天才になるはずだった幼女は最強パパに溺愛される

雪野ゆきの

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二章

はつゆき!

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「お、シロ外見てみろ」
「んぅ?」

 いつもよりも少し静かな朝。シロはブレイクに促されて寝ぼけ目を擦りながら窓の外を見た。

「ほら」
「? ……わぁ!!」

 シロが窓から外を見ると、そこには一面の銀世界が広がっていた。

「パパ! 外真っ白!」
「そうだな。シロ、これが雪だぞ」
「ゆき!」
「随分積もってるな。よかったなシロ。これだけ積もっていればいろんな遊びができるぞ」
「おお!」

 ブレイクのセリフにシロの瞳がキラキラと輝く。早く遊びたいシロはソワソワとしていて、今にも外に飛び出しそうだ。そんな娘をブレイクは愛おしそうに見つめる。

「遊ぶのはちゃんと朝ご飯を食べて温かい格好に着替えてからにしような」
「は~い!」



***



 ふわっふわの耳当てとマフラー、そして手袋を装備したシロはブレイクと共に外に出た。
 サクッと音を立ててシロは新雪を踏みしめる。
 雪はシロの膝上まで積もっていた。

「ふおおおおお! ふわっふわ」
「食べちゃダメだぞシロ」
「!」

 今まさに雪を口に入れようとしていたシロは、両手で雪を掬った体勢のままピタリと静止した。

「食べちゃダメなの?」
「ああ。ばっちいからダメだ。食べてもおいしくないしな」
「そーなの」

 シロは素直に持っていた雪をパラパラと捨てた。そして再びブレイクと手を繋いで雪の中を歩いていく。どうやらシロは雪に自分の足跡を付けるのが楽しいようだ。

「パパの足跡おっきいねぇ」
「シロのはまだちいさいなぁ」

 シロの足跡の大きさはブレイクの半分ほどだ。

「シロちゃんの足跡小さくてかわいい!!!」
「お、来たな」

 二人が振り返ると、隊舎の玄関からゾロゾロと出てくる隊員達。そのうちの一人はシロのつけた小さな足跡を見たと同時にダイブしている。

「ハッ! 思わず飛び込んだらシロちゃんのキュートな足跡が消えちゃった……!」
「当たり前だろアホが」
「グエッ」

 エルヴィスがアニの背中を踏む。
 シリルがシロと目線を合わせるようにしゃがんだ。

「シロはなにして遊びたい?」
「雪ってどうやって遊ぶの?」
「そうだね、雪合戦したり雪だるまとか滑り台をを作ったりとか、いろいろあるよ」
「全部やる!!」







「よし、両チームとも雪玉の準備はできたな?」
「「は~い」」

 隊舎の庭には雪合戦用のコートと、飛んできた雪玉を避けるための雪のシェルターが作られた。そして審判役のオッサンはセンターラインの横に陣取っている。

「いいか?雪玉が当たったらコート外に出るんだぞ。じゃあスタート!」

 オッサンの合図と同時に、両チームが一斉に動き出した。
 シロの小さな手から剛速球の雪玉が放たれる。

「「うおおおおおおお!!」」

 シロの放った雪玉の先に二人の男が全速力で駆け寄った。

「シロちゃんの投げた雪玉に当たるのは俺だ!」
「剛速球の雪玉に当たりたい!」

 シロの投げた雪玉へ一直線に向かったエスとアニはぶつかり合い、尻餅をついたことで奇跡的に雪玉には当たらなかった。

「おい邪魔すんな!」
「そっちこそ邪魔しないでくださいよ!!」
「お前らそういうゲームじゃないからな?」

 傍から見ているオッサンが冷静に突っ込む。

「剛速球で言えば隊長の方が上だろ。だからエスは隊長の玉担当な。俺はシロちゃんを担当するから」
「分かった」

 変態達は平和的に役割分担を決めたようだ。
 その様子を見ていたブレイクがポツリと呟く。

「あいつらを同じチームにしたのは失敗だったな……」
「俺もそう思います」

 ブレイクの言葉に遠い目をしたエルヴィスが同意した。

「というか僕、あいつらに向けて雪玉投げたくないんだけど……シロ以外が投げた雪玉は器用に避けてるのが余計気持ち悪い」
「言うなシリル」



 そして、ついにシロの投げた雪玉がアニにヒットした。

「ゴフッ……痛いけど嬉しい……おかわり!!!」
「ヒットしたんだからお前はコートの外に出るんだよ」
「え」
「お前全然ルール説明聞いてなかっただろ」

 キョトンとするアニにオッサンは遠慮なく呆れた視線を浴びせかける。



 アニ、脱落。

 



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