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第1章
第184話 水の泡を試す
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翌朝、水の泡が出る魔法陣魔石と解体系の魔法陣魔石を母様と兄上とメイリの居る場で披露した。
水の泡の魔法陣魔石はメイリには好評だった。
「おもしろーい!」
「良いでしょ」
水の泡を出してはしゃいでいるメイリと僕の様子を見ながら母様と兄上が腕組みをして思案顔だ。
「……この泡が出てくる魔石は、何年も前にどこかからの商人が売りにきたものを買って、遊び道具として使っていたということにしましょう」
「どこかからきた商人?」
「隣の国あたりかしら」
幻の隣国から来た商人!
「どうしよう。どんな人だったか訊かれたら。もじゃもじゃ髪だったってことにする?」
「もじゃもじゃ髪って……。もしも訊かれるようなことがあったらクリスが買ったものではないから知らないって言えば良いわ。……それと、この短剣は森で拾ったのよね?」
「うん」
「じゃあ、森で拾った時から、この魔石が入っていたと言うことにしましょう」
水の泡の魔法陣魔石も「魔石取り」の短剣も僕が作ったものではないと言うことにして、その設定を決めるようだ。
解体系の魔法陣魔石については、効果がわからないから、人前では使うなと言われた。
水の泡の魔法陣魔石は母様からすると「奇抜」なものらしい。
殿下達にあげる案は微妙な顔をされたけど、渋々といった感じで了承してくれた。
「クリスが殿下達に使ってもらいたくて作ったのだものね……」
グリグリグリグリとちょっと痛いくらいに頭を撫でられた。
水の泡の魔法陣魔石は結構沢山作ったんだけど、殿下達に渡すのは一人当たり二つだけ。
訓練場で訓練をする時には、全員分の魔石を合わせて使うと言うことになった。
沢山あるのを見せると、献上することになるだろうからやめておきなさいと言われてしまった。
最初、一人一つだけって言われたんだけど、魔石から魔力が抜けちゃうと補充するまで使えなくなっちゃうから二つってことになった。
「どうやって渡そうか?」
訓練場に騎士がいっぱいいて殿下達にほとんど近づけなかったことを思い出した。
「訓練が始まる前に、ちょっと面白い練習用の道具がある、とでも言っておこう」
兄上がチラリと窓の外に目を向けた。
「その前に試したほうが良いな。的の場所から泡が出て、弓で狙えるかやってみてないだろ。離れた場所からは泡が良く見えないかもしれない」
「遊びのものだから、良く見えなかったら見える位置まで近づいても良いと思うけど」
「まあそうだな。だけど使ってみてないと、紹介できないからな」
訓練場で試してみることにした。
早朝の訓練場にはまだ誰もいなかった。点検でもしていて入れてもらえなかったらどうしようと思っていたからちょっとホッとした。
的を立ててある位置まで行って、水の泡の魔法陣魔石に魔力を通す。
四つの魔石を適当に転がして、的から離れる。
少ししてから最初の泡が浮かび上がった。
兄上が弓で狙いを定めている。最初の矢を射ったのとほぼ同時に二つ目の泡がでた。
そして、別の魔石からも泡が出てきた。
「ちょっ……、止まらないじゃないか」
最初の泡は、空中の同じ位置で数秒止まっていたんだけど、二つ目の泡はフヨフヨと天井に向かって上がっていってしまった。
止まると思ったら止まらなかったことに気を取られているうちに、次々と泡が出てくる。
「思ったよりハードだぞ」
「もっと発動をゆっくり目にしようか」
兄上は空中で止まった泡には全部当てたけど、空中に止まらなかった泡は何個か外した。
天井に向かって上っていくだけじゃなくて、フヨフヨと漂うような動きをするものも混ざっているから予測をつけにくかったらしい。まあ、兄上は剣の斬撃とか使ったら一気に泡を消し飛ばしちゃいそうだけどね。
水の泡そのものは、離れていてもよく良く見えたらしいので安心した。
水の泡の魔法陣魔石はメイリには好評だった。
「おもしろーい!」
「良いでしょ」
水の泡を出してはしゃいでいるメイリと僕の様子を見ながら母様と兄上が腕組みをして思案顔だ。
「……この泡が出てくる魔石は、何年も前にどこかからの商人が売りにきたものを買って、遊び道具として使っていたということにしましょう」
「どこかからきた商人?」
「隣の国あたりかしら」
幻の隣国から来た商人!
