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花屋の男
聞き取り調査
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輝樹は東側の花屋を回ることになった。西側は麻美が担当する。何かわかったことがあればすぐに電話することにして、麻美と連絡先を交換した。
1番遠い所でここから8キロ先。車で約14分くらい。
やはり遠い所から先に行って近づいてくる方がいいだろう。
龍之介がどこで花を仕入れているのかがわかればもしかしたらどうしてあの場所で移動販売をしている理由がわかるかもしれない。
最後の頼みの綱だった。それでわからなかったらもう諦めることすら考えないといけない。
龍之介本人も素性を隠してあそこで花を売っている訳ではないような気がする。
絶対に近いところで仕入れているはずだ。
1番遠いところの花屋に着いて、事情を説明する。結論から言うとハズレだった。名前を伝えても写真を見せても、聞いたことも見たこともないと言われてしまった。
早速無理だったことに落胆したが、もしかしてら麻美側の方に当たりがある可能性もある為、今は諦めず次に行くしかなかった。
2番目に遠い花屋に到着。
夫婦で営む小さい花屋だった。
その花屋の店主に写真を見せたとき、店主の顔色が変わった。
「今名前、龍之介って言いましたか?」
「はい。もしかして知っているんですか?」
「まさか、帰ってきていたのか。それに花屋をやっているなんて」
輝樹の質問に答えたようではなかった。写真を見て独り言のように呟く。
「何か知っていることがあれば教えてください」
「私の口からは何も言えないよ。今元気でやっているということさえわかれば」
「もしかして、13年前龍之介さんが引っ越した時のことを何か知っているんですか?」
「人には思い出したくないこともあるんです!私から言えることは何もないので申し訳ありませんが、お引き取りください」
輝樹の声に被せるように店主は語気を荒げた。輝樹はその迫力に圧倒された。
あそこまで突き放すくらいなのだから龍之介に花を提供をするようには思えない。でも確実にあの店主は龍之介のことを知ってる。しかも引っ越しの理由までも知ってるときた。どうにかして聞き出すことはできないものかと思ったが、あそこまで拒絶されてしまうともう一度行くことはできない。
でも、13年前の龍之介の引っ越しには確実に何かがあったのは確かだ。引っ越しをしなければならない理由がそこにはあったんだ。
1番近い花屋に到着した。
もう口が慣れて流暢に説明をする。
「あぁ、龍之介くんね。その子ならうちで働いているよ」
店長だと言った女性が衝撃の一言だった。
「え?龍之介さんはここで働いているんですか?え、でもそれって」
「毎月今日だけは休みをとってるのよ。スーパー伊藤の駐車場で移動販売やってるでしょう。それ以外の日はうちで普通に花屋さんとして働いているの」
「え、でもそれって、いや、でもそれならあそこで移動販売をしている理由とかって聞いてますか?」
「それはあの子も言わないのよ。よっぽど言えない事情なのか、あそこで花を売らないと理由はあるみたいよ。あそこじゃないといえないらしいの」
あそこじゃないといけない、、
「それじゃあ、あの場所以外に移動販売はしていないってことですよね?」
「それはわからないけれど、それ以外の日はほとんどうちで働いているから物理的に無理だと思うわ。あの場所で販売している花もうちから選んで持って行ってるもの。それ以外の休みで移動販売をしているとは考えづらいもの。あの子、あの移動販売での売り上げはほとんどうちに流しているのよ。さすがに悪いから毎月の給料に内緒でプラスしているけれど」
それなら龍之介はあの場所でしか移動販売をしていないってことか。
今すぐ麻美に電話をしたい気持ちを抑え、もう一度質問する。
「龍之介さんはどんな人ですか?」
「どんな人?とっても誠実で心優しい人よ。なによりイケメンだしね。あの子、うちの店でも大人気なんだから。元々この街の産まれらしいから小さい頃の龍之介くんを知っている人も買い物に来るしね」
どこで聞いても龍之介の印象はいいものばかりだった。だからこそさっきの花屋の店主の印象がすごい気になってしまう。
「すいません、ありがとうございました。龍之介さんの花屋の特集にこちらのお店のことも書いてもよろしいですか?」
「勿論です。記事が完成したら絶対に雑誌買ってこの店に置いておきます!」
店を出るとすぐさま麻美に電話をする。
一つ答えは出たが、また別の疑問が出た。
