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第4話
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パーティーはシャンタル公爵家のパーティー用のホールにて開かれた。
ホール内はシャンデリアが煌々と輝き、楽団による優雅な音楽が流れ、招待客はウェルカムドリンクであるシャンパンを片手に各々付き合いのある者同士で集まって近況を語ったり、新しく仕入れた情報を話したりしている。
本日のパーティーは立食式なので、料理は後で提供されることになっている。
招待客は国内全ての公爵家と侯爵家、一部の伯爵家と子爵家である。
さらに今回は公爵家の次期当主お披露目ということで、特別に国王陛下夫妻も招待されているが、あくまでお忍びでの参加であり、必要以上に目立たないようひっそりと参加されている。
伯爵家と子爵家に関しては、公爵家の親戚が主である。
ただし、親戚というだけで無条件に参加出来る訳ではなく、過去に問題行動を起こしたり、評判が悪い者は招待されていない。
問題のある者を招待していたら、主催者として後始末に追われる可能性がある上に、せっかく来てくれた他の招待客から顰蹙を買うからだ。
次期公爵家当主になるとは言え、まだルシア1人では何から何までこなすことは出来ない為、今日のパーティーは前当主の妹であるミレイユが主として動いていた。
ルシアはミレイユのお手伝いという形で、パーティー主催のための手順をミレイユから実践的に教わった。
開催時刻になり、サミュエルにエスコートされたミレイユがステージに立ち、招待客に挨拶をする。
「皆様、本日は当家の為にお集まり頂きまして誠にありがとうございます。先日、私の姉であり、このシャンタル公爵家の当主であったジゼルが亡くなりました。そろそろ喪が明けたと判断し、本日、皆様に次期シャンタル公爵家当主を紹介したく思います。ルシア、前へ」
ルシアはミレイユの言葉に「はい」と返事をし、ステージへ向かおうとした直後。
閉じていたホールの入り口の扉がバーンと大きな音を立てて乱暴に開かれ、4人がズカズカと入場してきた。
4人の内、中年の男女はルシアの知らない人物だったが、残りの若者の男女はルシアが知っている人物だ。
若者の男女はイアンとファニーだった。
けれど、何故この場にいるのかわからなくてルシアは困惑した。
中年の女性とファニーは派手なメイクで、この場に全くそぐわない胸元が丸見えで品のない派手で真っ赤なドレスを着ている。
まるで下品な娼婦が紛れ込んでいるかのようである。
「今から次期公爵家当主の発表だろ? それはこの私、トニー・カルマだ!! 当主になるから正しく言うとトニー・シャンタルだが」
「私は公爵夫人のバルバラよ!!」
「お父様とお母様が公爵と公爵夫人だから娘の私は公爵家令嬢のファニー!! こんなに可愛くて公爵家令嬢の私はモテモテだけど、残念ながらもう婚約者はいるのよ! この方が婚約者のイアン・バルデ様」
3人が3人とも大声で身分詐称の馬鹿丸出しの自己紹介をした。
ファニーに至っては、イアンの右腕をぎゅっと掴みつつ、明らかにルシアの方を見て勝ち誇ったかのような笑みを向けてきた。
イアンはファニーに腕に抱きつかれ、ニヤニヤと鼻の下を伸ばしている。
(そんな顔を向けられても悔しくもなんともないわ。その笑みがいつまで続くかしらね? それとイアン様がこの前言っていた”ファニー様が公爵家令嬢になる”というのはこのことね。でも、残念。あなたが公爵家令嬢になることはないわ)
この馬鹿みたいな自己紹介でルシアはあることを思い出した。
――乱入してきたカルマ男爵家のご一行は、ジゼルの夫・アレクシスの兄夫婦家族であることを。
――そして親戚と呼べる範囲内にも関わらず、ミレイユが”招待しないリスト”の中に真っ先に名前を書き込んだことを。
つまり、招かれざる客が来たということだ。
ホール内はシャンデリアが煌々と輝き、楽団による優雅な音楽が流れ、招待客はウェルカムドリンクであるシャンパンを片手に各々付き合いのある者同士で集まって近況を語ったり、新しく仕入れた情報を話したりしている。
本日のパーティーは立食式なので、料理は後で提供されることになっている。
招待客は国内全ての公爵家と侯爵家、一部の伯爵家と子爵家である。
さらに今回は公爵家の次期当主お披露目ということで、特別に国王陛下夫妻も招待されているが、あくまでお忍びでの参加であり、必要以上に目立たないようひっそりと参加されている。
伯爵家と子爵家に関しては、公爵家の親戚が主である。
ただし、親戚というだけで無条件に参加出来る訳ではなく、過去に問題行動を起こしたり、評判が悪い者は招待されていない。
問題のある者を招待していたら、主催者として後始末に追われる可能性がある上に、せっかく来てくれた他の招待客から顰蹙を買うからだ。
次期公爵家当主になるとは言え、まだルシア1人では何から何までこなすことは出来ない為、今日のパーティーは前当主の妹であるミレイユが主として動いていた。
ルシアはミレイユのお手伝いという形で、パーティー主催のための手順をミレイユから実践的に教わった。
開催時刻になり、サミュエルにエスコートされたミレイユがステージに立ち、招待客に挨拶をする。
「皆様、本日は当家の為にお集まり頂きまして誠にありがとうございます。先日、私の姉であり、このシャンタル公爵家の当主であったジゼルが亡くなりました。そろそろ喪が明けたと判断し、本日、皆様に次期シャンタル公爵家当主を紹介したく思います。ルシア、前へ」
ルシアはミレイユの言葉に「はい」と返事をし、ステージへ向かおうとした直後。
閉じていたホールの入り口の扉がバーンと大きな音を立てて乱暴に開かれ、4人がズカズカと入場してきた。
4人の内、中年の男女はルシアの知らない人物だったが、残りの若者の男女はルシアが知っている人物だ。
若者の男女はイアンとファニーだった。
けれど、何故この場にいるのかわからなくてルシアは困惑した。
中年の女性とファニーは派手なメイクで、この場に全くそぐわない胸元が丸見えで品のない派手で真っ赤なドレスを着ている。
まるで下品な娼婦が紛れ込んでいるかのようである。
「今から次期公爵家当主の発表だろ? それはこの私、トニー・カルマだ!! 当主になるから正しく言うとトニー・シャンタルだが」
「私は公爵夫人のバルバラよ!!」
「お父様とお母様が公爵と公爵夫人だから娘の私は公爵家令嬢のファニー!! こんなに可愛くて公爵家令嬢の私はモテモテだけど、残念ながらもう婚約者はいるのよ! この方が婚約者のイアン・バルデ様」
3人が3人とも大声で身分詐称の馬鹿丸出しの自己紹介をした。
ファニーに至っては、イアンの右腕をぎゅっと掴みつつ、明らかにルシアの方を見て勝ち誇ったかのような笑みを向けてきた。
イアンはファニーに腕に抱きつかれ、ニヤニヤと鼻の下を伸ばしている。
(そんな顔を向けられても悔しくもなんともないわ。その笑みがいつまで続くかしらね? それとイアン様がこの前言っていた”ファニー様が公爵家令嬢になる”というのはこのことね。でも、残念。あなたが公爵家令嬢になることはないわ)
この馬鹿みたいな自己紹介でルシアはあることを思い出した。
――乱入してきたカルマ男爵家のご一行は、ジゼルの夫・アレクシスの兄夫婦家族であることを。
――そして親戚と呼べる範囲内にも関わらず、ミレイユが”招待しないリスト”の中に真っ先に名前を書き込んだことを。
つまり、招かれざる客が来たということだ。
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