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15. あなただから出来た事
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結婚式当日、義父に手を引かれしずしずとバージンロードを歩くイリーシアを見て、アウロアは感激していた。
それは三年前にイリーシアが用意したものを、職人たちによって流行りを取り入れ、且つ落ち着きのあり品位を損なわないものに仕立て直されたものだった。
義父である子爵との話し合いの場で、伯爵家の窮状を知っていたのだろう。お金はこちらで用意する旨の話を持ち出された時、アウロアはキッパリと断った。
お金は既に信頼のある者から借りているのだと告げると、子爵はニヤリと笑って、そうかと頷いた。
また、自分のこれからの領地経営と借金返済の計画を話し、子爵から許しを貰った。
「お前は見所がありそうで良かった。娘を頼む」
その眼差しには娘の幸せを願う父親の想いが込められており、アウロアは強く頷いた。
最後の関門を突破し、アウロアは一息ついた。
やっとイリーシアを伯爵家に迎える事が出来る。
婚姻証明書は受理されていたが、伯爵家の準備が整うまで、イリーシアには実家で過ごして貰っていた。
テッドは、イリーシアと一緒に伯爵家に来る事になった。
彼は子爵家嫡男であるが、アウロアとイリーシアを両親と慕っている。イリーシアもまた、テッドと離れがたくなっていた。アウロアはイリーシアの意思を尊重し、テッドの親となる事を了承した。
一通りの事が片付くまで一人で過ごす時間は寂しく感じたが、それもイリーシアを迎える為。また、衣装の事もあり、忙しくはあったが丁度良い時間だった。
「イリーシア」
差し出すアウロアの手にイリーシアの手が重なる。
義父の手を離れ、イリーシアがアウロアの隣に並び立った。
「待たせて、すまない」
「ええ……本当に。もう待つのは嫌です。それでも、待てたのはあなただからだわ」
はにかむイリーシアに、アウロアは少しだけ泣きそうな顔をして。
そして沢山の祝福に囲まれる中、二人は永遠の愛を誓った。
新婦の腕には青と黄、そして緑の三色で織り成された腕輪が煌めいていた。
◇ おしまい ◇
読んで頂いてありがとうございました^_^
それは三年前にイリーシアが用意したものを、職人たちによって流行りを取り入れ、且つ落ち着きのあり品位を損なわないものに仕立て直されたものだった。
義父である子爵との話し合いの場で、伯爵家の窮状を知っていたのだろう。お金はこちらで用意する旨の話を持ち出された時、アウロアはキッパリと断った。
お金は既に信頼のある者から借りているのだと告げると、子爵はニヤリと笑って、そうかと頷いた。
また、自分のこれからの領地経営と借金返済の計画を話し、子爵から許しを貰った。
「お前は見所がありそうで良かった。娘を頼む」
その眼差しには娘の幸せを願う父親の想いが込められており、アウロアは強く頷いた。
最後の関門を突破し、アウロアは一息ついた。
やっとイリーシアを伯爵家に迎える事が出来る。
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テッドは、イリーシアと一緒に伯爵家に来る事になった。
彼は子爵家嫡男であるが、アウロアとイリーシアを両親と慕っている。イリーシアもまた、テッドと離れがたくなっていた。アウロアはイリーシアの意思を尊重し、テッドの親となる事を了承した。
一通りの事が片付くまで一人で過ごす時間は寂しく感じたが、それもイリーシアを迎える為。また、衣装の事もあり、忙しくはあったが丁度良い時間だった。
「イリーシア」
差し出すアウロアの手にイリーシアの手が重なる。
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「待たせて、すまない」
「ええ……本当に。もう待つのは嫌です。それでも、待てたのはあなただからだわ」
はにかむイリーシアに、アウロアは少しだけ泣きそうな顔をして。
そして沢山の祝福に囲まれる中、二人は永遠の愛を誓った。
新婦の腕には青と黄、そして緑の三色で織り成された腕輪が煌めいていた。
◇ おしまい ◇
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