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健二のトラウマ
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しおりを挟む皆と別れると、俺は1人で渋谷に向かった。
クリスマスっていう事もあり・・・街は人で溢れている。
街中がイルミネーションでキラキラキラキラ・・・・恋人同士の若者や、友達同士で楽しそうにしている子達が・・・・やたら目についた。
皆楽しそう。
考えてみたら・・・・俺って、井ノ川と会わなくなってから・・・・特定の子とああやって街中を女の子と歩いた事・・・・ない。
モヤイ像に到着し、ハンドルに頭を乗せ外をぼーっと眺めていると・・・・・あの頃の井ノ川の笑顔が・・・頭に浮かんで、また胸が苦しくなる。
目を瞑ると、どこかで・・・・。
『岸本君』
って・・・呼ばれてるような気がして、ハッと目を開けた。
もう、一生・・・呼ばれる事ないのに・・・・。
井ノ川には・・・絶対逢うことはない。
すると、コンコン・・・と、車の助手席の窓を叩かれて体を起こし外を見ると寒そうにしている大輝が笑って手を振ってきた。
扉を開けると、大輝は直ぐに助手席に乗ってきて
「ごめんなー・・・久々じゃん!!元気だった?」
そう言った。
俺は直ぐに車を出し、
「何処行くー??お前飯食ったの?」
そう言うと大輝は、
「飯はまだなんだけどさー・・・ちょっと行きたい店があって、PARCOの裏の駐車場に止めてそこから歩こうぜ!」
そう言った。
「渋谷なんて久々だからな~・・・・よく分かんない!なんかいい店あるの?」
そう言って車を出すと、大輝は
「まぁー・・・そうだね!少し前に見つけたんだ!」
PARCOの直ぐ近くのコインパーキングに車を止め、大輝と一緒に歩いた。
センター街に向かって歩くと大輝は1軒のド派手なキャバのような店。
????????
「えっ??大輝ってこういう店好きなの?!」
凄く意外だった。
コイツは昔からこういう遊びはあまりしないし、風俗だって殆ど行かないんじゃ・・・・・。
すると大輝は店の入り口の方に歩いて行き、
「少し前に会社の人と来たんだ・・・たまたまね!先輩のお気に入りの子が居てさ・・・・・」
そう言って笑ったんだ。
「えっ・・・まぁ、俺は全然いいけどー・・・お前昔こういう店好きじゃなかったじゃん!!」
そう言いながら店内へ・・・・。
久々会うし、落ち着いた店で話でもするのかって思ったら・・・全く正反対の店に連れてこられた俺。
キャバとかー・・・そういうのは俺も嫌いじゃないから、以前は週1とかで銀座の店は良く行ってたけど、こういう若いキャバっていうかー・・・これセクキャバ??こういうキラキラ系の店は久々かも。
すると入り口で、
「お2人様ですか?」
と、ボーイがニッコリ笑って奥に案内してくれた。
店内は、クリスマスだからなのか・・・もの凄い盛り上がり様で、女の子は下着に近い服装で店内をウロウロ!
わ!!!/////////やっべぇー・・・何ここ、おっぱぶ???
もうおっぱい出そうなんだけど!
と、すれ違う女の子を見つめていると、大輝が
「俺・・・見つけたんだ・・・」
そう言った。
ん????
見つけた??
「何が?」
そう言って案内された席に腰を掛けると・・・・、大輝は
「井ノ川」
・・・・・・・・・・。
時が止まった感じがした。
今、なんて言った?
俺は瞬きもせず、
「え・・・・・・・」
声が出なかったんだ。
何を言ったら良いか分からなかった。
すると大輝は、
「井ノ川・・・この店にいるんだ」
・・・・・・・・・。
すると女の子2人が来て、
「こんばんはーーーー!!初めましてでしたっけ???」
って言いながら俺等の横に腰かけてきたんだ。
俺は直ぐに席を立ち、
「悪いけど俺はもう帰る・・・・・・」
そう言って財布から適当に持っていた札をテーブルに置いて出口の方に歩いて行った。
すると大輝が直ぐに追って来て、
「おい待てって・・・・・お前・・・・・まだ忘れてないだろ?てか忘れられないんだろ?!」
何・・・・何言ってんだ??
