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それぞれのクリスマス1
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しおりを挟む—和也side
3時間胡桃さんと過ごし、部屋を出て受付手前の扉を開ける直前に・・・胡桃さんは俺の腰にがっちり抱き付いて
「ねぇ、・・・和也君・・・あの~・・・彼女と結婚とかするの????」
そう言ってきた。
「ん~・・・彼女も働いてるしまだ分からないけどー・・・・」
結婚はしたいけど、夏樹の気持ちも尊重したい。
って、・・・会員さんの質問に何真面目に答えてるんだ。
俺がそう言うと胡桃さんは少し笑って、
「いいな・・・彼女が羨ましい・・・・。」
胡桃さんの言葉に返す言葉が見つからなかった。
俺が黙っていると胡桃さんは顔を上げて、
「和也君に私も大事にされたいな・・・・」
・・・・・・・。
俺は胡桃さんを少し離し、胡桃さんの肩を両手で撫でて
「胡桃さんには素敵な旦那様がいるじゃない、胡桃さんは素敵な女性だから大丈夫だよ・・・・。」
そう言うと、
「・・・・私・・・・多分離婚すると思う・・・・。」
そう言って胡桃さんは自らドアのノブを回し・・・扉を開けた。
—祐司side
昨日今日は、殆どのスタッフが会員様から何かしら頂いている。
まぁクリスマスだし・・・年内最後だし・・・。
健二なんてロレックス2つもらったって喜んでたし!
アイツは本当・・・単純というか、無邪気というか・・・・。
拓海がさっきもらってきたのは金塊1キロ。
あの隆太だって、ウブロの時計をいただいて嬉しそうにしていた。
皆・・・なんだかんだ言って楽しんでるなぁ・・・・・。
と、ここ最近・・・年末年始実家で過ごしていることに若干だけど寂しさを感じてしまう俺。
久しぶり・・・俺も沖縄でも行こうかな。
そんな事を考えていると、客室につながる扉がガチャッと開き・・・そこから和也と胡桃さんが出てきた。
胡桃さんをエスコートする和也の手には・・・ヴィトンの紙袋。
あれ??珍しいな・・・・。
和也はお客様からのギフトはいつもお断りをしているが・・・今日は???
すると胡桃様は嬉しそうに笑って俺の前に立ち、
「堂本さん・・・次回・・・年始に和也君の予約をとれますか????」
そう言ってきた。
俺は予約表を確認し、
「胡桃様、お疲れ様でございます。申し訳ございません、和也は仕事始めから1カ月ほど予約は埋まっておりまして・・・・。」
俺がそう言うと、胡桃さんはため息をついて・・・。
「そう・・・ですか・・・。分かりました・・・・。1月の中旬までに予約が出来ればと思ったんですが・・・・。」
そう言って下を向いてしまった。
すると和也が胡桃さんの後ろから、
「祐司、・・・2週目の11日、ミーティング時間変更するから胡桃さんの予約入れておいて」
そう言った。
—和也side
別に特別扱いするわけでもない。
ただ・・・今回プレゼントをいただいてしまったし・・・ちょっと・・・。
俺が下を向くと・・・胡桃さんは嬉しそうに笑って、
「ありがとう・・・・」
「いや、胡桃さん素敵なクリスマスと年末年始をお過ごしくださいね・・・」
俺はそう言って胡桃さんの手を下でぎゅっと握って、
「じゃぁ、俺は戻る・・・祐司後よろしく・・・・」
そう言って祐司に鍵を返し・・・・胡桃さんから離れた・・・・。
別に特別な感情があるわけじゃない。
ただ・・・離婚するかもとさっき言われ・・・もしかしたら・・・胡桃さんは離婚したら、ここには来なくなるかもしれない。
ただそう思っただけ・・・・。
オフィスに戻ってデスクに行くと、手前に座っていた臨也が笑って・・・・。
「あーー?!和也さん珍しいっすね??プレゼント貰うなんて・・・・」
そう言った。
相変わらず・・・チョコを食いながら言ってくる臨也。
本当達也そっくりだな。
俺はデスクにヴィトンの紙袋を置き・・・椅子に座って、デスクの引き出しの中に仕舞っていた携帯を出しラインを確認。
すると夏樹からのラインは3件。
無事、沖縄メンバーへのお土産を購入しホテルに19時に届けてもらうという報告と、実家に帰ってお母様と一緒にお寿司を食べてる写真。
お父様がワインを飲んでいる写真!!
