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口説き慣れている男と口説き慣れていない男
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しおりを挟む銀座
—和也side
「来週からの新人キャンペーンはー・・・10フロアは臨也を外した方が良いか」
祐司がPCで臨也の実績を見てそう言った。
しかし・・・・俺の頭の中は・・・。
「和也さん?」
隣に居た拓海が俺の腕を掴んできて・・・・目が覚めたようにハッとする俺。
「あー・・ごめん、新人キャンペーンね・・・。えっと、うちからは臨也が・・・。」
俺も自分のPCを見て言うと、
「臨也はもう顧客様ついてるし成績が良いから外していいんじゃないかって今言ってたんだよ」
祐司が笑って言った。
はぁ・・・、上の空の自分が嫌になる。
「悪い・・そうだったな。臨也は先月も指名数凄かったしなー・・・・ランキング入りもしてるから逆にキャンペーン参加させたらトップ間違いないもんな・・・」
臨也の人気は凄かった。
まだアイツ21とかだったよな??
達也よりも少しソフトタッチなSだから・・・幅広い会員様に人気。
新人キャンペーンの10フロアの予算は1000万。
臨也は先月も1人で1000万近く売り上げたから・・・独走になってしまう為、今回は臨也は除外。
—夏樹side
あの日、遊馬があんな悪戯をしたもんだから・・・・和也君に連絡しづらくなった。
ハァァ・・・・。
仕事をしながらPCの隣に置いてあった携帯を眺め、何度も携帯を取ってラインを開き・・・和也君にメッセージを送ろうと思うんだけど、・・・・なんて送ったらいいのか分からなくなる。
そう言えば、この前お盆の話ししてたっけ・・・・。
私も帰国するつもりだったんだけど、ハワイに来てから結構忙しくて飛行機のチケットの事全然考えてなかった。
仕事は休みだけど、こんな直前で飛行機なんて取れないか?
チケットサイトを見ていると、
「なーーつきさん!!今夜飲みに行きません???」
そう誘ってきたのは、真黒に焼けたユカ。
私は姿勢を正して、
「止めてよ、どうせまたあの男来るんでしょ?」
あの男→遊馬。
出来たらもう二度と逢いたくない。
毎日、街中で逢わないかって冷や冷やしているのに・・・態々逢いに行くわけがない。
すると、
「遊馬格好良くないですか?夏樹さん理想高い?」
ユカは私の隣の椅子を引き座ってきて笑って言った。
理想・・・私そんなに高いのかな??
遊馬はー・・・確かに格好良いと思うよ。
普通にあの顔でサーフィンやってるのかって思うと、モテるんでしょうねって思う。
でも、
「んー・・・私はちょっと苦手かなー・・格好良いかもしれないけど、性格が無理」
そうそう、あの軽い感じと・・・デリカシーが無い感じ。
私は・・・無理。
すると、ユカは・・・・
「遊馬は~・・・夏樹さんの事気に入っていたみたいですよ?」
はっ?!
それって、気に入ってたじゃなくてー・・・ただやりたいってだけなんじゃないの??
しかもあの自由過ぎる感じが私には無理だわ。
「ごめんー・・・やっぱり遊馬は・・・私はちょっとかなー・・・」
ユカが自分のデスクに戻ったのを確認し携帯画面のラインを開き、和也君からの最後のメッセージを眺めた。
別に私・・・誰でもイイわけじゃないんだよね。
その日の昼は、ランチを食べに行きがてらワイキキの街をぶらついた。
夏休みだからか、日本人観光客が超多い。
オフィス近くにある小さなサンドウィッチのお店は最近私のお気に入り。
観光客も少なくて、60代の夫婦がやっているのんびりした店。
いつもそこの一番奥の席に腰かけ、新聞を読むのがー・・・日課。
ユカには、新聞を持ち歩くなんて半分オジサンじゃんってディスられた。
でもー・・・20代の頃からそうしてるから逆に休憩中に何をしたらいいか分からない。
きっと根っからの・・・オジサン女なんだろなって自分でも思う。
すると、・・・。
「夏樹、いつもので良い???」
そう言ってきたのは超ポッチャリなここのお店の奥さんのキャリーが水を持ってきてくれてそう言った。
「うん、いつものお願い!」
ここのローストビーフサンドは絶品!
毎日こんなの食ってたら太るでしょッて・・・思うから毎日走っているのあるのかなー・・・。
食べるの大好きだから、それを我慢したくないからその分は運動する。
それが私のスタイル。
キャリーがサンドイッチを持ってきてくれるとー・・・私は大きなサンドイッチに齧り付く!!
