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二章
人肌恋しい季節
しおりを挟む「さ~むいにゃんにゃん♪さ~むすぎにゃんにゃん♪」
ブレイクにもらったマフラーを首に巻き、何やら歌を口ずさみながら廊下を歩いていくシロ。そんなシロの様子をアニは後ろからガン見しながら後をついていく。
「シロちゃんかわいい!!」
「寒くてもアニは元気だね」
「シロちゃんのおかげで俺の心はいつもポッカポカだから!」
そう元気に言い放つアニとは対照的に、他の隊員達は寒いのか身を寄せ合っている。
「いやシロは可愛いけど普通に寒いよ」
「そろそろ雪降りそうだしな~」
「ゆき?」
エルヴィスが何気なく放った言葉にシロが反応する。キョトンとしたシロの頭をエルヴィスが撫でる。
「シロは雪見たことなかったっけか。空からふわふわした氷が降ってくるんだ。積もったらみんなで遊ぼうな~」
「うん! ―――あ、パパ!」
シロは前方にブレイクを見つけると真っ先に駆け寄って行った。そして、シュルシュルとブレイクの体を登り上着の中に体をインする。ブレイクの顎のすぐ下に顔を出せば人間カンガルーの完成だ。
ブレイクは布地が伸びると嫌がることもなく上着の上からシロのお尻をしっかりと支えてやる。寒さが厳しくなってきた最近ではこの光景がよく見られるようになっていた。
シロはブレイクの首筋にモチモチのほっぺたを擦り付け、冷えた頬を温める。
「ぬくぬく」
「隊長羨ましい!!」
「いいな~」
そんな光景を見て羨ましがるアニやシリルにブレイクは惜しみないドヤ顔を披露する。
「むかつくけど隊長だから何も言えない」
「アニは湯たんぽでも抱っこしてなよ」
「―――あ、そうだ、おしるこができたそうだからみんなで食べにいくぞ」
「そういうことは早く言ってくださいよ隊長~」
隊員達は外から帰ってきたばかりで皆体の芯まで冷え切っているのだ。
***
「うまうま」
シロはブレイクの膝の上であんこの付いた餅を頬張った。喉につまらせないようにシロの餅だけ四等分されている。一つ一つは小さくなったが数は増えたのでシロは嬉しそうにしていた。
「うおっ! この餅めっちゃ伸びる!」
「ほんとだ!」
エルヴィスが餅を咥えてみょ~んと伸ばすと、それを見た他の面子も次々に真似し始めた。
「! シロもやる!!」
シロも皆の真似をして餅を伸ばした。他のよりは小さい餅だが問題なく伸びる。
ブレイクがシロの頬をぷにぷにとつついた。
「ははっ、どっちが餅か分かんねぇな」
「にゅ?」
かわいいかわいいとシロの頬をむにむに揉むブレイク。シロは少しくすぐったそうにしつつも嫌がっている気配はない。
「羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい」
「お前は黙って餅を食え」
「あたっ」
微笑ましい父娘の様子をガン見しながら本心を垂れ流すロリコンには兄からの制裁が加えられた。
「トイレ行ってくる。ちょっと待っててな~シロ」
「あ」
そう言うと、ブレイクはひょいっとシロを抱えて自分の膝から下ろしトイレに向かっていった。
「……さむい」
急に温もりが消えたことにシロは不満気に口を尖らせた。
シロはそのままちょこちょこと歩いていき、ぽすんと腰掛ける―――アニの膝の上に。
思いがけないシロの行動にアニはギョッとする。
「し、しししシロちゃん!? ゴフッ……!!」
「「「アニーー!!!」」」
「ぬくぬく」
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