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第一章
54、チーム結成⑥
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その後も談笑なんかをして親睦をある程度深めた所でアキラさんとグランツさんが来たがどうもアキラさんが憤慨している。グランツさんはなんだかバツが悪そうだ。いったい何があったんだ?
「ア、アキラさん?」
「ギルマス、どうかしたんですか?」
「い、やぁ~~」
「この人、チーム編成登録用紙をしまいこんでいて今まで探していたんです」
「「あ、ああ~~~」」
俺とエドは何とも言えない顔をしてた。
だってそうだろう、いくら未記入でも書類をどこかにやるとはギルドマスターなんだからしっかりして欲しいと思うだろう。
「だから、机の中の物は弄らないでくださいって言っているでしょ!」
「ちょ、ちょっと必要な物があったんだよぉ~」
「そういう時は人に頼むように言っているじゃないですか!あなたはよくモノをなくすのだから注意を払ってください!!」
うん、違った。全員がなくす癖を知っているから予防策を講じてた。
つまり、その上でやらかしたんだ。そりゃぁ~、バツも悪くなるでしょうな。しかも弄ったモノ以外のモノがなくなっているなんて気づかなかったんだろうな。
エドの方を見ると苦笑で返された。
つまりよくある光景なんだろう。
これでよくギルドマスターが務まるものだ。
「ギルマスがこれでいいのですか?」
「ええ、うちのギルマスに必要なものは荒くれ者共を抑え込めるだけの力といざという時の判断・決断力に統率力です。そういう意味ではこの残念な人は優れているので」
「はぁ」
「書類系なんかは得意な私たちがすれば済むことですので」
「そういうものですか?」
「うちではそうですね。ここはモンスターの被害が多い地域ですので。他の所に行けば違う条件になりますが」
なるほど、一口にギルドと言えどもその地域の特性が出るようだ。そして、その最たるものがギルマスに求められる素質なのだろう。
アキラさんとグランツさんが俺たちの前に座ってチーム結成の話に戻った。
「それではこの用紙に必要な物を記入してください」
「「はい」」
そこに書かれていたのはチーム名、チームリーダーの名前・ランク・得意武器、チームメンバー名前・ランク・得意武器、備考だった。
うん、ここでも意外に書かれているのは簡単なものだ。
だが、問題が発生した、チームリーダーをどっちがするかだ。俺は経験年数が短いし、ランクも低いのでここはエドにした方がいい気がするんだが、エドはどうだろう?引っ込み事案というか、コンプレックスがあるのは分かったから、前に出ることの多いリーダーは難しいか?
「リーダーどうしようか?」
「そうですね、ランク的にはエドワードさんがするべきなんですが」
「む、無理です!そ、それに、チームメイトでも新しい人が来てくれるか不安なのに……リーダーなんて」
「と言う感じなので、できればマコトさんで」
「ですよね。じゃあ、チームリーダーは俺で、メンバーはエドで……ユキは?」
「ユキちゃんはマコトさんのパートナーなので備考の所にマコトさんのパートナーとして名前を書いてください」
なるほど、パートナーはチームメンバーとしての枠に入らないのか。それもそうか、そういうのを書いているとキリがないんだろうな。
「エドの得意武器って?」
「片手剣だね、あと魔法が少し」
「俺は双剣だな」
「え?双剣で戦うの?!すごい!!」
「そ、そうか?」
「うん!僕なんて片手剣を扱うのが精一杯だもん」
「いや、でも、盾を使えるじゃないか。俺は双剣だから防御系はいまいちだし」
「そ、そんなことないよ~」
うん、照れ笑いも可愛いわ。
こう、嬉しそうにされると癒されるわ。
ほめて伸ばす系だな、エドは。
アキラさんに温かい視線を送られた。これはあれだ、仲良くなってよかったっていう兄弟や親目線の視線だ。
グランツさんは呆れた感じで見ている。
これはエドの後ろ向きの思考を改善させるために試行錯誤しているさまなんだが?なんて思っていると見てしまった、アキラさんがグランツさんの足を思いっきり踏んづけた上にぐりぐりと体重をかけているのを。
