魔族との戦争に終止符を打ちたい

リンカルス

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2章 婚約と新たな火種

魔術と人間の関係

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 婚約発表当日、お父さんとお母さんから聞いた話だと、王城の外はお祭り騒ぎになっているとのこと。

 アルバーン王国は、王家の王女や王子が婚約発表する日はめでたいということでお祭りを当日にする文化があるらしい。

 その日限定でしか食べれないような料理や、珍しい魔物の肉などが食べれるため、外からも沢山の王国民が来るとも。

 あとで俺もお祭り見て回ろうと考えていたら

「先に言っとくがアーマン、お前はお祭りに参加することは出来ないぞ」

「えっ」

「婚約する本人がお祭りに参加したらパニックになるだろ。それにお前は婚約の発表のあとに加護のことや爵位の事まで発表するのだ。大人しくしていろ」

「はい……」

 残念だがわざわざトラブルを起こしたいとは思わないから婚約発表が終わるまで大人しくして終わったらすぐに部屋に戻ろう。

「アーくん、言い忘れてたんだけど発表が終わったら貴族のみのお披露目パーティがありますから今日は忙しいですよ」

「それには参加しないと行けないのでしょうか」

「もちろんよ。主催者はアルバーン国王陛下なのだから参加しないわけには行かないし、本人達が不参加でどうするのよ」

 今日は発表だけして終わりかと思っていたがそういう訳には行かないようだ。

 パーティの作法など分からないと伝えたが、マリア第1王女の隣の椅子に座って目の前に来た貴族に挨拶だけすればあとはこっちで話すから大丈夫と言われた。

 俺には始めっから拒否権など無かったようだ。

 朝食を食べ終わると着替えをする部屋に連れて行かれ婚約用の衣装に着替えさせられ、それが終えるとそのまま別の1室に案内された。

 ドアをノックすると「入れ」と言われたため、ドアを開け中を見るとそこにはアルバーン国王陛下がいた。

「お主と会うのは久しぶりだな。そのソファーに座っていいぞ」と言われたので座るとすぐに話に入った。

「王城に来てからもこっちが忙しくてほとんど会えていなかったからな。今日はよろしく頼むぞ。」

「いえ、こちらこそよろしくお願いします」

「その服も俺が選んだんだがサイズもぴったりで似合ってるようで良かった。もう少し経てばマリアも入ってくるから待っててくれ」

「アルバーン国王陛下に質問したいことがあるんですがよろしいでしょうか」

「うむ。俺に答えれることなら答えよう」

「どうしてマリア第1王女を僕と婚約させようと思ったのですか」

 これがずっと気になっていた。俺をアルバーン王国に縛り付けるならわざわざ王女でなくてもいいと思うのだ。

「創造神様の加護の力がそれだけあるからと言う理由では納得できんか」

「出来ないです」

 アルバーン国王陛下はそう言われ悩むと思っていたがそんな素振そぶりを見せずに理由を伝えてきた。

「直感だな」

「直感ですか?」

「うむ。お主を見た時にこれはマリアと婚約させるしかないと感じたとしか言えないな。今でもどうしてそう思ったのかは分からんが俺は創造神様からの神託なのだろうと思っている」

「確かに創造神ならやりそうですね……」

「お主は創造神様と会ったことがあるのか?!」

 あ、要らない一言を言ってしまった気がするが伝えてしまったことは仕方ない。夢で見たと言いながら誤魔化そう。

「寝ている時に夢で創造神様と少しだけ話した記憶はありますが何を話したかは覚えておりません」

「少しだけでもいい。創造神様はどんな姿をしていたのだ?」

「創造神様は姿を変えれると言っていたので自分の見た姿と聖書に載っている姿が違っているかも知れませんが、自分と同じくらいの年の姿をした男の子でした。髪の毛は黒色で目の色は秒数ごとに変化していました」

「その目の色が変わっているのはすべての属性を持っておるからじゃろうな」

「自分の使える魔術で目の色って変わるのですか」

「髪の毛と目に現れるらしい。全員がそうではないが火の魔術を使えるものは髪の毛が赤だったり目が赤だったりすると研究で分かっておるからの」

「僕のように結界魔術を持っている方や回復魔術師の方の髪の毛や目の色はどこから引き継がれているのですか」

「回復魔術師は水属性と光属性が合わさったものとされておる。そのため黄緑色の人達が多いらしい。結界魔術師に関しては不明だ。おぬしも含めてなんの関連性も発見されておらぬため、結界魔術師の髪や目に関しては親の遺伝ということで結論が出されておる」

 なんだか話が本題からかなり離れているが魔術と人間の関わりがこんな所にもあると知らなかった。

 そんな婚約の話など忘れて魔術の雑談をしているとドアがノックされマリア王女が入ってきた。
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