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誤解と和解 そして私の推しメン
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しおりを挟む湊君は涼の方に歩いて行き、
「涼さん・・・・今日はうちの颯がご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした・・・。」
そう言って頭を下げてきた。
涼は、
「アイツ、今日結城の面談来てたから結城に話聞いてみな?・・・・口説くのは禁止でーー!!!」
そう言って笑った。
湊君は私の方を見て、
「結城さん、少しお時間いいですか??」
勿論ーーーーーー!!!
「あー・・・はい、そこのソファーでいいかな??」
私は喫煙室の奥にあるソファーを指さすと、湊君は喫煙室にいる淳君の方をチラッと見て・・・・・。
「はい」
わー・・・・、やっぱ超似てるーーーー。
でもなー、・・・・年下だからかな。
私はやっぱり湊派!!!
なんちゃって!!!
私もさっきの颯君の面談データーを見る為、PCを持ってきてソファーに腰掛けた。
湊君は私の真向かいに腰掛け、
「結城さん、・・・颯、何か失礼な事したり言ったりなかったですか?」
失礼な事・・・・・。
「それはないけどー・・」
それはないけど、颯さんと話をしてて、
こんなに退屈な人いるんだって思うくらい・・・。
会話が・・・盛り上がらず。
「あのね・・颯さんはー・・んー・・・格好良いし、・・・スッゴイモテ要素万歳なのに・・・・あのー・・・・・」
私が言いづらそうにしていると、湊君は少し笑って、
「話し、めっちゃつまんなくないですか???」
それーーーー!!!
それなのよ!!!
「んー・・・・まぁ・・・そうなるかなぁー・・」
私が笑って言うと、
湊君もまた笑って・・・。
「颯にはもっと会話力磨くように言ってて、俺の友達とかにも会わせたりもしたんですけど、なんせ人付き合いが嫌いな奴でー・・」
えっ・・・人付き合い嫌いなんだ!!!
それはー・・・・。
結構致命的だな。
「そっかー・・まぁ性格だしね。でも、やっぱ女の人も退屈なのはちょっとね。お金も払ってるわけだし、その時間がもったいないってなっちゃうよね・・・」
そうなの・・・。
会員さんはお金を払ってるのよ!!!
湊君と暫く颯さんの話をして・・・・・。
気付いたら普通の世間話になっていた。
「結城さんは年末から涼さん達と沖縄に行くんでしょ?」
湊君はにっこり笑ってそう言った。
あ・・・・・・。
えーっと・・・。
周りを見たけど、皆・・・こっちを気にしてないし・・・・。
湊君だし・・・いいのか・・・。
「うん、・・・湊君は沖縄・・・帰らないの???」
そう言うと、
「んー・・・休みが取れたら、夏はなるべく実家に行こうかなって思ってます。龍と一緒に!」
噂の龍君か・・・・。
そうだ・・・・。
すっごく聞きづらいんだけど、ずっと気になってた事。
「あ・・・あのさ、・・・・湊君ちょっと聞いても良い???」
私が伺う様にそう言うと、湊君はにっこり笑って・・・・・。
「なんでもどうぞ???」
やっぱり淳君より全然優しいじゃん!!!
「あのさ・・・あのー・・・直樹君と湊君って・・・・・」
私がそう言うと、湊君は一瞬・・・・。
悲しそうな目をしたの・・・・。
あ・・・。
なんか、聞いちゃいけなかったかな。
やっぱ・・・。
「ごめん・・ごめんね、立ち入ったこと聞いちゃった・・・気にしないで??」
私がそう言うと、
「俺、高校は・・・暴力事件起こして退学になったんですよ」
・・・・・・・・・・・。
そう・・・なの?
やっぱり、皆が言ってたのは本当だったんだ。
「そのー・・・相手の男が、直樹の兄貴で・・・・直樹の兄貴も変な性癖あって、それが事の発端。・・・・でも結城さんに怪我が無くて良かった・・・・」
湊君・・・・。
凄い・・・寂しそうな、悲しい顔するの・・・・・。
何を思い出したの???
「あの・・・湊君大丈夫?」
私がそう言うと、・・・・湊君は少し驚いた顔をして私を見た。
そして・・・・。
「んじゃー・・・・今度本当にデートして?・・・そうしたら元気になるから」
・・・・・・・。
湊君・・・・・。
一見、デートって聞くと・・・下心ありな感じもするけど・・・・。
湊君からはそういう物は感じず、
弟的な・・・・・。
「いいよ、・・・・今度ゆっくり話そう・・・」
私がそう言うと、
湊君も笑って・・・・・・。
「涼さんに許可貰わないとなー・・・・」
って・・・・。
・・・・・・・。
私の推しメン湊君は・・・・たまーに寂しそうな顔をする・・・・お兄ちゃんそっくりな・・・・真面目な・・・・若者。
湊君は席を立って、皆と少し話をして・・・・オフィスを出て行った・・・・。
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