エドは気付いていないようだが、グランツさんかなり痛いのを我慢している顔をしている。
ご愁傷さま、俺は助けないよ。
「ア、アキラさん?」
「ギルマス、どうかしたんですか?」
「い、やぁ~~」
「この人、チーム編成登録用紙をしまいこんでいて今まで探していたんです」
「「あ、ああ~~~」」
俺とエドは何とも言えない顔をしてた。
だってそうだろう、いくら未記入でも書類をどこかにやるとはギルドマスターなんだからしっかりして欲しいと思うだろう。
「だから、机の中の物は弄らないでくださいって言っているでしょ!」
「ちょ、ちょっと必要な物があったんだよぉ~」
「そういう時は人に頼むように言っているじゃないですか!あなたはよくモノをなくすのだから注意を払ってください!!」
うん、違った。全員がなくす癖を知っているから予防策を講じてた。
つまり、その上でやらかしたんだ。そりゃぁ~、バツも悪くなるでしょうな。しかも弄ったモノ以外のモノがなくなっているなんて気づかなかったんだろうな。
エドの方を見ると苦笑で返された。
つまりよくある光景なんだろう。
これでよくギルドマスターが務まるものだ。
「ギルマスがこれでいいのですか?」
「ええ、うちのギルマスに必要なものは荒くれ者共を抑え込めるだけの力といざという時の判断・決断力に統率力です。そういう意味ではこの残念な人は優れているので」
「はぁ」
「書類系なんかは得意な私たちがすれば済むことですので」
「そういうものですか?」
「うちではそうですね。ここはモンスターの被害が多い地域ですので。他の所に行けば違う条件になりますが」
なるほど、一口にギルドと言えどもその地域の特性が出るようだ。そして、その最たるものがギルマスに求められる素質なのだろう。
アキラさんとグランツさんが俺たちの前に座ってチーム結成の話に戻った。
「それではこの用紙に必要な物を記入してください」
「「はい」」
そこに書かれていたのはチーム名、チームリーダーの名前・ランク・得意武器、チームメンバー名前・ランク・得意武器、備考だった。
うん、ここでも意外に書かれているのは簡単なものだ。
だが、問題が発生した、チームリーダーをどっちがするかだ。俺は経験年数が短いし、ランクも低いのでここはエドにした方がいい気がするんだが、エドはどうだろう?引っ込み事案というか、コンプレックスがあるのは分かったから、前に出ることの多いリーダーは難しいか?
「リーダーどうしようか?」
「そうですね、ランク的にはエドワードさんがするべきなんですが」
「む、無理です!そ、それに、チームメイトでも新しい人が来てくれるか不安なのに……リーダーなんて」
「と言う感じなので、できればマコトさんで」
「ですよね。じゃあ、チームリーダーは俺で、メンバーはエドで……ユキは?」
「ユキちゃんはマコトさんのパートナーなので備考の所にマコトさんのパートナーとして名前を書いてください」
なるほど、パートナーはチームメンバーとしての枠に入らないのか。それもそうか、そういうのを書いているとキリがないんだろうな。
「エドの得意武器って?」
「片手剣だね、あと魔法が少し」
「俺は双剣だな」
「え?双剣で戦うの?!すごい!!」
「そ、そうか?」
「うん!僕なんて片手剣を扱うのが精一杯だもん」
「いや、でも、盾を使えるじゃないか。俺は双剣だから防御系はいまいちだし」
「そ、そんなことないよ~」
うん、照れ笑いも可愛いわ。
こう、嬉しそうにされると癒されるわ。
ほめて伸ばす系だな、エドは。
アキラさんに温かい視線を送られた。これはあれだ、仲良くなってよかったっていう兄弟や親目線の視線だ。
グランツさんは呆れた感じで見ている。
これはエドの後ろ向きの思考を改善させるために試行錯誤しているさまなんだが?なんて思っていると見てしまった、アキラさんがグランツさんの足を思いっきり踏んづけた上にぐりぐりと体重をかけているのを。
エドは気付いていないようだが、グランツさんかなり痛いのを我慢している顔をしている。
ご愁傷さま、俺は助けないよ。
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