龍之介はどうしてあそこだけで移動販売をしているのか。そこにはハッキリとした理由がある。13年前の引っ越しと何か関係しているのかもしれないが、その理由はどうしてもわからない。
1番遠い所でここから8キロ先。車で約14分くらい。
やはり遠い所から先に行って近づいてくる方がいいだろう。
龍之介がどこで花を仕入れているのかがわかればもしかしたらどうしてあの場所で移動販売をしている理由がわかるかもしれない。
最後の頼みの綱だった。それでわからなかったらもう諦めることすら考えないといけない。
龍之介本人も素性を隠してあそこで花を売っている訳ではないような気がする。
絶対に近いところで仕入れているはずだ。
1番遠いところの花屋に着いて、事情を説明する。結論から言うとハズレだった。名前を伝えても写真を見せても、聞いたことも見たこともないと言われてしまった。
早速無理だったことに落胆したが、もしかしてら麻美側の方に当たりがある可能性もある為、今は諦めず次に行くしかなかった。
2番目に遠い花屋に到着。
夫婦で営む小さい花屋だった。
その花屋の店主に写真を見せたとき、店主の顔色が変わった。
「今名前、龍之介って言いましたか?」
「はい。もしかして知っているんですか?」
「まさか、帰ってきていたのか。それに花屋をやっているなんて」
輝樹の質問に答えたようではなかった。写真を見て独り言のように呟く。
「何か知っていることがあれば教えてください」
「私の口からは何も言えないよ。今元気でやっているということさえわかれば」
「もしかして、13年前龍之介さんが引っ越した時のことを何か知っているんですか?」
「人には思い出したくないこともあるんです!私から言えることは何もないので申し訳ありませんが、お引き取りください」
輝樹の声に被せるように店主は語気を荒げた。輝樹はその迫力に圧倒された。
あそこまで突き放すくらいなのだから龍之介に花を提供をするようには思えない。でも確実にあの店主は龍之介のことを知ってる。しかも引っ越しの理由までも知ってるときた。どうにかして聞き出すことはできないものかと思ったが、あそこまで拒絶されてしまうともう一度行くことはできない。
でも、13年前の龍之介の引っ越しには確実に何かがあったのは確かだ。引っ越しをしなければならない理由がそこにはあったんだ。
1番近い花屋に到着した。
もう口が慣れて流暢に説明をする。
「あぁ、龍之介くんね。その子ならうちで働いているよ」
店長だと言った女性が衝撃の一言だった。
「え?龍之介さんはここで働いているんですか?え、でもそれって」
「毎月今日だけは休みをとってるのよ。スーパー伊藤の駐車場で移動販売やってるでしょう。それ以外の日はうちで普通に花屋さんとして働いているの」
「え、でもそれって、いや、でもそれならあそこで移動販売をしている理由とかって聞いてますか?」
「それはあの子も言わないのよ。よっぽど言えない事情なのか、あそこで花を売らないと理由はあるみたいよ。あそこじゃないといえないらしいの」
あそこじゃないといけない、、
「それじゃあ、あの場所以外に移動販売はしていないってことですよね?」
「それはわからないけれど、それ以外の日はほとんどうちで働いているから物理的に無理だと思うわ。あの場所で販売している花もうちから選んで持って行ってるもの。それ以外の休みで移動販売をしているとは考えづらいもの。あの子、あの移動販売での売り上げはほとんどうちに流しているのよ。さすがに悪いから毎月の給料に内緒でプラスしているけれど」
それなら龍之介はあの場所でしか移動販売をしていないってことか。
今すぐ麻美に電話をしたい気持ちを抑え、もう一度質問する。
「龍之介さんはどんな人ですか?」
「どんな人?とっても誠実で心優しい人よ。なによりイケメンだしね。あの子、うちの店でも大人気なんだから。元々この街の産まれらしいから小さい頃の龍之介くんを知っている人も買い物に来るしね」
どこで聞いても龍之介の印象はいいものばかりだった。だからこそさっきの花屋の店主の印象がすごい気になってしまう。
「すいません、ありがとうございました。龍之介さんの花屋の特集にこちらのお店のことも書いてもよろしいですか?」
「勿論です。記事が完成したら絶対に雑誌買ってこの店に置いておきます!」
店を出るとすぐさま麻美に電話をする。
一つ答えは出たが、また別の疑問が出た。
龍之介はどうしてあそこだけで移動販売をしているのか。そこにはハッキリとした理由がある。13年前の引っ越しと何か関係しているのかもしれないが、その理由はどうしてもわからない。
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