2 / 7
第2話 希望の存在
しおりを挟む
私は学校でも自由に話すことができない。なぜなら、親が父親が高校の教師で私のことを監視しているからだ。家でも学校でも自由がないならいっそのこと家に引きこもった方が楽なのだろう。
だが、そうしないのにももちろん理由がある。学校には彼がいるからだ。
男子生徒:
「おはよ、天乃。」
天乃:
「おはよう、輝(てる)。」
彼は同じ高校に通っている幼馴染の先導輝明(せんどうてるあき)。物心ついたときから一緒にいて隣の家に住んでいる男の子で私の境遇も知っている。そして、両親が唯一学校で私と話すことを許している男の子でもある。
私は輝と他愛もない話をしながら学校へ向かった。
男子生徒:
「おはよう輝。今日も相変わらずお姫さんの護衛か?」
学校に着くと輝の友達の早川冬馬(はやかわとうま)君が茶化しながら声をかけてきた。
輝明:
「おはよう冬馬。そんなんじゃねぇよ。家が近いから一緒に登校してるだけ。」
冬馬:
「そうでした。お姫さんもおはよう。」
私は軽い会釈だけした。輝以外の人と話しているところをどこでお父さんが見ているかわからないからだ。
冬馬:
「じゃあ俺、職員室に行ってから教室に行くわ。」
輝明:
「おう。」
早川君は大きく手を振りながら走っていった。
輝明:
「朝から元気なやつだな。」
天乃:
「もうすぐ、県大会があるから気合が入ってるんじゃない。」
輝明:
「そうだったな。俺らも教室に行こうか。ここにいたら汗がびっしょりだ。」
天乃:
「そうね。行きましょうか。」
私たちはクーラーの効いた教室へと向かった。教室にはほとんどのクラスメイトが来ており、それぞれのグループでだべっていた。
男子生徒:
「おっ輝にお姫さんおはよう。」
輝明:
「おはよう。」
女子生徒:
「姫ちゃん、先導君おはよう。」
輝明:
「おはよう。」
私はクラスのみんなから『姫』と呼ばれている。気になって輝に理由を聞いてもらったら『いつも輝の近くにいて守られているみたいだから』らしい。
男子生徒:
「輝明~数学の宿題見せてくれよ。おまえだけが頼りなんだよ。」
輝明:
「自分でやれよ。数学4限だろ。手伝ってやるから。」
男子生徒:
「ありがとう輝明様。」
輝明:
「あとでコーヒー奢れよ。」
そうこうしているうちにチャイムが鳴り、ホームルームの時間になった。私はここからほとんど言葉を発しない。クラスメイトとのコミュニケーションも軽い会釈や微笑みなどのリアクションだけにとどめる。普通、私のような人がクラスメイトがいたら無視するかいじめが起きてもおかしくないはずだ。実際に中学時代はほとんどの人に話しかけられたことがなかった。
高校でそれが起きてないのも輝のおかげだ。輝がクラスのみんなに私の事情を説明してくれてみんなが理解してくれたから何とかやっていけている。でも、全員が理解を示してくれたわけではない。輝みたいな人が人気がないわけがなく、輝に思いを寄せている子には妬まれている。
それでも私は学校に行く。将来後悔しないようにするためもあるが、何より学校に行けば輝に会えるからだ。こんな幸せとは程遠い生活の中での生きる理由であり拠り所だから。
輝明:
「天乃。次、移動教室だから行こうぜ。」
天乃:
「うん。」
だが、そうしないのにももちろん理由がある。学校には彼がいるからだ。
男子生徒:
「おはよ、天乃。」
天乃:
「おはよう、輝(てる)。」
彼は同じ高校に通っている幼馴染の先導輝明(せんどうてるあき)。物心ついたときから一緒にいて隣の家に住んでいる男の子で私の境遇も知っている。そして、両親が唯一学校で私と話すことを許している男の子でもある。
私は輝と他愛もない話をしながら学校へ向かった。
男子生徒:
「おはよう輝。今日も相変わらずお姫さんの護衛か?」
学校に着くと輝の友達の早川冬馬(はやかわとうま)君が茶化しながら声をかけてきた。
輝明:
「おはよう冬馬。そんなんじゃねぇよ。家が近いから一緒に登校してるだけ。」
冬馬:
「そうでした。お姫さんもおはよう。」
私は軽い会釈だけした。輝以外の人と話しているところをどこでお父さんが見ているかわからないからだ。
冬馬:
「じゃあ俺、職員室に行ってから教室に行くわ。」
輝明:
「おう。」
早川君は大きく手を振りながら走っていった。
輝明:
「朝から元気なやつだな。」
天乃:
「もうすぐ、県大会があるから気合が入ってるんじゃない。」
