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第7話 キャシー視点
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あの日にナタリナから話を聞いて、一週間後ようやくマルクは動いた。
まずジュリアンと泥棒猫の結婚を解消させる為に、王宮の貴族院に一家揃って出向いた。
貴族院は婚約・婚姻の届け出を提出する為に窓口がある為、その窓口に行き、貴族院所属の執務官を呼び出す。
「……あの。すみませんがもう一度仰って頂けますか?」
「だから、ジュリアン・ブロワとその妻フルールを離婚させろと言ってるんだ!」
「ここは届け出された婚姻について認可して、その届け出通りに戸籍を処理部署です。婚姻の届け出は国王陛下も認可しています。あなたは陛下が認めた婚姻に異を唱えるんですか?」
婚姻は貴族のパワーバランスという側面からも陛下自ら認可している。
「それでも離婚について公爵閣下と争うならば、裁判にて決着をつけることになりますが、その場合、貴族院に正式な婚約の届け出が出されていないと裁判を起こすことすら出来ません」
そこまで説明した後、執務官は部下にジュリアンとキャシーの婚約とジュリアンとフルールの婚約の届け出を探させたが、フルールの分は見つかり、キャシーの分は当然のことながら見つからなかった。
「念の為に探してみましたが、公爵閣下とあなたのお嬢さんの婚約の届け出はありませんでした。逆に公爵閣下と奥様の分はありました。これ以上は此方で出来ることはありませんのでお引き取り下さい」
「書類がなくても離婚させることは出来ないのか? 私はマルク・ボナリーだ! この私の言うことが聞けないのか!?」
「出来ません。正式に婚約していて不義理を相手が働いたならともかく、なんの瑕疵もない婚姻を権力で離婚させることは強要罪という犯罪です。当然わかっていらっしゃるかと思いますが、離婚させることが出来ないからと言って、奥様を暗殺したりするのも牢屋行きですからね」
裁判は出来ないと言われ、権力をちらつかせるのもダメ。
最後に念押しされた暗殺という言葉がマルクの胸に強く残る。
(そうだ! 金で凄腕の暗殺者を雇ってフルールを消せばいい。流石に妻が死ねば、ジュリアンも後妻としてキャシーを娶ってくれるはず。よし、それで行く!)
貴族院から出て、しょんぼりしているキャシーに声をかける。
「キャシー、心配するな。儂が何とかしてやるから。ただ、準備に少し時間がかかるから待ってくれ」
「ありがとう、パパ」
次に一家は他の商会に圧力をかけることにしたが、上手くいかなかった。
此方はジュリアンに既に先手を打たれていたからだ。
マルクはさっさと行動に移せなかったのを悔やむ。
マルクは男爵家の入り婿になった弟に呼び出され、商人としての目線で教えてほしいことがあると呼び出されていた。
そこは子爵家から馬車で片道2日半かかる場所だった上に、前々からの約束だった為日付をずらせなかった。
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