転生して竜の親になりました~でも、スライムなんですけど?!~

桜月雪兎

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竜親、町興し編

五十八話 作戦決行③

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 偵察部隊が帰ってきた。
 ものすごく慌てた様子でね。何?何言われるの?これ。
 怖いんだけど。
「報告します!」
「はい」
「ダークエルフの総人数2万人以上。ダークエルフ以外の者が3人、人間です」
「人間?!なんで人間がダークエルフと一緒に行動してんだよ!」
「……」
 人間ねぇ~。
 ここの人間にはまだ会ってないのよね。え?ドワーフ?あれは亜人でしょ?
 周りがざわついているし、リザードマンの長の甥っ子も声を荒げていたわ。自分の立ち位置を分かってくれないかしら?
 偵察に行った部隊長はまっすぐ私を見ていた。
 そうね、まだ何かあるんでしょ?だから慌てて帰ってきたんだもんね。
「続きをお願い」
「はい。ダークエルフは同族の子供を人質にとられています。それゆえ抵抗できずに今回の進軍に至った様子です」
「何故、そう思ったの?」
「向こうのやり取りです。一人の人間が進軍を強行しようとしましたが、ダークエルフの部隊長と呼ばれるものが拒みました。しかし、別の人間が球体を見せると慌て始めたのです。人間たちはダークエルフに明日進軍するように言い、ダークエルフはそれをしぶしぶ了承しいました」
「そう…………ひどいわね」
 本当にひどい。子供を盾に取るなんて、外道ね。
 そういうやつは昔っから嫌いなんだよねぇ、私。
≪どうするつもりじゃ?≫
 ふふ、そうね。私が前に出るわ。
≪な、何を言っておるんじゃ?!≫
 大丈夫よ、ダークエルフはこの行為をよしとしていない。人質さえ取り返せば、敵は3人。
≪そうは言うがのぅ≫
 大丈夫、どうにでもなるわ。
 いえ、して見せるわ。
≪……分かったわぃ。じゃがのぅ、無理だけはするなよ≫
 ええ。
 そうね。私の帰りを待つ子たちも、大事な我が子もいるんだからね。
「……作戦を考えたわ」
「ティア殿?」
「部隊の役割を変更するわ!」
「役割の変更ですか?」
「ええ。まずはダークエルフの子供たちを救出する。その後、今回の黒幕の捕縛よ」
「殲滅ではなく、捕縛ですか?」
「ええ、生き地獄を見て貰わないと」
「……なるほど」
 うん、みんな引いてるけどなんで?
 え?私の笑顔が黒い?仕方ないじゃない、腹が立つんだから。
 私は最終防衛場所であるオーガの里を大きめの土塀で囲った。もちろん、いざって時のために前は一人が通れるだけのスペースを、後ろは大人数がすぐに逃げれるだけの広さを確保してね。
 もちろん、回り込まれたら危ないから10mぐらいは両サイドを土塀で防いでる。
 攻撃可能部隊は全員、第一線に向かった。
 オーガ・コボルド・リザードマンで正面からダークエルフにぶつかって貰う。
 その間に私たちが人間たちに向かっていき、ダークエルフの子供たちを救出する。
 救出完了後、ソーガたちに人間たちを捕まえてもらう。
 これが私が考えた作戦。
 これでは私たちがいいとこどりしているようだが、実は適材適所なのだ。
 私という『スライム』は擬態があるので、相手の懐に飛び込みやすい。そして、ソーガたちは私の護衛だ。その立場はソーガたちは誰も譲らない。
 他が抑えてくれないと少数の私たちがまともに行動できない。大勢では懐に入り込むことはできない。
 そういうことなのよね。
 まぁ、あそこで不満そうな子が一人いるけど、ほっとこう。
 こんな緊急事態にまでかまってられないわ。
「リザードマンの長」
「うん?どうかされたか?」
「あの子、戦えるの?」
「ああ」
「そう、それなら連れて行かないわけにはいかないわね」
「よいのか?」
「何かあれば、どうなるか分からないけどね。あそこまで不満そうなら現実を見るべきね」
「そう、だな」
「まぁ、ここは戦場になるのだから、全員覚悟しないとね」
「ああ、そうだな」
 二回目の返事がはっきりしていたのはたぶん、そういう状況になったことがあるのだろうな。
 さぁ、元人間でも子供を人質にとるような外道は許さないわよ。
 決戦の時ね。

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