輝明:
「そうだったな。俺らも教室に行こうか。ここにいたら汗がびっしょりだ。」
天乃:
「そうね。行きましょうか。」
私たちはクーラーの効いた教室へと向かった。教室にはほとんどのクラスメイトが来ており、それぞれのグループでだべっていた。
男子生徒:
「おっ輝にお姫さんおはよう。」
輝明:
「おはよう。」
女子生徒:
「姫ちゃん、先導君おはよう。」
輝明:
「おはよう。」
私はクラスのみんなから『姫』と呼ばれている。気になって輝に理由を聞いてもらったら『いつも輝の近くにいて守られているみたいだから』らしい。
男子生徒:
「輝明~数学の宿題見せてくれよ。おまえだけが頼りなんだよ。」
輝明:
「自分でやれよ。数学4限だろ。手伝ってやるから。」
男子生徒:
「ありがとう輝明様。」
輝明:
「あとでコーヒー奢れよ。」
そうこうしているうちにチャイムが鳴り、ホームルームの時間になった。私はここからほとんど言葉を発しない。クラスメイトとのコミュニケーションも軽い会釈や微笑みなどのリアクションだけにとどめる。普通、私のような人がクラスメイトがいたら無視するかいじめが起きてもおかしくないはずだ。実際に中学時代はほとんどの人に話しかけられたことがなかった。
高校でそれが起きてないのも輝のおかげだ。輝がクラスのみんなに私の事情を説明してくれてみんなが理解してくれたから何とかやっていけている。でも、全員が理解を示してくれたわけではない。輝みたいな人が人気がないわけがなく、輝に思いを寄せている子には妬まれている。
それでも私は学校に行く。将来後悔しないようにするためもあるが、何より学校に行けば輝に会えるからだ。こんな幸せとは程遠い生活の中での生きる理由であり拠り所だから。
輝明:
「天乃。次、移動教室だから行こうぜ。」
天乃:
「うん。」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】小さなマリーは僕の物
miniko
恋愛
マリーは小柄で胸元も寂しい自分の容姿にコンプレックスを抱いていた。
彼女の子供の頃からの婚約者は、容姿端麗、性格も良く、とても大事にしてくれる完璧な人。
しかし、周囲からの圧力もあり、自分は彼に不釣り合いだと感じて、婚約解消を目指す。
※マリー視点とアラン視点、同じ内容を交互に書く予定です。(最終話はマリー視点のみ)
我慢しないことにした結果
宝月 蓮
恋愛
メアリー、ワイアット、クレアは幼馴染。いつも三人で過ごすことが多い。しかしクレアがわがままを言うせいで、いつもメアリーは我慢を強いられていた。更に、メアリーはワイアットに好意を寄せていたが色々なことが重なりワイアットはわがままなクレアと婚約することになってしまう。失意の中、欲望に忠実なクレアの更なるわがままで追い詰められていくメアリー。そんなメアリーを救ったのは、兄達の友人であるアレクサンダー。アレクサンダーはメアリーに、もう我慢しなくて良い、思いの全てを吐き出してごらんと優しく包み込んでくれた。メアリーはそんなアレクサンダーに惹かれていく。
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
花言葉は「私のものになって」
岬 空弥
恋愛
(婚約者様との会話など必要ありません。)
そうして今日もまた、見目麗しい婚約者様を前に、まるで人形のように微笑み、私は自分の世界に入ってゆくのでした。
その理由は、彼が私を利用して、私の姉を狙っているからなのです。
美しい姉を持つ思い込みの激しいユニーナと、少し考えの足りない美男子アレイドの拗れた恋愛。
青春ならではのちょっぴり恥ずかしい二人の言動を「気持ち悪い!」と吐き捨てる姉の婚約者にもご注目ください。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
俺の可愛い幼馴染
SHIN
恋愛
俺に微笑みかける少女の後ろで、泣きそうな顔でこちらを見ているのは、可愛い可愛い幼馴染。
ある日二人だけの秘密の場所で彼女に告げられたのは……。
連載の気分転換に執筆しているので鈍いです。おおらかな気分で読んでくれると嬉しいです。
感想もご自由にどうぞ。
ただし、作者は木綿豆腐メンタルです。
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる