プリンセス・ロンド 運命の兄王と妹姫

月森あいら

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◆◇第十八章 始まり◇◆

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 マインラードの国は、哀しみに包まれた。半期が掲げられ、宮廷の者たちは白い服を着た。それが、哀悼の意を表す色だった。
 クレアは、白い衣装に身を包み、殯の宮へ足を運んだ。付き従う侍女たちも一様に白い衣をまとい、うつむいてクレアの周りを囲む。
 殯は、一月と定められた。歴代の王の中では、長いほうでも短いほうでもなかった。その間、遺体は棺の中に収められ、親族の祈りを受けて魂が天に召されるのを待つ。そして、一月後に亡骸は荼毘に付される。亡くなった王妃の眠る墓に、ともに葬られることになっていた。
「姫さま、行ってらっしゃいませ」
 殯のためにしつらえられた神殿の前で、侍女たちが頭をさげた。この中に入ることができるのは、亡くなった王の血縁者、そして選ばれた神官たちだけ。その者たちだけで祈りを捧げ、王の魂を天に送るのだ。
「お気を付けて」
 第一王女が嫁いだ今、家刀自としての役目を負うのはクレアだった。クレアは、一ヶ月間、神殿から出ることは許されない。彼女の世話は、共に篭る神官が受け持った。
「行ってきます」
 侍女たちに別れを告げ、クレアは神殿に足を踏み入れる。待っていたのは濃い色の髪をした女性の神官で、黙ったままクレアを中にいざなった。
「姫のお勤めは、王の魂が何憂うことなく、神のもとに召されるよう、お話をして差し上げることです」
 クレアは神妙にうなずいた。
「殯の間の姫のお部屋はこちらです」
 神殿の奥の、小さな部屋に案内された。神事の度に使うその部屋は、目新しい場所ではなかったが、一面に白い布で覆われ、そのような飾りつけは今まで見たことはなかった。
「一月の間、ここをお使いになりますように」
 若い神官は、淡々と事務的な話し方をした。それは、神官としては信頼のおけるものだったが、ここに一月、親しい者もなく過ごすクレアには不安を覚えさせるものだった。
「お召し替えになりましたら、神殿の方までおいでください」
 それだけを言い残し、彼女はさっさと立ち去った。神殿では、大きな声を出すことも許されないのだ。そんな習慣が彼女から愛想を奪い去ってしまったのだろうと、クレアはひそかにため息をついた。
 用意された衣装に腕を通す。ここでは、着替えを手伝ってくれる侍女の手もない。慣れない作業に戸惑い、クレアが部屋を出たのは、それから半刻ほども経ってからだった。
「……」
 神殿にいたのは、セラフィスだった。両手を組み、目を閉じて、頭を垂れている。その姿はあまりに真摯で、クレアは声をかけるのを憚り、しばらくそこに立ち尽くした。
「クレア」
 セラフィスの微笑みが見えた。
「ご苦労だね、病み上がりで、大丈夫なのか」
「大丈夫です」
 彼を心配させないように、クレアはにっこりと笑みを作った。
「大切なお役目ですもの、頑張りますわ」
「頼むよ」
 セラフィスは立ち上がり、クレアに手を差し出した。
「おいで」
 それを取ると、セラフィスは段になった一番上、棺の置かれたその場所にクレアをいざなった。
「見てごらん」
 セラフィスが手を伸ばし、棺の蓋をそっとずらす。その中には、両手を胸の上で組んだ父の姿があった。
「ゆっくり、父上の姿を見られるなんてことは、今までなかったのではないか?」
 皮肉な様子で、セラフィスは小さく微笑みを作った。
「お前が生まれてからは、特にお忙しくていらしたから。お前は、ほとんどお会いしたこともないようだったが」
「ええ……」
 クレアは、そっと冷たくなった父の頬に指を伸ばした。血の通わないその冷たさは、クレアをぞっとさせる。
「父上が、あまりお前をお側に寄せなかったのは、どういうことか知っているか?」
 セラフィスはクレアの肩を抱き寄せた。その、ためらいのない行動にクレアの方が驚きながら、それでもそれに身を任せた。
「お前が、母上に似ているからだそうだ」
 クレアは顔を上げた。
「お前が、母上に似ているから。あまり会いたくなかったと」
「……」
 クレアは複雑な表情をして、セラフィスと父を交互に見た。
「思い出をかき立てられるのが嫌でいらしたらしい。そういうことは、一言もおっしゃらなかったが」
 セラフィスは言葉を切った。そして、もう一度、セラフィスが再び唇に言葉を乗せるまで、クレアは黙っていた。
「やっと、その母上に会うことがおできになったのだ。父上も、お喜びだろう」
 棺に視線を映して、セラフィスはつぶやいた。
「私、お母様に似ています?」
 クレアに、母の記憶はなかった。母はクレアがごく幼いころに他界していたし、それ以前から病がちでほとんどクレアと会うこともなかった。
「いや」
 セラフィスは即座にそう言った。
「似ていないよ」
 クレアは首をかしげた。
「そう……?」
「ああ」
 セラフィスは、クレアの肩を抱き寄せたまま、言った。
「誰にも似ていないよ、お前は。クレアは、誰にも似ていない」
 回った手にぐいと力が込められた。クレアが驚いて振り向くと、そのまま唇にセラフィスのそれが重ねられた。
「お前は、誰にも似ていない、私だけの姫だ」
「……、ぁ……」
 目の前の父の亡骸を気にしているのはクレアだけだった。セラフィスの手がクレアの頬を愛撫し、唇を重ね、そして目を細めてクレアを見た。
「ずっと、私だけのものでいてくれ」
「……はい」
 消え入りそうな声で、それでもクレアは言った。
「私、決めたんです。何があってももう逃げません。お兄様のお側からは離れません」
 セラフィスの顔をまっすぐ見上げて、クレアは言った。
「一番恐ろしいことが何なのか、わかりましたから」
 セラフィスの腕が緩み、そしてそれはクレアの手をつかんだ。その手が、クレアの頬に当てられた。
「ずっと、お側に、置いてください」
 セラフィスの頬に両手で触れて、クレアは目を閉じた。この一言を言えるまで、何故こんなに時間がかかったのだろう。クレアはゆっくりと、その体をセラフィスに預けた。



 こうなることを、望んでいたような気がする。それは、きっと、遠い昔から。男と女の区別さえわかっていなかった幼い日から。ただ、この世界には兄と自分がいて。そして、その間には何もなかったころから。
「あ……」
 小さく上がる声に、セラフィスの指が絡まってきた。
「……怖い?」
 自分を組み敷いて、離さない体。降ってくる髪が、頬をくすぐる。
「大丈夫、です」
 気丈にうなずいてみたものの、クレアは、いったいどういうことが始まるのか本当のところなにも知ってはいない。頭だけの知識なら、ないわけではなかった。聞きかじった侍女の話、漠然とした家庭教師の教え。それらを繋ぎあわせて、想像力で巧みに磨き上げたとしても、今から起こることに不安を抱かずにいられるほどにクレアを慰めるものにはならなかった。
 くちづけが降る。それは、今まで受けた中でももっとも深いもので、息を奪われかけてクレアは呼吸に詰まった。
「緊張しなくていい」
 セラフィスは笑った。
「ほら、普通に息を吸って」
 クレアの背に手を這わせ、子供をあやすようになでさする。
「すべて、私に任せるがいい。お前は、何も心配しなくていいから」
 深く息を吸って、また吐いて、クレアの呼吸が落ち着いたのを見て、セラフィスの手がそっとその胸に這った。白い、部屋を彩るのと同じ白さの衣装の留め金を外す。クレアは固く瞳を閉じて、そのただならぬ行為に耐えようとした。
 瞼の上に、唇が落ちる。それがクレアを弛緩させた。
「待ってたよ、今を」
 独り言のようにセラフィスが言った。
「こうやって、クレアに触れられる日を」
 衣装の中にセラフィスの手が滑り込んだ。その中でひそやかに息づくふたつの膨らみに触れられて、クレアの背中がしなる。
 それをなだめるように手のひらが肌を行き来する。しかし、それはクレアを落ち着かせる役目を果たしはしない。それどころか、ますます彼女の息を乱れさせる。
「ずっと、こうしたかった」
 耳に直接入り込んでくるささやきが、クレアの肩を波打たせた。するりと衣装をはぎ取られ、その下には、太陽の光を浴びたこともない真っ白な肩が現れた。
「きれいだ」
 言って、そこにくちづけられる。そのくちづけはそこかしこにちりばめられる。
 身を捩って抵抗しても、それがやむことはない。彼女の抵抗が効をなすことはなかった。
「やぁ、お、兄様……」
 かすれる声でそう言った時、すっと唇が離れ、セラフィスの顔が間近に迫った。
「お兄様、じゃない」
 クレアの唇の上に指を置いて、セラフィスはささやいた。
「名前で」
 曇ったような視線の向こう、かすんだ彼の声がした。
「……セラフィス……」
 ささやいた声に、セラフィスの声が重なる。
「セフィ、だ……」
 それは、誰にも呼ぶことを許さない愛称だった。遠い日、幼い彼をそう呼ぶ者もあっただろう。無邪気な幼い日を呼び起こす、他愛のない愛称。それを、セラフィスはクレアに口にさせた。
「呼べるか。セフィ、だ」
「セ、フィ、っ……」
 ひときわ高い声が上がる。クレアは、唇を震わせて初めて口にするその名を噛みしめる。
「駄目っ……」
 クレアは腕で自分の目を覆って、慣れないその羞恥に耐えた。
「そんな……!」
「嫌、なのか?」
 セラフィスは顔を上げてそう尋ねる。クレアは、それに声を奪われ、そして小さくつぶやいた。
「いいえ」
 自分でも触れたことのないような部分にセラフィスの指が這う。その未知の刺激とあられもなさにクレアは身の縮む思いだった。
「夢、みたいだね」
 セラフィスは自虐を込めた声で言った。
「クレアを、こうやって腕に抱くときが来るなんて」
 セラフィスに触れられている部分が熱く潤うのがわかる。そして、体をしびれのような、得体の知れない電流が走る。
「私、何だか変なの……」
