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冒険者~極秘任務~
ギルドマスター?
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ガイがちょっと殺気を出しただけで動けなくなった集団の中で、唯一動けた少女が、ガイに何かを投げつける。
それを難なくキャッチしたガイはギルドマスターと名乗る少女を少し見直した。
自分の殺気を受け、手足は生まれたての小鹿のように震え、涙と鼻水で顔がグチャグチャになってはいたが、それでも動けていたのだから。
少女を一瞥した後、キャッチした物を見ると、それはギルドカードだった。
「わ、わたちっ……わたしは!この先にある町、プリジオーネの冒険者ギルドマスター、エラだ!」
「ギルドマスター?…Dランクでか?」
「ぐっ…う、うるさい!あんたこそ誰よ!」
「口調変わってるぞ?…ほらよ」
ガイは呆れながら、自分のギルドカードをエラに向かって放おった。
まだ震えている手で何とか落とさずにすんだギルドカードを見たエラは更にブルブル震えだした。
「嘘…Aランク…こいつが?…嘘っ……」
「失礼な奴だな」
「じゃあ…じゃあ本当にAランクなの?」
「それ見りゃ分かるっ…」
「だったら助けて!」
「おい!」
行きなりガイに飛び付いたエラは、泣きながら彼の服にしがみつく。
「おい放せ!」
「お願い!みんなを助けて!」
「は?取り合えず放せって!」
「お父さんを助けて!」
「いい加減にっ…」
「ガイ、待って」
「……フェリ」
訳の分からないことを言いながら、しがみつくエラを振りほどこうとしたガイだったが、いつの間にか近くにいたフェリーチェに止められ腕を下ろした。
エラを何とか落ち着かせガイから引き離したあと、話を聞くため馬車から少し離れた場所に移動した。
集まったのはフェリーチェたちとエラ、それとガイと対峙していた、Dランク冒険者のとトンマという男だ。
「まずは自己紹介だな。俺はAランクパーティー『黒の幸い』リーダー、Aランクのガイだ」
「『黒の幸い』メンバー、Cランクのアルベルトだよ」
「『黒の幸い』メンバー、Cランクのフェリーチェです」
「「Cランク!?」」
「あと、俺の獣魔ヴィルヘルムとゾーイだ」
「ひれ伏せ人っゲボッ!?」
「……ぐるぅ」
ご主人様に紹介され、普通に言葉を発したヴィルヘルムの顔を尻尾で叩いたゾーイは、何事も無かったかのようにペコリと頭を下げる。
エラとトンマは、人間染みた動きをした小さなドラゴンと、フェリーチェの膝に登りキュンキュン泣いて慰められている狼型の魔獣を交互に見た。
「「今しゃべって…」」
「気のせいだ」
「でも確かに」
「言葉を話せる魔獣なんて聞いたことないぜ」
「気のせいだ」
「「あ、はい」」
ガイの威圧により、二人は先程のできごとを記憶から抹消することにした。
それを難なくキャッチしたガイはギルドマスターと名乗る少女を少し見直した。
自分の殺気を受け、手足は生まれたての小鹿のように震え、涙と鼻水で顔がグチャグチャになってはいたが、それでも動けていたのだから。
少女を一瞥した後、キャッチした物を見ると、それはギルドカードだった。
「わ、わたちっ……わたしは!この先にある町、プリジオーネの冒険者ギルドマスター、エラだ!」
「ギルドマスター?…Dランクでか?」
「ぐっ…う、うるさい!あんたこそ誰よ!」
「口調変わってるぞ?…ほらよ」
ガイは呆れながら、自分のギルドカードをエラに向かって放おった。
まだ震えている手で何とか落とさずにすんだギルドカードを見たエラは更にブルブル震えだした。
「嘘…Aランク…こいつが?…嘘っ……」
「失礼な奴だな」
「じゃあ…じゃあ本当にAランクなの?」
「それ見りゃ分かるっ…」
「だったら助けて!」
「おい!」
行きなりガイに飛び付いたエラは、泣きながら彼の服にしがみつく。
「おい放せ!」
「お願い!みんなを助けて!」
「は?取り合えず放せって!」
「お父さんを助けて!」
「いい加減にっ…」
「ガイ、待って」
「……フェリ」
訳の分からないことを言いながら、しがみつくエラを振りほどこうとしたガイだったが、いつの間にか近くにいたフェリーチェに止められ腕を下ろした。
エラを何とか落ち着かせガイから引き離したあと、話を聞くため馬車から少し離れた場所に移動した。
集まったのはフェリーチェたちとエラ、それとガイと対峙していた、Dランク冒険者のとトンマという男だ。
「まずは自己紹介だな。俺はAランクパーティー『黒の幸い』リーダー、Aランクのガイだ」
「『黒の幸い』メンバー、Cランクのアルベルトだよ」
「『黒の幸い』メンバー、Cランクのフェリーチェです」
「「Cランク!?」」
「あと、俺の獣魔ヴィルヘルムとゾーイだ」
「ひれ伏せ人っゲボッ!?」
「……ぐるぅ」
ご主人様に紹介され、普通に言葉を発したヴィルヘルムの顔を尻尾で叩いたゾーイは、何事も無かったかのようにペコリと頭を下げる。
エラとトンマは、人間染みた動きをした小さなドラゴンと、フェリーチェの膝に登りキュンキュン泣いて慰められている狼型の魔獣を交互に見た。
「「今しゃべって…」」
「気のせいだ」
「でも確かに」
「言葉を話せる魔獣なんて聞いたことないぜ」
「気のせいだ」
「「あ、はい」」
ガイの威圧により、二人は先程のできごとを記憶から抹消することにした。
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