「どうしよう。どんな人だったか訊かれたら。もじゃもじゃ髪だったってことにする?」
「もじゃもじゃ髪って……。もしも訊かれるようなことがあったらクリスが買ったものではないから知らないって言えば良いわ。……それと、この短剣は森で拾ったのよね?」
「うん」
「じゃあ、森で拾った時から、この魔石が入っていたと言うことにしましょう」
水の泡の魔法陣魔石も「魔石取り」の短剣も僕が作ったものではないと言うことにして、その設定を決めるようだ。
解体系の魔法陣魔石については、効果がわからないから、人前では使うなと言われた。
水の泡の魔法陣魔石は母様からすると「奇抜」なものらしい。
殿下達にあげる案は微妙な顔をされたけど、渋々といった感じで了承してくれた。
「クリスが殿下達に使ってもらいたくて作ったのだものね……」
グリグリグリグリとちょっと痛いくらいに頭を撫でられた。
水の泡の魔法陣魔石は結構沢山作ったんだけど、殿下達に渡すのは一人当たり二つだけ。
訓練場で訓練をする時には、全員分の魔石を合わせて使うと言うことになった。
沢山あるのを見せると、献上することになるだろうからやめておきなさいと言われてしまった。
最初、一人一つだけって言われたんだけど、魔石から魔力が抜けちゃうと補充するまで使えなくなっちゃうから二つってことになった。
「どうやって渡そうか?」
訓練場に騎士がいっぱいいて殿下達にほとんど近づけなかったことを思い出した。
「訓練が始まる前に、ちょっと面白い練習用の道具がある、とでも言っておこう」
兄上がチラリと窓の外に目を向けた。
「その前に試したほうが良いな。的の場所から泡が出て、弓で狙えるかやってみてないだろ。離れた場所からは泡が良く見えないかもしれない」
「遊びのものだから、良く見えなかったら見える位置まで近づいても良いと思うけど」
「まあそうだな。だけど使ってみてないと、紹介できないからな」
訓練場で試してみることにした。
早朝の訓練場にはまだ誰もいなかった。点検でもしていて入れてもらえなかったらどうしようと思っていたからちょっとホッとした。
的を立ててある位置まで行って、水の泡の魔法陣魔石に魔力を通す。
四つの魔石を適当に転がして、的から離れる。
少ししてから最初の泡が浮かび上がった。
兄上が弓で狙いを定めている。最初の矢を射ったのとほぼ同時に二つ目の泡がでた。
そして、別の魔石からも泡が出てきた。
「ちょっ……、止まらないじゃないか」
最初の泡は、空中の同じ位置で数秒止まっていたんだけど、二つ目の泡はフヨフヨと天井に向かって上がっていってしまった。
止まると思ったら止まらなかったことに気を取られているうちに、次々と泡が出てくる。
「思ったよりハードだぞ」
「もっと発動をゆっくり目にしようか」
兄上は空中で止まった泡には全部当てたけど、空中に止まらなかった泡は何個か外した。
天井に向かって上っていくだけじゃなくて、フヨフヨと漂うような動きをするものも混ざっているから予測をつけにくかったらしい。まあ、兄上は剣の斬撃とか使ったら一気に泡を消し飛ばしちゃいそうだけどね。
水の泡そのものは、離れていてもよく良く見えたらしいので安心した。
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