フラワーバスケット

kamatoshi

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杉咲龍之介

小学生時代

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僕はいたって普通の子だと思っている。特段頭がいいわけでもないが、悪いわけでもない。テストの点数も100点を取るわけではないが、50点を切るわけでもない。成績も悪いわけではないので先生からも悪目立ちすることもない。
小学生というのは顔の格好良さでモテるかどうかはあんまり関係なく、スポーツが上手い、足が早い、話が面白いというだけで女子から人気者になる。
その点僕は小学生の割には身長が高く目立ちはするが、特別運動ができるわけはなく、逆に体が大きせいで小回りが効かず、スポーツで身立つことはなかった。まだ自分の体をコントロールするだけの能力がなかった。
教室の中であんまり目立つことなく普通に生活をしていた。特に目立つことに憧れがあったわけはなかった。逆に目立つことに恥ずかしさすらあったので好都合だった。
僕には幼馴染の女の子がいた。家が近所で物心がついた時から一緒に遊んでいた。小学校に上がるまではなにをするにも常に一緒で、泣き虫でいっつも泣いて僕の腕にしがみついていた記憶がほんのりある。今になってはその時の記憶も曖昧で本当にそんなことがあったのかすら分からなくなってきている。春の桜が満開の時期に産まれたその子は名前を桜と言った。

桜にはかえでという4つ上の姉がいた。1人っ子だった僕は小さい頃よく3人で遊んでいた。小学校に入っても僕は学校で一緒に遊ぶ男の友達がなかなかできず、3年に上がるまで桜と楓さんとよく放課後遊んでいた。楓さんが中学にあがってからは部活や勉強で時間がなかなか合わず、自然と一緒に遊ぶことが減った。
その頃には桜にも一緒に遊ぶ友達が増え、僕にも数名の一緒に遊ぶ男の子の友達ができた。
それでも時々桜とは放課後一緒に遊んでいた。お互いの両親も僕らが小さい頃から仲が良かったため自然と関わりを持ち始め夏には皆で僕の家でバーベキューをしたり、海に遊びに行ったりしていた。
小学校3年になってからは3人で遊ぶことがなくなり、自然と桜と2人で遊ぶ機会も減っていった。
お互い一緒に遊ぶ友達ができ始めたということもあるが、3人で遊ぶというきっかけが無くなってからは変に意識してしまい遊びに誘うことができなくなっていった。
僕は桜のことが好きだった。いや、正確には僕は桜に憧れていたのだろう。その気持ちが次第に好きな気持ちへと変化していったのだと思う。
そう思ったきっかけは4年生の時の授業参観だった。担任の近藤先生が教卓に花の写真を立ててこの写真の名前を僕らに当てさせた。もちろん僕はその花の名前はわからなかった。
桜が最後に1人手を挙げてその花の名前を言い当てた。
素直にすごいと思った。桜の家は家その物をお花屋さんにしていて桜もたまにそこでお手伝いをしている姿を何度も見ていたが、普段のお手伝いの成果が現れていた。
皆から拍手を貰って照れている顔を見て今まで感じたことのない感情が現れた。
桜は自分より人気者で、自分より友達がいて、自分より明るくて、自分より人付き合いがうまい。
桜はクラスメイトの前で花屋になると宣言した。桜なら必ず慣れると確信した。誰よりも桜のことを見てきた僕が言うなら間違いない。
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