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プロローグ
授業参観
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「それじゃあ、この花がわかる人ー?」
若い女性の先生が教卓に1枚の写真を立てる。
その写真には白い小さい花が映らされている。
数名の小学生が「はーい、はーい」と手を挙げる。先生から当てられる前に花の名前を連呼する生徒もいる。でもその名前は写真の物とは違うようで先生は無言で首を横に振る。
ほとんどの生徒が当てずっぽうで知っている花の名前を連呼しているのだろう。次第にネタ切れとなり手を挙げる生徒が減っていく。
その中で1人の女生徒がタイミングを見計らったかのように手を挙げる。
「はい、桜さん」
椅子をガタッと引き、その場で立ち上がる。自身に満ち溢れた顔に周りの生徒が注目する。ちょうど真ん中の席のため視線が教室の中心に集められる。
「スズランです!」
先生が拍手しながら
「正解でーす!」
と声を挙げる。それにつられて周りの生徒も拍手し始める。教室の後ろの方には保護者が横に連ねていて一緒になって拍手する。この日は授業参観だった。自信満々に立ち上がった桜だったがすぐに照れてすぐに椅子になおる。後ろをチラリと振り返ると、一際笑顔で拍手をする女性が見える。母親だ。
「さすがですね、桜さん。その通りこの花はスズランといいます。4月、5月頃に咲く花で、白くて鈴のような丸く小ぶりな花が特徴です」
先生はその写真を黒板に磁石で貼り、カタカナでスズランとチョークで書く。
「花にはそれぞれ花言葉があります。1つの花に複数の花言葉があり、スズランの花言葉は、純粋、希望などがあります。因みに」
そこで先生はもう一枚黒板に写真を貼った。そこには見覚えのある花だが、真っ青な色をしていた。
「この花に見覚えがある人もいるかもしれませんね」
1人の生徒がバラーと声をあげた。
「そうです、薔薇ですね。一般的には赤色のイメージが強いかもしれませんがこれは青い薔薇です。花言葉は色によっても変わります。この青い薔薇の花言葉は「夢が叶う」です。青い薔薇というのはかなり珍しい花で、作ることは不可能と言われていました。長い研究のすえ、この青い薔薇を咲かせることに成功したのです。つまりこの青い薔薇のように諦めなければきっと夢は叶う。皆さんもそれぞれ夢があると思います。この青い薔薇のように諦めなければそれは必ず叶います。それを覚えておいて下さい」
教室の後ろの保護者達も先生の授業に聞き入っている。
「花の名前を当てることができた桜さん。桜さんの将来の夢はなんですか?」
先生がもう一度桜に目配せする。
当てられると思ってなかった桜は慌てるがすぐに手を上に挙げ
「私はお花屋さんになりたいです!」
と高らかに宣言した。
何人かの保護者が拍手をする。その中には母親の姿もあった。
「桜さんはお花が大好きだから、いいお花屋さんになれると思うわ。みんな、もう一度桜さんに拍手をしてあげましょう」
先生のその言葉に教室は一斉に拍手で包まれる。桜は照れて頭を掻きながら椅子になおった。
若い女性の先生が教卓に1枚の写真を立てる。
その写真には白い小さい花が映らされている。
数名の小学生が「はーい、はーい」と手を挙げる。先生から当てられる前に花の名前を連呼する生徒もいる。でもその名前は写真の物とは違うようで先生は無言で首を横に振る。
ほとんどの生徒が当てずっぽうで知っている花の名前を連呼しているのだろう。次第にネタ切れとなり手を挙げる生徒が減っていく。
その中で1人の女生徒がタイミングを見計らったかのように手を挙げる。
「はい、桜さん」
椅子をガタッと引き、その場で立ち上がる。自身に満ち溢れた顔に周りの生徒が注目する。ちょうど真ん中の席のため視線が教室の中心に集められる。
「スズランです!」
先生が拍手しながら
「正解でーす!」
と声を挙げる。それにつられて周りの生徒も拍手し始める。教室の後ろの方には保護者が横に連ねていて一緒になって拍手する。この日は授業参観だった。自信満々に立ち上がった桜だったがすぐに照れてすぐに椅子になおる。後ろをチラリと振り返ると、一際笑顔で拍手をする女性が見える。母親だ。
「さすがですね、桜さん。その通りこの花はスズランといいます。4月、5月頃に咲く花で、白くて鈴のような丸く小ぶりな花が特徴です」
先生はその写真を黒板に磁石で貼り、カタカナでスズランとチョークで書く。
「花にはそれぞれ花言葉があります。1つの花に複数の花言葉があり、スズランの花言葉は、純粋、希望などがあります。因みに」
そこで先生はもう一枚黒板に写真を貼った。そこには見覚えのある花だが、真っ青な色をしていた。
「この花に見覚えがある人もいるかもしれませんね」
1人の生徒がバラーと声をあげた。
「そうです、薔薇ですね。一般的には赤色のイメージが強いかもしれませんがこれは青い薔薇です。花言葉は色によっても変わります。この青い薔薇の花言葉は「夢が叶う」です。青い薔薇というのはかなり珍しい花で、作ることは不可能と言われていました。長い研究のすえ、この青い薔薇を咲かせることに成功したのです。つまりこの青い薔薇のように諦めなければきっと夢は叶う。皆さんもそれぞれ夢があると思います。この青い薔薇のように諦めなければそれは必ず叶います。それを覚えておいて下さい」
教室の後ろの保護者達も先生の授業に聞き入っている。
「花の名前を当てることができた桜さん。桜さんの将来の夢はなんですか?」
先生がもう一度桜に目配せする。
当てられると思ってなかった桜は慌てるがすぐに手を上に挙げ
「私はお花屋さんになりたいです!」
と高らかに宣言した。
何人かの保護者が拍手をする。その中には母親の姿もあった。
「桜さんはお花が大好きだから、いいお花屋さんになれると思うわ。みんな、もう一度桜さんに拍手をしてあげましょう」
先生のその言葉に教室は一斉に拍手で包まれる。桜は照れて頭を掻きながら椅子になおった。
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