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俺の兄貴
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しおりを挟む—和也side
俺と拓海は乗ってきたレンタカーに、仁も自分で借りたレンタカーに乗って女性陣が居るマンションに向かった。
拓海は助手席に座って、
「胡桃さん・・・・もしも和也さんを追って来ているならー・・・祐司さんに言ってもう出禁にさせた方が良いんじゃないですか?」
そう言った。
んー・・・・・。
俺もアイコスを吸い、
「そうだなぁー・・・・まぁ、詳細が分からないと何とも言えないな・・・・。祐司も沖縄来てるけど・・・・ゆっくりしたいからって言ってたし、連休明けに相談してみるよ」
そう言った。
出来たら、たまたま沖縄に来ていたって・・・そういう事だったらいいなって思った。
昨夜の件もあるから、若干彼女を疑ってしまう気持ちもあるけど・・・出来たらそれも間違いであって欲しい。
しかし気になるのが、兄貴が・・・空港に居たって話。
羽田に何の用があって??
まさか兄貴も・・・沖縄に居るとか?
でもそうだったとしたら、狙いはきっと俺等ではない筈。
きっと・・・・美晴さんと龍。
でもさっきの感じだと龍も分かってるし、兄貴がひとり来たとて・・・あの集団が居たらどんなに卑怯な手を使っても・・・・何もできないだろう。
涼達の家からマンションは直ぐそこ。
マンションに近付いて行くと、通りに夏樹と幸ちゃんと早紀ちゃん。
それと、凛さんと瑠衣ちゃん・・・・ん????
思わず目を見開いて前のめりになってまった俺・・・だってそこには・・・、
「胡桃さんっ?!」
拓海が声を上げた・・・・・。
—夏樹side
何ッ???
私の腕を両手で掴んで私に、・・・・狙われてるって・・・そう言ってくる女性。
「あの・・・ごめんなさい、多分私が誰かに狙われることはないし・・・そもそもあなた誰??」
私が言うと・・・彼女は泣きながら、
「和也君の・・・お兄さんに会ったの・・・」
そう言った・・・・。
え・・・??
和也君の・・・お兄さんって事は、美晴の元旦那っ?!
すると女性は、
「ごめんなさいっ・・私、和也君の事が好きになっちゃって・・・和也君のお兄さんだって言うから・・いろいろ話しをしてしまって・・・・」
ハッ?!
何々・・・何の話し???
「ちょっと待って・・・どういう事???よく分からない・・何言ってるの???」
私がその女性を抑えて言うと・・・直ぐに車が止まって・・・その中から和也君が降りてきた。
そして、
「胡桃さん・・・なんであなたがいるんだ??」
和也君は凄い勢いで降りて来て・・・私の腕を掴む女性を私から引き離し、
「何があったんだっ???」
って・・・・そう言った・・・・。
・・・・・・。
この人、もしかして・・・和也君のお客様じゃ・・・・。
和也君は・・・泣きそうなその女性、胡桃さんという女性を抱えるようにして顔を覗き込み
「胡桃さん・・・何でここに??・・・どうした?」
そう言ったの。
・・・・・・//////////
胡桃さんという女性は、和也君をジッと見て・・・涙を溢した。
何これ・・・。
私の胸の奥が、ズキズキって・・・スッゴイ鳴り出して、急に凄い不安感が襲ってきた。
胡桃さんは和也君をジッと見つめ、
「ごめんなさい・・・。私、貴方のお兄様に偶然会ってしまって・・・。」
和也君は私の方なんか見ないの。
胡桃さんの肩を掴み・・・屈んで・・・。
「・・・何処で会った?・・・いつ?」
って・・・・・。
そんなの頭に入ってこない。