ううーーー・・・このソースもたまらないんだよね!!
これが私の1日の中で一番のご馳走だー!
新聞を一旦置き、携帯を手に取り・・・和也君の顔を思い浮かべた。
いま日本は7時半位か・・・。
きっと忙しい時間だよね??
でもー・・・忙しくても24時間以内に返信くれるって言ってたし・・・ラインだけする?
んー・・・でもいつも私からラインして、私で終わる。
そういうのって・・・あまり皆考えない??
もしかしたら和也君・・仕方なく私と連絡とってるとか・・・かな。
とか・・・・。
そもそも、和也君は美晴を好きだったわけだし、美晴と私って・・・全くタイプも違うし、てか、正反対だし!
そんな事を考えながらまた新聞を広げ見ていると・・・私の手元が暗くなって、ゆっくり顔を上げた。
・・・・・・・・・・。
ハッ?!
—遊馬side
仕事が休みで珍しく外でランチでもしようかと思ってフラフラしていたら、新聞片手にこのカフェに入って行く夏樹を発見!!!
あの日から全く会ってなかったし、そろそろ俺の顔が見たいって思ってたんじゃないの?
って勝手に思い、夏樹の後を追う様にしてその店に入って行った。
そしたら、でっかい口を開けてサンドイッチを食いながらアイスコーヒーを飲んでー・・・新聞を見ている夏樹。
本当に色気が無い。
直ぐに夏樹の前に座ると、太ったオバサンがオーダーを取りに来たから・・・。
「俺も彼女と同じもので」
そう言った。
するとそのオバチャンは、
「あら、夏樹・・・恋人できたの???」
そう言ってカウンターの中に入って行った。
夏樹は面白くなさそうな顔をして俺を睨み、
「勘違いされるから違う席座ってよ」
1㎜も笑わないでそう言ってきた。
流石だねー・・・、全然ブレないんだ?
でも無駄に美人。
「イーじゃん別に、勘違いされたって困らねーだろ?むしろありがたいんじゃねーの?」
そう言って水を飲むと、
「マジでうるさい、ありがたいって・・・スッゴイ自信過剰で逆に怖いわ」
夏樹は全く俺の目を見ずそう言って俺の目の前にばっさばさと新聞を広げる。
おーおー・・・サラッとキツイ事言うねー・・・。
あの和也君とやらにはそんな事言わねーんだろ??
そして、夏樹が見ている新聞をグシャッと退かし、
「なぁ、今夜飲みに行く?イーサンとユカと!」
そう言ってワザと夏樹の顔を覗き込むと、夏樹はシレッとした目で俺を見て
「私は行かない、やることいっぱいあるのよ」
だってー!!!
マジで可愛げが無い。
何歳だって言ったか忘れたけど20代後半か30位だろ?
いつまでもそんな顔してると一生結婚できないぜ?って言ってやりたい。
「なぁ、夏樹は土日休み??俺、今度土曜休みだから何処か行こうぜ?俺車出すし」
サンドイッチをバクバク食ってる夏樹に諦めずそう言うとー・・・・夏樹はやっぱり俺の方をチラッと見て、
「行かない」
てか、俺も何でー・・・夏樹に絡んじゃうんだろうな。
生意気で、無駄に綺麗で・・・でも超絶性格ブス。
なのになんか悔しい。
俺もサンドイッチを食いながら、
「何でお前・・・俺にはそういう態度な訳?この前の電話の男の時と全然話し方違う」
そう言うと、夏樹はまた・・・シレッと俺の方を見て、モグモグと咀嚼をすると・・・ごっくんと呑み込み・・・。
「私ね・・・遊馬みたいな、俺モテます!俺人気者です!的な男?嫌いなのよ。みんなでワイワイ飲むの大好き、合コン大好きみたいなノリのやつ!・・・疲れるし嫌いなの」
ハァッ?!
何その勝手なイメージ!!
「俺別にそんな事言ってねーじゃん!」
そう言うと夏樹は、
「言わなくたって分る、顔に書いてある」
ハァァァ?????
マジでこの女ー・・・・!!!!!
すると夏樹は速攻サンドイッチを平らげテーブルに金を多めに置いてきた。
「いいよ、これぐらい俺が出すわ!」
そう言って金を返そうとしたら、夏樹は・・・・ニコッと笑って、
「私、これ位で恩着せられたくないの」
・・・・・・・・・。
そう言ったーーーー!!!!!!!!
久々、相当イラっとした。
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