「お前何言ってんだよ、別に俺は・・・・」
そう言うと大輝は俺のシャツをギュッと掴んで、
「好きだろ?昔も今も!!・・・だから、地元帰ってもアイツと行ったカフェとか避けてるんだろ?!そうだろっ????」
・・・・・・・・・。
痛い所を突かれた気がした。
確かに俺は・・・・アイツを思い出してしまうような場所は・・・・あれ以来避けてる。
大輝は自分の携帯を出し、SNSを開くと
「井ノ川、関西の大学でもダンスやってて・・・その後大会とかも出てたらしいけど今は・・・ここで踊ってる・・・・俺も1回来た時たまたま見つけて、写真は顔出ししてないけど・・・多分これ井ノ川だろ?」
そう言ってインスタの画面を見せてきた。
「知らねぇって・・・俺にはもう関係ねえ・・・・」
すると大輝は、
「お前いい加減にしろよ!・・・・このままずっと引きずるのか?ちゃんと話ししろって・・・・あの後全く会ってないんだろ??」
何がっ??いまさら何を話せと・・・・・。
しかも俺と関わって・・・また豊に気付かれたら・・・・。
俺は大輝の手を払って大輝の肩をグイッと押し、
「俺がまたアイツに関わって・・・・アイツがまた・・・・危ない目にあったらどうすんだよ!お前責任とれるのかっ?」
そう言うと、大輝は俺のネクタイを掴み・・・・。
「お前が関わらなくても・・・豊が井ノ川を見つけ出すのは時間の問題・・・・アイツはもう直ぐそこまで来てるぞ?」
そう言った。
な・・・・なに??
何言ってんだよ・・・・・。
「何で豊?いくら豊かだって・・・ここまでは・・・・・」
すると、大輝は俺の顔にグッと近づき・・・・。
「豊が今何をしてるか知ってるか・・・??」
そう言った。
大輝の目は・・・いつもとは全く違い、・・・・・マジな目だ。
俺もゴクッと唾を飲み込み大輝の目をジッと見つめた。
大輝は言ったんだ・・・・・。
「アイツ今、剣崎にいる・・・・」
・・・・・・・・・・。
け・・・・剣崎っ?!
剣崎会とは、俺も詳しくはないけど・・・・日本の指定暴力団の一つ。
昔は大阪を拠点にしていた結構大きな組織だが・・・今は東京にも事務所を置いて、結構騒ぎを起こしている・・・ニュースでもよく聞く暴力団だ。
OHは反社とは関わってはいけないという規定がある。
堂本社長はある意味暴力団よりも怖いって言われてるが・・・俺等はそういう堂本社長の本当の顔みたいなものは知らず、俺等は・・・陽気な優しいおじさんってイメージ。
でも・・・実はかなり権力を持っていると・・・それは皆言う。
とにかくうちは反社とは関わってはいけない。
堂本社長がそういう繋がりをうまく保って・・・・うちには手を出さないよう手を回しているんだ。
「俺は・・・・その手の問題には口を出せない」
俺がそう言うと、大輝は俺の顔を覗き込み
「今なら間に合う・・・・まだ見つかってない・・・・」
・・・・・・・・・。
すると、ボーイが俺等の方に来て
「お客様ー・・・・どうなさいますか??今日でしたらナンバー1の女の子お付けしますよ??」
と・・・・・・。
すると大輝は、
「ANちゃんって今日いますよね?お願いできますか?」
そう言い・・・・ボーイはニッコリ笑って、
「少しお待ちいただきますが、直ぐにお連れしまーす!!!!」
結局俺と大輝は最初に座った席に座って・・・・俺はウーロン茶を飲み、大輝はビール。
隣には最初に座ってきたおっぱいの乳首だけ隠しているような派手派手なギャル。
はぁぁ・・・・。
こういう派手な子・・・最近全然興奮しないんだよな、俺ー・・・・・。
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