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大事な人
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しおりを挟む―涼side
熱でダウンした翌朝、目を覚ますと少し頭がスッキリして・・・・・・熱も下がってると思われる。
昨夜、夢だったのかな。
結城が・・・傍に居てくれた。
俺は自分の手をじっと見つめ、なんとなく残っている感触を・・・確かめる。
起き上がると、ベットの脇に探したけど見つからなかった体温計があった。
そして、薬の袋も置いてあって・・・その袋には
『大和診療所』
と、書かれていた。
あれ??
大和来てくれたのか・・・・・・。
ベットから降り、歩くと節々が・・・痛い。
はぁぁ・・・。
もう年なのかな。
ヨタヨタとキッチンまで歩き、冷蔵庫を開けると・・・大きめなタッパーの中にお粥。
蒼太かな?
今日は仕事行かないとな・・・・・。
お粥を温めて、食うと
「なんだこれ、・・・美味っ・・・・」
卵粥・・・・凄い美味い。
美味いなこれ・・・後で蒼太にお礼を言おう。
熱を測ると・・36.5℃か・・・・。
昨日一昨日の感じ、何だったんだろう。
死ぬかと思ったし・・・。
すると、ピンポーーンとインターフォンが鳴り、カメラを見ると淳達が立っていた。
朝飯無いのにこいつ等毎朝来る。
ドアを開けるとドカドカ入ってきて、
「おーーー??復活か???・・・・んっ??俺らの飯は??」
淳が言った。
知らねーよ!!!なんで俺がお前らの飯まで用意しないといけねーんだよ。
「昨日は悪かったなー・・・今日は仕事行く・・・・」
そう言うと、
「あれーー??涼さんこれって自分で作ったの???」
蒼太が俺が食べたお粥のお椀を見て言った。
・・・・んっ??・・・
「いやっ??・・・お前作ってくれたんだろ?お粥・・・スッゲー美味しかった」
蒼太は首をかしげ、
「私じゃないわよ??」
・・・・・・・・。
「え・・・、じゃ誰が????」
すると、達也はタバコを吸ってニヤニヤ笑ってこっちを見てきた。
「なんだよお前、変な顔して笑ってんなよ」
俺が言うと、
「昨日ーー・・来てましたよ」
「何が??・・・」
俺がそう言うと、達也は笑って・・・・・。
「犬が」
・・・・犬っ??・・・
犬ってなんだよ!
すると、
「お嬢かっ?!」
半次が言った。
え・・・・・・・・・・。
「・・・・・・」
「そうっすよ・・俺送りましたから!犬小屋入ってコーヒー飲んで帰ってきました」
結城が??・・・やっぱり、夢じゃなかった。
俺は寝室に行って薬の袋を手に取り、
結城が・・・大和を呼んでくれたのか。
「なぁー、お前さ・・もうそろそろちゃんとお嬢を迎えに行ったらどうだ」
半次がそう言ってきた。
「迎えに行くよ・・そのつもりだ」
一昨日、成田里香に金を渡し・・・俺も直ぐに那覇空港に向かった。
東京に行くつもりだったんだ・・・・。
結城を迎えに行く、準備をするために。
なのに、空港についてチケットを取ろうとしたら・・・・急に目の前がグルグルしてきて・・・・立っていられなくなった。
そして椅子に座って頭を触ったら・・・めちゃ熱くて、半次に迎えに来てもらったんだ。
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