異世界に召喚されたオレだが、可哀そうだからゴブリンを殺せない

たけるん

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明日香との出会い

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――ヤバい。緊張してきた



 さっきまで沈んでいた気持ちは吹き飛んでいた。女子と上手くしゃべれるだろうか。八京もガルシアも顔が良いと言っていたので期待が高まっている。



「は~い」



 扉の向こうで可愛らしい声がした。



「八京です。召喚された子を連れてきたよ」



 八京がそう言うと『ガチャッ』とカギが外され扉が開いた。



「八京さんおそ~い、そんなに説明に時間が掛かったんですかぁ?」



 女性が顔を出しながら言った。

 金色の髪をポニーテールにしている。目が大きく顔立ちがはっきりしていて整っている。高校生だろうか? どこかあどけなさも残っている。確かに二人が言うように可愛い顔をしている。身長はナオキの目のあたりまであるのでおそらく165cmくらいだろう。白いセーターに黒のミニスカートから足元まで黒のストッキングと可愛さと大人っぽさを両立させている。



「いやぁ、ガルシアさんに挨拶に行ったら話し込んじゃって。遅くなって申し訳ない」



 頭を掻きながら八京は明日香に言った。



「彼が今日召喚された叢雲ナオキ君。ナオキ君、彼女が金剛明日香さん。さっき説明した通り10日前に召喚された娘だよ」

「よ、よろしく……」



こ、言葉が出てこない……何か気の利いたセリフを言わなきゃ……



「ふ~ん、女の子じゃないのかぁ、残念だけどまあいいわ。金剛明日香よ、よろしくね」



 素っ気なく明日香は手を差し出し握手を求めた。



え? 握手? 女の子の手を握るなんて暫く無かったぞ……



 初対面での女の子との握手で戸惑ってしまう。



「何? 嫌なの? それともアンタ緊張してんの?」

「べ、別に嫌って訳じゃないんだけど、いきなりだったから……」



 言われるがまま握手に応じた。握手をしておいて今更だが、自分の手汗が無性に気になった。



女の子に触れるなんていつぶりだろう……あぁ……あったかいし柔らかい。八京さんには悪いけど、男との握手とは段違いにいぃ……異世界も悪く無いかも……

 

「……ねぇちょっと、いつまで握ってるのよ。そろそろ離してよ。気持ち悪いんだけど」



 ハッとして手を離した。少し手を握りすぎた。



「ご、ごめん……」

「まぁいいわ。ナオキ年は? いくつなの?」



 いきなりの呼び捨てに少し戸惑う。さっきの握手といい他人との距離が近いようだ。



「17です」



 つい敬語になってしまう。相手がタメ口何だからこっちももっとフランクに話が出来ればと思う。



「なんだ私と一緒じゃない。年下だと思ったわ。ならお互い敬語なんか使わないで話さない? 私あんまり人に気を遣うのも使われるのも好きじゃないのよ。あと、私のことは明日香って呼んでいいからね」

「う、うん。わかった」



ズカズカと踏み込んでくる女だな。確かに顔は可愛いけど気が強そうだし少し苦手かも……



「ねえ八京さん。これからの予定は? 暫くは私とナオキは一緒に行動するんでしょ?」



 明日香が八京に尋ねた。



「そうだね。とりあえず明日香さんの言う通り、当分二人には一緒に行動してもらうことになるかな。あと、僕も教育係として一緒にいるけどね」

「は~い。先生、よろしくお願いしまーす。あと、私にさん付けやめてくださいよぉ」



 明日香が右手を挙げおどけて言った。明日香が召喚されてからの十日間で二人はかなり仲良くなっているようだった。



「ご、ごめんね。つい癖で……」



 八京は頭を掻きながら明日香に謝った。どうやら仲良く見えるのは明日香が八京に懐いているからのようだ。



「あ、そろそろお昼だね。ナオキ君、こっち世界の料理も悪くないよ」

「そうなんですか? そういえば少し腹が減ってきました」



 少しではない。本来なら朝食抜きで昼食の時間が近くなっているのだからペコペコだ。この世界の料理がどんなものか興味があった。



「え~。確かに味は悪くないけど、いつもパンとスープじゃ飽きちゃいますよ。たまにはご飯が食べたいなぁ」



 ふてくされた様に明日香は言った。それを聞いて八京は小さくハハハッと苦笑いをした。



「そうだね。正直僕もご飯が恋しいけど、この国には米が無いし、そこは我慢するしかないよ」



主食はパンか……嫌いじゃないけど、米が食べられないのは残念だなぁ。



「後もうちょっと味のレパートリーも増えないかしら。どの料理も似たような味付けなのよね」



 更に愚痴を言う明日香を『まぁまぁ』となだめ、八京が先導し歩き出した。

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