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口説き慣れている男と口説き慣れていない男
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しおりを挟む—夏樹side
休憩時間なのに、無駄にイライラした。
少し早いけどオフィスに戻るか・・・。
店を出て早歩きでオフィス方面へ行くと、
「なぁー・・、お前そんなにプリプリ怒るなってー!!今夜さ、俺等は俺等で2人で飯行こうぜ?」
と・・・、相当バカなのか・・・私の言っている意味が分からないのか。
てか、あそこまで言われて・・・私を嫌いにならないのは何で??って感じ。
遊馬はサンドイッチをテイクアウトにしてもらったのか、紙袋を抱えて追って来た。
もういい加減うんざり。
私は新聞を脇に挟み、脚を止め・・・遊馬をジッと見つめた。
これは真面目に断った方が良いって事???
「申し訳ないけど、マジで・・・遊馬に全く興味もないし、また2人で会うとか全く考えられないの」
遊馬の顔を見て言うと・・・遊馬は私をジッと見つめて少し真顔。
あ、はっきり言い過ぎたかな。
「あ・・・、えっと、だから2人でとかは逢えないから・・・申し訳ないけど・・・」
って、少しやんわり言い直した。
すると、遊馬は口角をグイッと上げ笑って
「夏樹って本当は結構優しい?今俺に気を使ったろ??」
って・・・、そう言ったの。
・・・・・・・。
はぁああ~ッ・・・。
マジで疲れた。
深いため息をして、
「とにかく、こうやって付いてこられても私は貴方と仲良くする気はないから」
遊馬を置いて歩道を歩き・・・もうオフィスが入ってる建物が見えてきた時・・・。
「どうしたら夏樹に見てもらえるかな?」
まだ付いてきて・・・言った。
・・・・・・。
私が遊馬を見ることは・・・多分ない。
だって私は・・・。
チラッと遊馬を見て、
「多分この先~・・・そう言う目で貴方を見る事は無いと思う、申し訳ないけど・・・」
もう・・・話しかけないで欲しい。
遊馬にペコッと頭を下げて、また直ぐに歩き出すと
ッッッ?!
ぁあっ?!
私の脚元で・・・ズボッという下に落ちるような感覚。
転びそうになって焦って足元を見ると、ヒールの先がマンホールの穴に入り込んでしまった。
ゲゲッ・・・こんなに綺麗に入る事あるっ?!
無言でグイグイ引っ張ッてもなかなか抜けない靴。
仕方なく靴を脱ぎその場にしゃがむと、
「あーーーあーーーー・・・、足汚れるからぁー・・」
そう言ってきたのは遊馬。
直ぐに私の脚元に跪き・・・私の脚を自分の太ももに乗せた。
はっ?!・・・・・・////////
ニコッと笑って、私のハイヒールを抜き・・・ヒールの先についた汚れを自分のTシャツで拭いて下から私を見上げ・・・私のふくらはぎを撫でたの。
・・・・・ッ?!/////////
そして、
「綺麗な脚」
そう言った・・・・・。
・・・・・・ッ?!
遊馬は、
「たまには俺にも笑顔見せてー?」
って・・・そう言って笑った。
な・・・何コイツッ・・・・。
焦った・・・。
焦って遊馬から離れて・・・・転びそうになった。
そして直ぐに靴を引っ手繰って・・・履いて逃げた。
日本
—和也side
あの日から夏樹とは電話をしてない。
でも・・・あの後直ぐにラインは来たんだ。
『さっきはごめんね、ただの酔っぱらいなの!本当にごめんね』
って・・・・。
俺と夏樹は・・・恋人関係ではない。
お互いにそんな事も言わないし、束縛も・・・しない。
だから夏樹がハワイで男と遊ぼうが、俺が誰かと遊ぼうが・・・攻める権利はお互いにないんだ。
俺は昼休みにいつもの喫茶店に行き、今日はアジフライ定食を食べていた。
はぁぁ・・・。
一応夏休みは貰ったけど、今のところ何も予定はない。
夏樹も帰ってくるのか結局分からないし・・・・俺がハワイに行くかって思ったけど、あの感じだと・・・行っても迷惑になる可能性だってある。
少し前まで夏樹の親友の美晴さんが好きだった俺。
自分で言ったつもりはないがー・・・多分結婚式の二次会で誰かが言いやがった。
だから、夏樹がその件も含め俺に不信感を抱いてないか少し気になっていたんだ。
後は、あの日電話に出たあの男は一体誰??
部屋に居る風だったけど、夏樹・・・そういうタイプには見えないけど。
食事を済ませ、店を出て夏樹に電話をかけてみる。
もうちゃんと話さないと何も進まないし!!
すると、
『あ、!!!和也君・・・・』
と・・・夏樹が電話に出てくれた。
「あ、・・・夏樹!もう仕事終わった???」
『あ、うん、あの・・・この前ごめんね・・・全然親しい仲とかじゃないの・・・あのー・・電話に出た人』
そう言ってきた。
まぁ、最初にそれを言って来てくれるところからして・・・夏樹も気にしてくれていたのかって少しホッとする。
「そっか・・・ちょっとビックリしたよー・・夏樹に彼氏が出来ちゃったのかって・・・正直ちょっと落ち込んでたー・・・」
そう言って笑った。
正直マジでちょっとー・・ッていうか、かなり気になっていたけど・・・この年になると?いろいろ経験してくると、そういう時にフランクに流してしまう癖が・・・ついた俺。
すると、
『違う違う、私に彼氏なんか出来ないよ・・・』
「そんな事ないよ、・・・・離れてるから・・・俺は結構心配」
それは・・・本音だ。
すると・・・・しばらく無言!!
ヤバッ、今の少し重かったか?!
「あ・・夏樹ごめん・・俺・・・」
焦って言い直そうとすると・・・・、夏樹は・・・
『心配ならもっと連絡して・・・。』
って・・・・・//////////
久々、胸の奥が少し鳴った。
夏樹は少し笑って、
『寝てても・・・声聞けたらまたぐっすり寝れるし、私も忙しいかなって気にしてあまり連絡できないから・・・』
少し寂しそうにそう言うんだ・・・。
夏樹は・・・俺の事・・・。
どう思ってるのかな?
俺は夏樹を1人の女性としてかなり意識してる。
だから嫌われたくないんだ。
「夏樹さ・・・。」
グッと下で拳を握って・・・ゴクッと唾を飲み込んだ。
夏樹は・・・。
・・・・・。
「夏樹・・・俺に逢いたい???」
って・・・・・心の奥で思っていた本音が・・・・・零れたんだ・・・。
って俺何聞いてんだよ!!////////////////
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