最後に、
『和也君が上がるくらいに銀座に戻ります('◇')ゞ』
俺はすぐに夏樹の写真を保存。
すると、
「あ、和也さんの彼女ですか?」
俺の後ろから携帯を覗き込んできたのは、俺のチームの優太だ。
「あ~・・・そうそうっ今日は一人で買い物してるんだー・・」
俺がそう言って携帯をポケットに入れると、
「超美人さんですねー!!!クリスマスプレゼント何にしたんですか???」
・・・・・・。
あっ!!ヤバい!!!俺、夏樹へのプレゼント買ってないじゃん!!
思わず立ち上がり・・・・隣のオフィスに拓海が居るか確認すると拓海はPCを眺めながら書類作成中。
時刻は15時か・・・。
確か拓海ももう予約は入っていない筈!
急いで拓海の方に走って行き、
「拓海・・・今ちょっといい????」
声を掛けると、拓海は眼鏡を外し・・・笑って・・・・。
「どうしたんですか???焦った顔して・・・」
と俺は言った。
—拓海side
最近、和也さんが普通の男と同じようにたまーに焦ってる。
いつも冷静で落ち着いているイメージだったから、こういう姿を見ると・・・ちょっと面白い。
俺が椅子を転がし和也さんの方を向いて笑うと、
「拓海、この後って予約入ってる?」
と和也さんは聞いた。
「この後はー・・・特に何もないですけど?」
俺がそう言うと、和也さんは俺の肩を掴み・・・。
「ちょっと付き合ってくれないかな???」
と和也さんは言った。
さては、夏樹さんへのプレゼント忘れてたか?
和也さん・・・真面目だからなぁ~・・・。
多分妥協できないんだろうなぁー・・・。
—和也side
大人になって、ちゃんと女性と付き合った事がなかった俺は彼女へのプレゼントなんて正直分からない!
そういえば、涼はハリーの指輪だったり・・・フランクミュラーの時計だったり買ってあげていたっけな。
でも、夏樹にフランクミュラーって感じはしないし・・・いきなり指輪とか贈ったら引かれそうだし。
拓海と一緒に会社を出て銀座の街を歩いた。
「夏樹さん何か欲しいものあったりするんですか?」
と拓海は聞いた。
夏樹が欲しいもの~・・・か・・・。
何も聞いてないしな~・・・。
「何も聞いてないんだよね、俺って駄目だよねー・・・・。」
俺が言うと拓海はゲタゲタ笑って・・・・。
「夏樹さんも相当稼いでるだろうし・・・欲しいものは大抵揃ってるんじゃないですか?・・・だったら、自分じゃ買わないようなものを買ってあげたらどうです???」
自分では買わないモノ・・・か・・・。
女の人が自分では買わないモノってなんだっ???そこからもう分らないんですけど。
「例えば・・・指輪とか・・・腕時計とか・・・・。」
やっぱジュエリー系かぁ~・・・。
拓海と一緒に向かったのはカルティエ銀座本店。
「俺は、CHANELの時計にしました。指輪はもう上げてるし、時計は何個あっても良いかなって・・・・。」
へぇ~・・・。
まぁ、・・・夏樹がCHANELつけたらイメージそのものだけど・・・カルティエも格好良いし夏樹に似合いそう!!
一緒に中に入り色んな時計を見せてもらう。
「夏樹、仕事で付けると思うしな・・・・あまり派手じゃない方が良いかな・・・。」
革のベルトの時計を手に取ると、
「せっかくプレゼントするんだから、さりげなくダイヤが入ってるの・・・これとか可愛いんじゃないですか?」
拓海はそう言って、フェイスの両サイドにダイヤがちりばめられたきれいな時計を指さした。
夏樹の細い腕に・・・この時計すごく似合いそうだな・・・・。
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