いにしろって言ったんだろう」
「揃っている方がキチンとして見える……というのもあるかもしれないけど、
着る機会が少ないからじゃないか」
「確かに……」
一応、お茶会やパーティがあった時のためにって用意してもらっているんだけど
どこかに着ていく機会って特にないんだよね。
新年や誕生日とかを家族内で祝う時とかに着ている位だ。
初討伐祝いの宴に間に合わなくなるといけないから急いでシャワーを浴びて着替える。
シャワーは今回も自分で水魔法で温水を出してみた。ちょっと温かったけどだいぶ温度と量が安定してきた気がする。
リビングルームの長椅子に腰を下ろし風魔法で温風を作って髪を乾かしていると、メイリがやってきた。
「ねえ、パーティがあるの?」
微妙に不満げな表情を浮かべている。仲間外れにされてるって思ったのかな。
「殿下達の初討伐のお祝いなんだって。僕と兄様はお祝いを言うのにちょっとだけ顔を出すけど、夕食はこっちで食べるからすぐ戻ってくるよ」
「そうなのね」
メイリの表情がちょっと和らぐ。一緒にお祝いの言葉を言いに行けたら良いんだけどなぁ。メイリはまだ他の貴族家との交流をしたことがない。メイリはしっかりしているからご挨拶とか大丈夫そうな気がするけど、許可を出すのは母様だ。
最初の夕食の席とかに出たのは兄上だけだったし、元々は長男だけ顔を出せば良いって感じだったから多分まだメイリがお客様の前に出て挨拶をするという許可は出ないんだろうな。
僕は訓練とか手伝ったりとかで、結果的に関わることになっちゃったけど。
「そうだ。光水を使ってちょっと綺麗な感じの飲み物を作ったんだよ。夕食の時に出すね」
「わあ、楽しみ!綺麗ってどんなものなの?」
「光るんだ」
「……それって光水を使っているからよね」
「うん。光水に色々混ぜたんだ」
「そうなのね!どんな感じかしら。楽しみね」
光水を見たことがあるメイリからしたら、光る飲み物と聞いても珍しくもないかな。まあ、光水を使っているし、光り方は光水と同じ何だけど並べておいて部屋を暗くしたら綺麗って思ってくれるかな。
あまり詳しく教えちゃうと意外性がなくなっちゃうから、これ以上は説明しないでおこう。
メイリと話していたら、兄上がやってきた。
母様がお揃いのシャツを着ろって言ったから、兄上も僕と同じ紺色と銀のラインが入ったシャツを着ている。
「兄様達、シャツがお揃いなのね」
「母上のリクエストだよ」
メイリが僕と兄上の姿を交互に見た。兄上がシャツの裾あたりをちょっと引っ張ってみせた。
「そういえば、母様はどうしてお揃いにしろって言ったんだろう」
「揃っている方がキチンとして見える……というのもあるかもしれないけど、
着る機会が少ないからじゃないか」
「確かに……」
一応、お茶会やパーティがあった時のためにって用意してもらっているんだけど
どこかに着ていく機会って特にないんだよね。
新年や誕生日とかを家族内で祝う時とかに着ている位だ。
375
あなたにおすすめの小説
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜
犬社護
ファンタジー
5歳の誕生日、アキトは不思議な夢を見た。舞台は日本、自分は小学生6年生の子供、様々なシーンが走馬灯のように進んでいき、突然の交通事故で終幕となり、そこでの経験と知識の一部を引き継いだまま目を覚ます。それが前世の記憶で、自分が異世界へと転生していることに気付かないまま日常生活を送るある日、父親の職場見学のため、街中にある遺跡へと出かけ、そこで出会った貴族の幼女と話し合っている時に誘拐されてしまい、大ピンチ! 目隠しされ不安の中でどうしようかと思案していると、小さなもふもふ精霊-白虎が救いの手を差し伸べて、アキトの秘めたる力が解放される。
この小さき白虎との出会いにより、アキトの運命が思わぬ方向へと動き出す。
これは、アキトと訳ありモフモフたちの起こす品質開拓物語。
悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!
水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。
ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。
しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。
★ファンタジー小説大賞エントリー中です。
※完結しました!
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
何故か転生?したらしいので【この子】を幸せにしたい。
くらげ
ファンタジー
俺、 鷹中 結糸(たかなか ゆいと) は…36歳 独身のどこにでも居る普通のサラリーマンの筈だった。
しかし…ある日、会社終わりに事故に合ったらしく…目が覚めたら細く小さい少年に転生?憑依?していた!
しかも…【この子】は、どうやら家族からも、国からも、嫌われているようで……!?
よし!じゃあ!冒険者になって自由にスローライフ目指して生きようと思った矢先…何故か色々な事に巻き込まれてしまい……?!
「これ…スローライフ目指せるのか?」
この物語は、【この子】と俺が…この異世界で幸せスローライフを目指して奮闘する物語!
ゲームちっくな異世界でゆるふわ箱庭スローライフを満喫します 〜私の作るアイテムはぜーんぶ特別らしいけどなんで?〜
ことりとりとん
ファンタジー
ゲームっぽいシステム満載の異世界に突然呼ばれたので、のんびり生産ライフを送るつもりが……
この世界の文明レベル、低すぎじゃない!?
私はそんなに凄い人じゃないんですけど!
スキルに頼りすぎて上手くいってない世界で、いつの間にか英雄扱いされてますが、気にせず自分のペースで生きようと思います!
昭和生まれお局様は、異世界転生いたしましたとさ
蒼あかり
ファンタジー
局田舞子(つぼたまいこ)43歳、独身。
とある事故をきっかけに、彼女は異世界へと転生することになった。
どうしてこんなことになったのか、訳もわからぬままに彼女は異世界に一人放り込まれ、辛い日々を過ごしながら苦悩する毎日......。
など送ることもなく、なんとなく順応しながら、それなりの日々を送って行くのでありました。
そんな彼女の異世界生活と、ほんの少しのラブロマンスっぽい何かを織り交ぜながらすすむ、そんな彼女の生活を覗いてみませんか?
毎日投稿はできないと思います。気長に更新をお待ちください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる