【完結】旦那様の幼馴染が離婚しろと迫って来ましたが何故あなたの言いなりに離婚せねばなりませんの?

水月 潮

文字の大きさ
7 / 10

第7話 キャシー視点

しおりを挟む
 あの日にナタリナから話を聞いて、一週間後ようやくマルクは動いた。

 まずジュリアンと泥棒猫の結婚を解消させる為に、王宮の貴族院に一家揃って出向いた。

 貴族院は婚約・婚姻の届け出を提出する為に窓口がある為、その窓口に行き、貴族院所属の執務官を呼び出す。


「……あの。すみませんがもう一度仰って頂けますか?」

「だから、ジュリアン・ブロワとその妻フルールを離婚させろと言ってるんだ!」

「ここは届け出された婚姻について認可して、その届け出通りに戸籍を処理部署です。婚姻の届け出は国王陛下も認可しています。あなたは陛下が認めた婚姻に異を唱えるんですか?」

 婚姻は貴族のパワーバランスという側面からも陛下自ら認可している。

「それでも離婚について公爵閣下と争うならば、裁判にて決着をつけることになりますが、その場合、貴族院に正式な婚約の届け出が出されていないと裁判を起こすことすら出来ません」

  そこまで説明した後、執務官は部下にジュリアンとキャシーの婚約とジュリアンとフルールの婚約の届け出を探させたが、フルールの分は見つかり、キャシーの分は当然のことながら見つからなかった。

「念の為に探してみましたが、公爵閣下とあなたのお嬢さんの婚約の届け出はありませんでした。逆に公爵閣下と奥様の分はありました。これ以上は此方で出来ることはありませんのでお引き取り下さい」

「書類がなくても離婚させることは出来ないのか? 私はマルク・ボナリーだ! この私の言うことが聞けないのか!?」

「出来ません。正式に婚約していて不義理を相手が働いたならともかく、なんの瑕疵もない婚姻を権力で離婚させることは強要罪という犯罪です。当然わかっていらっしゃるかと思いますが、離婚させることが出来ないからと言って、奥様を暗殺したりするのも牢屋行きですからね」

 裁判は出来ないと言われ、権力をちらつかせるのもダメ。

 最後に念押しされた暗殺という言葉がマルクの胸に強く残る。

(そうだ! 金で凄腕の暗殺者を雇ってフルールを消せばいい。流石に妻が死ねば、ジュリアンも後妻としてキャシーを娶ってくれるはず。よし、それで行く!)


 貴族院から出て、しょんぼりしているキャシーに声をかける。

「キャシー、心配するな。儂が何とかしてやるから。ただ、準備に少し時間がかかるから待ってくれ」

「ありがとう、パパ」


 次に一家は他の商会に圧力をかけることにしたが、上手くいかなかった。

 此方はジュリアンに既に先手を打たれていたからだ。


 マルクはさっさと行動に移せなかったのを悔やむ。

 マルクは男爵家の入り婿になった弟に呼び出され、商人としての目線で教えてほしいことがあると呼び出されていた。

 そこは子爵家から馬車で片道2日半かかる場所だった上に、前々からの約束だった為日付をずらせなかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約者は王女殿下のほうがお好きなようなので、私はお手紙を書くことにしました。

豆狸
恋愛
「リュドミーラ嬢、お前との婚約解消するってよ」 なろう様でも公開中です。

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。

あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。 「君の為の時間は取れない」と。 それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。 そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。 旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。 あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。 そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。 ※35〜37話くらいで終わります。

初耳なのですが…、本当ですか?

あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た! でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。

〖完結〗愛人が離婚しろと乗り込んで来たのですが、私達はもう離婚していますよ?

藍川みいな
恋愛
「ライナス様と離婚して、とっととこの邸から出て行ってよっ!」 愛人が乗り込んで来たのは、これで何人目でしょう? 私はもう離婚していますし、この邸はお父様のものですから、決してライナス様のものにはなりません。 離婚の理由は、ライナス様が私を一度も抱くことがなかったからなのですが、不能だと思っていたライナス様は愛人を何人も作っていました。 そして親友だと思っていたマリーまで、ライナス様の愛人でした。 愛人を何人も作っていたくせに、やり直したいとか……頭がおかしいのですか? 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全8話で完結になります。

【完結】私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね

江崎美彩
恋愛
 王太子殿下の婚約者候補を探すために開かれていると噂されるお茶会に招待された、伯爵令嬢のミンディ・ハーミング。  幼馴染のブライアンが好きなのに、当のブライアンは「ミンディみたいなじゃじゃ馬がお茶会に出ても恥をかくだけだ」なんて揶揄うばかり。 「私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね! 王太子殿下に見染められても知らないんだから!」  ミンディはブライアンに告げ、お茶会に向かう…… 〜登場人物〜 ミンディ・ハーミング 元気が取り柄の伯爵令嬢。 幼馴染のブライアンに揶揄われてばかりだが、ブライアンが自分にだけ向けるクシャクシャな笑顔が大好き。 ブライアン・ケイリー ミンディの幼馴染の伯爵家嫡男。 天邪鬼な性格で、ミンディの事を揶揄ってばかりいる。 ベリンダ・ケイリー ブライアンの年子の妹。 ミンディとブライアンの良き理解者。 王太子殿下 婚約者が決まらない事に対して色々な噂を立てられている。 『小説家になろう』にも投稿しています

やめてくれないか?ですって?それは私のセリフです。

あおくん
恋愛
公爵令嬢のエリザベートはとても優秀な女性だった。 そして彼女の婚約者も真面目な性格の王子だった。だけど王子の初めての恋に2人の関係は崩れ去る。 貴族意識高めの主人公による、詰問ストーリーです。 設定に関しては、ゆるゆる設定でふわっと進みます。 ※こちらの作品について、Kindleさんに投稿させていただきました。 アルファポリスさんではエリザベートと王子の視点で書いていますが、Kindleでは大きく書き直しています。(内容的には同じです) あと表紙も頑張りました(笑)← もしKindle Unlimitedに登録している方、また興味がある方がいらっしゃいましたら読んでみていただけると嬉しいです。

「義妹に譲れ」と言われたので、公爵家で幸せになります

恋せよ恋
恋愛
「しっかり者の姉なら、婚約者を妹に譲ってあげなさい」 「そうだよ、バネッサ。君なら、わかるだろう」 十五歳の冬。父と婚約者パトリックから放たれた無慈悲な言葉。 再婚相手の連れ子・ナタリアの図々しさに耐えてきたバネッサは、 その瞬間に決意した。 「ええ、喜んで差し上げますわ」 将来性のない男も、私を軽んじる家族も、もういらない。 跡継ぎの重責から解放されたバネッサは、その類まれなる知性を見込まれ、 王国の重鎮・ヴィンセント公爵家へ嫁ぐことに。 「私は、私を一番に愛してくれる場所で幸せになります!」 聡明すぎる令嬢による、自立と逆転のハッピーエンド。 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

王太子殿下に婚約者がいるのはご存知ですか?

通木遼平
恋愛
フォルトマジア王国の王立学院で卒業を祝う夜会に、マレクは卒業する姉のエスコートのため参加をしていた。そこに来賓であるはずの王太子が平民の卒業生をエスコートして現れた。 王太子には婚約者がいるにも関わらず、彼の在学時から二人の関係は噂されていた。 周囲のざわめきをよそに何事もなく夜会をはじめようとする王太子の前に数名の令嬢たちが進み出て――。 ※以前他のサイトで掲載していた作品です

処理中です...