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第一章「セフレとの別れと新たな出逢い」
プロローグ
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生まれてきて二十三年、俺は親ガチャに失敗したと思いながら過ごしていた。
俺が生まれてすぐに父親は亡くなって、シングルマザーとして育ててくれた母親も精神を病んで精神疾患の障害者となった。
ヤングケアラーとして幼少期から母親の世話に明け暮れた日々。なのに母親は全てを投げ打って懸命に尽くす息子の俺よりも、振り向きもしない男の影ばかり追っていた。
そんな俺に追い打ちをかけるように、初めて出来た彼女もバイト先の先輩に寝取られて奪われたり、職場の上司からは煙たがれたり。
まさに踏んだり蹴ったりの人生。
生きる意味が分からない……。
それが俺の素直な感想だった。
だけど、あの日に君を見つけた時から、俺の人生は大きく変わったんだ。
———……★
目を覚ました瞬間、寝息を立てている彼女が隣にいることが、この上ない幸せだった。長いまつ毛にきめの細かい肌。今まで出会った中で、一番可愛くて綺麗な女の子。
今まで不幸だったせいか、堪えきれないほどの幸せが込み上がって、いつも涙で視界が滲んでしまっていた。
きっと彼女は知らない。
俺がどれだけ彼女のことを大事に思っているのか。
俺が、どれだけ君に救われたか——……。
「……ん、壱嵩さん? おはよ」
「おはよ、明日花さん」
優しい木漏れ日に照らされた彼女の表情は、とても柔らかくて愛らしい。
——ついでに腕に押されて見えた胸元の谷間も、とても魅力的で堪りません。
(………情けない。いや、仕方ないんだ。だってほぼ、明日花さんが初めての彼女みたいなもんだから)
寝取られた元カノも、結局最後までシたか微妙な感じに終わってしまった(そもそも最初から仕組まれ、騙された紹介だった気もする……)
だからこれは、遅れてきた初恋のようなものなのだ。
眠たそうに眼を擦る明日花さんの頬に手を添え、そのまま顔を近付けて互いの鼻頭を擦らせた。
そして肌を合わせて体温を分かち合って、目を閉じてゼロ距離で混じり始めた。
「まって、壱嵩さん。こんな明るい内から?」
片乳を掴まれた彼女は恥じらうように俯くように視線を逸らしたが、もう無理。
そもそも昨日のセックスの後に裸のまま寝た明日花さんが悪い。
「大丈夫、頭まで毛布を被れば見えないよ」
と、言いながらしっかり目に焼き付けている俺を、明日花さんはズルいと否定するだろうか。
恥じらいつつもあざとく身体を擦らせてくる彼女が、この上なく可愛くて仕方ない。
イヤよ、イヤよも好きのうち。
強引に彼女の気持ちに応えるのも、ある意味彼氏の務めだろう。
この話は、こんな人生どん底だった俺と、そんな俺を幸せにしてくれた彼女の、少し生きづらい世界の隅で、愛を紡ぐ物語だ。
俺が生まれてすぐに父親は亡くなって、シングルマザーとして育ててくれた母親も精神を病んで精神疾患の障害者となった。
ヤングケアラーとして幼少期から母親の世話に明け暮れた日々。なのに母親は全てを投げ打って懸命に尽くす息子の俺よりも、振り向きもしない男の影ばかり追っていた。
そんな俺に追い打ちをかけるように、初めて出来た彼女もバイト先の先輩に寝取られて奪われたり、職場の上司からは煙たがれたり。
まさに踏んだり蹴ったりの人生。
生きる意味が分からない……。
それが俺の素直な感想だった。
だけど、あの日に君を見つけた時から、俺の人生は大きく変わったんだ。
———……★
目を覚ました瞬間、寝息を立てている彼女が隣にいることが、この上ない幸せだった。長いまつ毛にきめの細かい肌。今まで出会った中で、一番可愛くて綺麗な女の子。
今まで不幸だったせいか、堪えきれないほどの幸せが込み上がって、いつも涙で視界が滲んでしまっていた。
きっと彼女は知らない。
俺がどれだけ彼女のことを大事に思っているのか。
俺が、どれだけ君に救われたか——……。
「……ん、壱嵩さん? おはよ」
「おはよ、明日花さん」
優しい木漏れ日に照らされた彼女の表情は、とても柔らかくて愛らしい。
——ついでに腕に押されて見えた胸元の谷間も、とても魅力的で堪りません。
(………情けない。いや、仕方ないんだ。だってほぼ、明日花さんが初めての彼女みたいなもんだから)
寝取られた元カノも、結局最後までシたか微妙な感じに終わってしまった(そもそも最初から仕組まれ、騙された紹介だった気もする……)
だからこれは、遅れてきた初恋のようなものなのだ。
眠たそうに眼を擦る明日花さんの頬に手を添え、そのまま顔を近付けて互いの鼻頭を擦らせた。
そして肌を合わせて体温を分かち合って、目を閉じてゼロ距離で混じり始めた。
「まって、壱嵩さん。こんな明るい内から?」
片乳を掴まれた彼女は恥じらうように俯くように視線を逸らしたが、もう無理。
そもそも昨日のセックスの後に裸のまま寝た明日花さんが悪い。
「大丈夫、頭まで毛布を被れば見えないよ」
と、言いながらしっかり目に焼き付けている俺を、明日花さんはズルいと否定するだろうか。
恥じらいつつもあざとく身体を擦らせてくる彼女が、この上なく可愛くて仕方ない。
イヤよ、イヤよも好きのうち。
強引に彼女の気持ちに応えるのも、ある意味彼氏の務めだろう。
この話は、こんな人生どん底だった俺と、そんな俺を幸せにしてくれた彼女の、少し生きづらい世界の隅で、愛を紡ぐ物語だ。
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