 クレアは浅い呼吸を吐きながら言う。
「何だか……」
 頬を染めてそう訴えるクレアにセラフィスは微笑みかけた。
「それは、クレアが私を愛してくれている証だよ」
 耳慣れない音を立てながら、何かがクレアの下肢に滑り込んだ。悲鳴が上がり、それにセラフィスのささやきが重なる。
「もっと、私を愛してくれ」
 心なしか、セラフィスの声が上ずっているのにクレアは遠くで気がついた。
「もっと、愛して、感じてくれ……」
 荒い息が絡む。
「愛して、います……」
 セラフィスの抱擁の向こう、触れ合う素肌が、涙を誘うほどの優しさを伝えてくる。
 たとえ、煉獄に落ちようとも。
 これが、求めていた温もりであるということを知る。こうやって、触れ合って、抱きしめあって。お互いを感じてくちづけをして。その間に立ちはだかるしがらみをすべて捨て去って、この姿が自分の探していたものなのだということを、クレアは確信した。
「愛しいます、セフィ」
 クレアははっきりと言った。
「これからも、この先も、ずっと」
「私もだよ」
 体の奥を引き裂くような音がした。入り込んでくる何かが、痛みを伴った。異物感がクレアをさいなみ、そして声を限りに上げたクレアの悲鳴は、音にはならずにくうに消えた。
 セラフィスの肩にクレアの爪が食い込んだ。それに、セラフィスは眉を顰めたものの、クレアの体を浸食する行為を止めようとはしない。クレアが首を振って、唇を噛んで、激痛に耐えた。
「ク、レア……」
 痛みを和らげようとするように、セラフィスが名をささやきかた。しかし、それはクレアの破瓜の痛みを拭い去りはせず、ただ、試練のようなそれにクレアはひたすら耐えた。
 それすらも、甘美だと思えるのは何故だろう。
 このような痛みにさいなまれていても、クレアは自分が幸福だということをはっきりと知っていた。この、身を責める疼きさえもがその入り口だと。探していた答えが、ここにある。
「セ、フィ……っ!」
 宙に手を伸ばし、クレアは助けを求めるようにその名を叫んだ。その手に、指が絡められる。力強く、逃がさないとでも言うように握られたそれに、クレアは痛みを越える安堵を覚えた。
「ここにいるよ」
 その声は、何よりも頼もしい言葉を綴る。
「ずっと、お前の側にいる。お前を……」
 わずかに声が揺れた。クレアは、体の最奥を穿つ存在に、体をこわばらせ、固く歯を噛みしめた。
「離さない」
 クレアは痺れる頭でそれを聞き、そしてにっこりと微笑んだ。


◆◇


 マインラードの新国王の即位が報じられた。弱冠二十三歳、若すぎるといえば若すぎるその王の新登極に、国中が沸いた。
 しかし、新しい国王はその即位から慣習を破った。彼の傍らには、本来あるべき王妃の姿がなかった。その理由を、詮索する者は多くとも、はっきりした理由を知る者はなかった。
 ラクシュ神族の娘の存在がまことしやかにささやかれたりもしたが、王太子時代の国王の傍らにあった彼女の姿は、もうどこにもなかった。ラクシュ神族といえば騎士団に所属する近衛騎士の存在が有名だったが、彼女はドレスや宝石とは縁遠い騎士団の一員。すなわち、ふたりを重ねて考えるものはなかった。
 新王は言った。慣習に捕らわれるよりも、新しい道を踏み出すほうが大切だと。
「私を、信じてくれ。私は、この国を変える存在になる」
 その、力強い言葉に民衆は沸いた。そんな彼が、まず手を下したのは軍事力の強化。他国の侵略を恐れる必要のないように、魔力とともに軍備の整備が彼の最初の仕事だった。
 成人を迎えても、嫁ぐことのなかった王妹が、体調の不良を理由に北の離宮に引きこもったのはそれから間もなくだった。
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