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三角関係
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しおりを挟む今日は、
夜、美佳やモデル仲間と私の誕生日パーティー。
場所は俊也の店だ。
私は17時半の定時と同時に席を立ち、上着を羽織った。
すると、
「あれ??今日なんだっけ??」
涼が言った。
「あー・・・・うん・・美佳と・・昔のモデル仲間と・・・集まるの。」
「・・・そっか・・何処で??」
「俊也の店ーーーー・・・」
私がそう言ってマフラーを巻くと、
「あ、・・・俺一回行った事ある!!あそこ美味いよなー・・・・」
そうそう、パスタも美味しいしー、石窯ピザも最高なんだよねーー・・・・。
「そうなんだよね、私も久々だから嬉しい!!!」
「・・・そっか・・帰るときオフィスに電話してーー。俺まだしばらく残業してるからさー・・・。」
って・・・・。
ん???
どういう事???
一緒に帰りたいってことなのかな。
「で・・でも、お店表参道だよ???」
私が言うと、涼は笑って・・・・・。
「嫌だったらいいよーーー!!押しかけてやるから!」
そう言って笑ったの。
「え・・・イヤとかじゃないよ!!ちょっと距離あるかなって思ったから・・・・」
涼と私は、あの話し合いをした日・・・・・。
少しだけ距離が縮んだ。
が、
涼の仕事が忙しい事に変わりはなく、会社外で会うのは・・・・殆どなかった。
帰りは、健二か拓海・・・一樹さんか淳君に乗せてもらったり、電車で帰る日もあった。
会社内では、なるべく・・・一緒にランチに出ようとしてくれたり・・・・。
少し会話をしたりと頑張ってくれているのは凄く伝わってきた。
エレベーターの前に立ってると、淳君が来た。
「もう帰り??」
私がそう言うと、
「あー・・・・一緒に帰るーーー??」
そう言って私の横に立った。
「あーー・・ううん・・予定あるの・・・」
そう言って、到着したエレベーターに乗り込んだ。
「なんだよ、誰かとおデートか??」
「違うよ・・たんじょ・・・・あ・・・んーーお食事会!」
一瞬誕生日パーティーと・・・言いかけてしまったが、そんなの言ったら・・・・。
なんかアピールしているみたいで嫌だし。
あまり言いたくなかった。
「そっかぁー・・どこでやんのーー??お食事会」
「表参道の俊也の店・・・」
「あそこかー・・・・んじゃぁ、送る!」
えっ?!
淳君はエレベーターが1階に着くと、勝手に閉まるボタンを押し、そのままエレベーターは地下へ・・・・。
地下の駐車場に着くと、淳君はさっさとエレベーターを降りて行った。
「えっ・・・でも・・・」
私は淳君を追いかけ・・・その後ろを歩いた・・・。
「何時から??」
淳君は振り返って言ってきた。
「・・・18時半・・・」
「・・少しドライブして行こうぜ??」
「えっ・・・」
「まだ早いだろ?少し付き合えよ」
そう言って淳は助手席のドアを開け・・・乗せてくれた・・・・。
何処に行くのかよく分からないまま、車は駐車場を出た・・・・・。
すると、
「なんかさぁ・・早いよなーー・・」
淳君が言った。
「え・・??」
「結城と出会って・・・どれくらい???」
「あーー・・・クラブに行ったのが・・7月??だからまだ・・3ヶ月だよ??」
「そんなもんかっ!」
「淳君と初めてちゃんと話したのって・・・・」
私が言うと淳君はゲタゲタ笑って、
「お前が帰れなくって俺が送った時だっけ??ってかー・・淳君って気持ち悪いから淳でいーよ!!」
えっ・・・!
てかー・・。
凛さんとはどうなったんだろう・・・。
もう終わったとかなんとか・・・だけど、・・・実際凛さんの事大好きに決まってんじゃんね?
この人ー・・・・。
「あーー・・・淳は・・・あの時・・・・。」
私が凛さんの写真があった引き出しをチラッと見ると、
淳はその引き出しを手で引っ張って見せ・・・。
「もうあの写真はない!・・・・俺マジで振られたから」
そう言った。
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