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達也と真也
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しおりを挟む—由美side
真也君にバイバイして私と明は手を繋いで駐車場に向かった。
「ねっ、・・・ママ~・・真君とソーセージ食べに行く!」
明はそう言って私の手をブンブン振る。
明・・・真也君の事本当に大好き。
まぁ、優しいし・・・気が利くしね。
「そうだねー・・・お家に帰ったらバーバに聞いてみよう??」
車の扉を開けて明を車に乗せると・・・あれ?私携帯どうしたっけ??
常にバッグの中に入れてあったあの古い携帯が・・・ない。
あれっ?あ・・・さっきお手洗いで見ようとして・・・明が来たから手洗いの所に置いちゃった?
きっとお手洗いだ!!
「明ごめん、ママ忘れ物しちゃった・・・直ぐに戻るからちょっと待ってて??」
そう言うと明は私の新しい方の携帯を持って、
「これ、見てていいー?」
「いいよ、ちゃんとここに居てね???」
私の携帯でYouTubeを付け、明が好きなアニメの動画を付け、
「直ぐに戻るからちょっと待っててね・・・」
そう言って扉を閉め、走ってラベンダー畑のお手洗いに戻った・・・。
畑に戻るともう電気は少し消えていて薄暗く、人がチラホラ・・・。
畑の端の方にある小さなトイレの小屋に入ると、
「由美さん???どうしたの?」
と・・・背後から聞こえる声。
一瞬ビックリしたけど・・・その声は真也君だってすぐに分かった。
私は振り返って、
「あ、・・・携帯を置きっぱなしにしてしまって・・・ほとんど使ってない古い携帯なんだけど・・・」
そう言うと・・・真也君は手に持っていた懐中電灯を照らして、
「もう皆スタッフルームの方に行っちゃったから、元の電気消しちゃったんだ・・・個室?」
そう言って中に入って行った。
「あ・・あのね、手洗う所かなって・・・」
私がそう言うと真也君は手洗い場に光を当ててくれて、そこには私のスマホが置いてあるのが見えた・・・・。
別に・・無かったら無かったでいいけど・・・でも・・・達也君が・・・。
直ぐにそのスマホを手に取って、ぎゅっと握りしめていると
「良かったね・・・」
って・・・暗い中、すぐ横に真也君の顔が見えて・・・・ちょっとビックリした・・・・。
「わっ・・・・・」
思わず避けるようにして離れると、
「由美さんッ・・・危ないよ・・・」
ふらついた私の腕をグイッと・・・真也君が掴んで自分の方に少しだけ引き寄せたの。
・・・・・・・ッ?!
何てことない事なのに・・・、真也君の胸に少し近付いただけで・・・私の心臓は急にドクドクと・・・もの凄く早く動き出したの。
・・・・・ッ!?
そして・・・・、
「やっ・・・!!!!!」
真也君の胸を勢いよく押し、私はそのまま転んだ・・・・。
私何してるの??
真也君は・・・助けてくれただけなのに・・・手を貸してくれただけなのに・・・。
「由美さん?」
真也君はビックリした声を出し私の方に手を差し伸べてきた。
でも・・・やっぱり・・・ダメ。
怖くて手が・・・手が震えた。
「ごめん・・・由美さん・・・驚かせちゃった・・・ごめんね・・・。」
・・・・・・ッ/////////
違う・・・違うの。
私がいけないの・・・。
「由美さん・・・???」
真也君が差し伸べてくれたその手・・・・。
私はその手を避け、
「ごめんなさいっ・・・もう帰ります!」
そう言って・・・逃げた・・・。
—真也side
・・・・・・。
由美・・・さんの怯えるような目・・・。
俺の中で何かが蘇った。
あんな目・・・前に何度もされたな・・・。
由美さんが行ってしまった後、俺は自分の手をジッと見つめた。
俺は・・・いつもあんな目で・・・見られてた。
「はぁ・・・。」
ため息をついてゆっくりトイレから出て、自分もスタッフルームに向かった。
ポケットに入っている携帯。
もう最近じゃ・・・誰からも鳴る事がない携帯。
ここに来た時、家族以外の女関係は全て削除された。
残っているのは、祐司さんのみという恐ろしい電話帳。
俺、最近由美さんと話せるようになって・・・ちょっと調子に乗ったのかもな。
まだ、女の人と楽しく過ごせる時期ではない。
俺にはまだ・・・その権利も資格も・・・ないな。
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