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お正月 2
7
しおりを挟むすると、私のスマホがブーブー鳴り出した。
画面を見ると、
『非通知』
・・・・・・・・・。
おかしいな・・・・。
村田さん???
保釈されたとか??
でもそんな事があったらお兄ちゃんが言ってきそうだけど・・・・・・。
私がスマホをじっと見つめ電話に出ないでいると、
「結ちゃんどうしたー????」
蒼ちゃんが私のスマホを見て言った。
「んー・・・・非通知だし・・・・どうしようかなって・・・・・」
私が言うと、後ろに居た半次が私のスマホを後ろから見てきて、
「変な電話だったら俺が変わってやるよー・・・・」
・・・・・・・・。
もしかしたら、知ってる人かもしれないし・・・・。
ゴクッと唾を飲み込み・・・・。
「もしもし・・・・」
電話に出ると、
『・・・・・・・・・・・・・』
無言・・・・?
やっぱり、嫌がらせ電話?
「あの、・・・誰ですか?」
私がまたそう言うと、
『・・・・・クスクス・・・・・・』
ん・・・・??
笑ってる・・・・・・・。
「だ・・・誰?」
前とは違う声?
すると、
『沖縄・・・・楽しそうだね』
ん??
これって・・・・ボイスチェンジャー????
ロボットのような声・・・・。
しかも沖縄に居ることを知ってる人?
「貴方誰?」
私が言うと、
『まだ分からないんだー・・・・・そうか・・・・俺はこんなにお前の事大好きなのにね』
・・・・・・・・・・・・。
大好き?
私が黙って振り返ると、半次が笑って手を出した・・・・。
私がスマホを渡すと、半次は私に、
シーっと・・・指を立てて・・・・・。
「おい、俺はこの子の友達だー・・・アンタ誰だ?」
・・・・・・・・・・。
半次は私の方を見て、何度も頷き・・・・・。
笑った。
そして、
「あー・・そうか、・・・・やれるもんならやってみろ!いつでも相手にしてやるぞー・・・・・」
そう言って少しすると私にスマホを返してきた。
半次は、
「一応後で涼に言っておくよ、お嬢もまたこういう電話が来たらー・・・涼とか俺とか淳とか・・・男どもに出てもらえよー????」
半次・・・・・・・。
「あの・・・、半次・・・・・」
半次はビールをグビッと飲むと、ニッカーと笑って・・・・。
私の顔を覗き込んだ。
「そんな顔するなー・・・・。お嬢は、俺の友達!皆の友達だー・・・困ったことがあったら何でも言えよー?俺はただのデブじゃねーぞ?結構動けるデブだ!」
そう言ってまた・・・ガハハーーーって・・・・笑うの・・・・。
蒼ちゃんも私の肩を抱いて、
「皆ー・・・結ちゃんの仲間♡大丈夫ー・・・・なんくるないさー・・・・・」
なんくる・・・ないさー・・・・。
―その頃、東京某所
結城。
遂に俺から離れていっちゃったね・・・・・・・。
俺から離れて、
沖縄で楽しく過ごしてるんだ。
何で俺の気持ち、わかってくれなかったの?
結城の事は、俺が一番わかっているのに・・・・・。
俺から逃げられるなんて
思うなよ。
真っ暗な部屋の中。
ベットに横になると、天井と壁一面に貼られた橘結城の写真。
手を伸ばすと、届きそう・・・・・。
俺は毎日こんなに沢山の結城と一緒にいる。
壁に貼ってある結城の写真を撫で、ベロッ・・・・と舐めた。
結城・・・・・。
結城が欲しい。
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