幸と早紀ちゃんは私の腕をギュッと掴み、凛ちゃんと瑠衣と一緒に・・・・まるで蚊帳の外で、拓海君と仁君も辺りを見渡し胡桃さんを見つめた。
胡桃さんは涙をポロポロ流して、
「昨夜・・・BARで会った。行きつけのBARで・・・バーテンさんに酔って愚痴っちゃったの・・・。和也君って名前を出してしまったら・・・隣で飲んでた男性が・・・。」
・・・・・。
「和也って・・・滝本和也?って・・・俺の弟だよってそう言ってきたの・・・・・」
—和也side
胡桃さんは泣きながらBARで俺の兄貴に声を掛けられたと・・・そう言った。
男の名は滝本幸助・・・。
無精ひげを生やし、俺には似ていなかったが・・その後いろんな話をしやっぱり俺の兄貴だと認識。
胡桃さんが俺に気がある事を知ると、兄貴は俺との仲を取り持つと言って来たそうだ。
そして、そのまま五反田のホテルに行き関係を持ってしまった。
しかし直ぐにそれは危険だと思い、今朝直ぐに帰ろうとしたら・・・・兄貴に言うことを聞かなければ昨夜撮った写真や動画を胡桃さんの旦那さんの事務所に送ると・・・そう言われたそうだ。
それで、一旦は言うことを聞く事にした。
すると、兄貴は羽田に行って俺の同僚も沖縄に行くはずだからそれを付けて行き、沖縄でも俺等の滞在先を見つけるように言ってきた。
俺の恋人の親友と会うはずだから、その親友がいる場所を・・・特定しろと・・・・。
「私っ・・・・・私、軽い気持ちで・・・まさか、こんな事になるとは思わなくて・・・・ごめんなさい、ごめんなさい・・・・」
胡桃さんはそう言って俺にしがみ付いてきた・・・・・。
「ちょっと拓海ごめん・・・・」
俺はそう言って拓海に胡桃さんを託し、少し離れた所で俺等を見ていた夏樹の方に歩いて行った。
「夏樹、ごめんね・・・・怪我はない??皆大丈夫かな???」
そう言うと、夏樹は
「・・・・わ・・・私は・・・別に平気よ・・・。その人の傍に居てあげて・・・。」
そう言って俺から離れて・・・・タクシーでも拾うのかって感じで通りを眺めた。
俺は直ぐに夏樹を追いかけ、
「何してるんだって・・・・大丈夫。夏樹一緒にホテルに戻ろう??」
俺がそう言うと、
「私は大丈夫だってば・・・それよりあの人の傍に居てあげて・・・だって、どうするの??和也君が私と来ちゃったら・・・・・」
そう言って、俺の手を払った。
夏樹って・・・・やっぱりこうやっていつも我慢してきたんだろうね。
真っ赤な顔で、泣きそうなの我慢してさ・・・・。
俺は夏樹の手をがっちりと繋ぎ、そのまま俺が乗ってきた車の助手席に座らせた。
すると、
「和也君??・・・・あの・・・」
って・・・・。
そんな顔・・・しないで夏樹。
「何で夏樹を放っておくってなるんだって・・・・夏樹は俺の大事な人!!一緒にいないでどうするんだよ」
そう言って夏樹の頭をポンポンって撫でると、夏樹は歯をぎゅっと食いしばって・・・下を向いた。
—夏樹side
私・・・さっきね・・・。
和也君が胡桃さんの事だけを見てる時、凄く不安だった。
グッと下で拳を握って涙を堪えた。
和也君は皆に見えない様に私の頭を撫でて・・・。
「夏樹はそうやっていつも我慢するんだから・・・・。」
そう言って・・・・チュッチュって・・・キスをして、
「健二を呼ぶから・・・胡桃さんは健二に任せる・・・健二が来るまでここで一緒に待ってもらえるかな???」
そう言ったの。
和也君は私を分かってくれる・・唯一の人・・・。
強がっちゃったりしちゃうけど、でもそれはイジケテるわけではないの。
格好悪い自分を隠してるだけ。
なのに・・・和也君はそんな私を、絶対に見逃さない。
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